嫌わせ者の『いわしせんべい』
私の目の前には1パックの『いわしせんべい』がある。
ざっと100匹分の肉片が詰まっている。
甘辛そうなタレがかかっていて
白ごまがついている。
どんな美味しそうな匂いがするだろう・・
簡単なフタを剥がし、そっと匂いを嗅ぐ。
『亀臭い・・・・』
いつからかそこに居た。
どうせ母の仕業だろう。
いつもいつも食べもしない物を貰って来ないでと言っているのに。
ホコリまみれで賞味期限は2013・8月と記されている。
乾物なので、「消費期限はオッケー!!」
人には流石にあげられない。
そこが問題なのだ。
特に腹が減っているわけではない。
しかし誰かが食べねばこやつらの霊魂は報われない。
「今でしょ!」
誰かがそう叫んでる。
(でも、私、私・・・・・)
何をすべきかはわかってる。
でもそう簡単には行かない。
「こんな亀臭いの、食べられないおっ!!」
こんな亀臭いものを食べた女の事を、
あの人はどう思うだろう・・
食べた分だけ必ず太るのなら、
せめて自分の大好きな、美味しいものをお腹いっぱい食べたい・・・
世間は残酷だ。
公園のホームレスは一斉退去させられるし、
食べ物に困っている人々は遠い国にいる。
このご時世、中国産の『いわしせんべい』など
誰が好き好んで欲しがるものか!
(中国の人作った人ごめんなさい)
無理して食べて太ったなら
自己管理のできないデブのレッテルを貼られる。
ゴミ箱に捨てれば
悪臭と罪悪感に飲み込まれる。
かと言って良い利用法も思い浮かばない。
黙って食したところで、誰も感謝の言葉一つ述べてくれない。
「これを食べる事に何の意味があるの?」
それでも社会から押し出された、
この子達を救いたい・・・・・・・
そんなジレンマと私は今戦っている。
(バカやな・・私ほんま、バカやな。)
損得勘定では開けない蓋を開いてみようか。
「・・・・・・・・ぅ・・やっぱ臭。」
私にはこの「いわしせんべい」を受け入れるだけの、
大きな器がない。
愛と勇気だけが友達なんて、嘘だ。
「誰か助けて下さい!!」
「誰か助けて下さいっっ!!!!」
孤独な空間の中で、
虚しさだけが木霊する。
パックの蓋の溝に挟まった
イワシの頭部がこっちを見ている。
「・・ワシヲコンナニシテオイテ、
ミステタラユルサナイゾ・・」
もう私には術がない・・・・・
お願いです。
ここに悩める女性が一人います。
諦めたくない。まだ方法があるはず。
ゴミ箱に捨てる以外の方法を
誰か一緒に考えて下さい。
つまり、嫌なら食べなきゃいいニュアンスはいけません。
ちなみに他に食べてくれそうな人は
身近にはいません。
お金もそんなにありません。
それでもこの『いわしせんべい』を
救えますか?
よろしくお願いします。
※カテは人生相談です。
お礼
ありがとうございます。 炊き込みご飯もいいかな…