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中国の神獣鏡とは本来、鏡ですか。
中国では、姿や顔を映す鏡として用いるために作られたものですか。 鏡であるなら誰が使用したと考えられているのですか。 それとも呪術とか、他の目的があったのですか。 中国の皇帝が卑弥呼に鏡を贈った目的は何ですか。 よろしくお願いします。
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「字統」という字源字典に、次のような説明があります。 (概略、抜粋) ……………… 時期のはなはだ古いものには、凹面で鏡の用に適しないものがあり、それはあるいは陽燧(ようすい)であったかもしれない。陽燧は、光の反射によって日光を一箇所に集中し、燧(ひ)をとるためのものであった。 鏡として時期の最も確実なものは、近年殷墟の婦好墓から出土した四面の銅鏡をあげうる。 ……………… 鏡の制作はのちに次第に精美を加え、近年出土の日光鏡は、ある角度では鏡体が玉のように澄澈(ちょうてつ)となるみごとなものである。漢鏡には多くの吉祥の語をしるし、文様も精美を加え、魏の武帝の御物は、尺二寸の金錯鏡であったという。 ……………… 鏡の精妙なるものには破邪の力があるとされ、古小説の「古鏡記」に霊験談をしるしている。 ……………… [説文]に「景なり」とは光、段玉裁の注に「金の光有りて物を照らすべき物、之を鏡と謂う」とあり、照明するものの意で畳韻の訓、鑑・鏡は双声の字である。 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 以上は文字の「鏡」「鑑」の説明の抜粋ですが、ものとしての鏡も、昔は(姿見や顔を映すもの)ではなくて、照り輝かせるもの、破邪・吉祥を招くものという使い方が主だったのかもしれません。 衆人を集め、衆人に向かって前に立って、鏡を立てれば、太陽の光が自分を正面から照らすと共に、鏡に太陽が反射して神々しさが煌めいていたのではないでしょうか。 社のような中に鏡があっても、外から眺めると、鏡は光ってみえるし、、、、 卑弥呼は奴隷や当時の重要な産物を贈っています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%8F%E5%BF%97%E5%80%AD%E4%BA%BA%E4%BC%9D#.E9.AD.8F.E3.83.BB.E6.99.8B.E3.81.A8.E3.81.AE.E5.A4.96.E4.BA.A4 卑弥呼に贈られたものも、地方権力としての地位を承認する目的のものだったのでしょう。当時の倭の中でも銅鏡は地方権力の承認の証しとして分与されたようです。
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- PopoAmin
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鏡は本来姿や形を写すためにために作られています。 私は自分でミニチュアサイズの青銅鏡を数枚作ったことがあるのですが 非常によく写ります。研磨の加減で少し凸面になるとそんな小さな鏡でも顔全体が くっきりと写ります。毛穴までわかります。 でもそんなことはどうでも良い。何のために写すのかが問題ですよね。 女性が化粧のために写すのか?呪いのために写すのか? ここは注意したいのは当時青銅はとても高価であったということです。 銅という字は金と同じと書くくらいですからね。少なくとも普通の女には持てなかった。 では特別高貴な夫人の場合はどうでしょう?彼女たちには沢山の召使いがいますから 自分で化粧はしない。すなわち鏡をそれほど必要としないわけです。 もちろん時代が下がり、鏡が特殊なものではなくなると女性の化粧用になってしまいます。 少なくとも中国では隋、唐の時代にはそうなっていました。 ただし初期にはそうではない。中国では化粧の道具になってしまった後も 後進国だった日ノ本ではまだまだ呪術の道具だったはずです。 そうでなければ男性の大王の墓にあれほどの数の鏡が副葬された意味を説明できないんです。 現に今もたくさんの神社に鏡が飾られ時にはご神体になっています。 ではどういう呪術に使われたのでしょう。やはりこれらの鏡は太陽を写したものと思います。 首長や巫女が持った鏡に太陽が反射すると、彼らの太陽が宿ったように見えます。 鏡は太陽神の象徴であり生命の象徴だったと思うのが自然だと思います。 中国の皇帝が卑弥呼に鏡を贈ったのは卑弥呼の側がそれを望んだと考えるべきでしょう。 朝貢に対する下賜ですから受け取る側が欲しがるものでなければ皇帝の権威が保てないです。 ここからは私のかってな思い込みですが。銅鐸の祭祀が失われ鏡の祭祀が広まったのが 卑弥呼の時代だったのだと思っています。沢山の鏡が必要とされたんでしょうね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 やはり名のとおり“鏡は本来姿や形を写すために作られて”いたのですね。 >もちろん時代が下がり、鏡が特殊なものではなくなると女性の化粧用になってしまいます。 ということは、初めのころは女性の化粧用ではなかった、ということですか。 私は、文様から男性が使用していたのではないかと思っていました。 なにしろ鏡面よりも文様のある面の方に制作の意図が強く感じられるものですから。 >朝貢に対する下賜ですから受け取る側が欲しがるものでなければ皇帝の権威が保てないです。 なるほど、納得しました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私個人の勝手な感想ですが、鏡面もピカピカに作るのは難しいでしょうが、浮き彫りした文様面の方がはるかに制作者の熱意を感じます。 鏡が主体なのか、それも姿や顔を映すことが目的なのか、あるいは文様に意味があるのかという疑問です。 >鏡の精妙なるものには破邪の力があるとされ、古小説の「古鏡記」に霊験談をしるしている。 >[説文]に「景なり」とは光、段玉裁の注に「金の光有りて物を照らすべき物、之を鏡と謂う」とあり、照明するものの意で畳韻の訓、鑑・鏡は双声の字である。 わざわざ『字統』を調べて下さってありがとうございます。 鏡は、物を照らすべき物であること、また破邪の力があると信じられていたこと、大変よく解りました。