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あらゆるという言葉は古語の生き残りでしょうか
あらゆるは現代語では「あられる」となるべきではないかと思ったのですが、どうなのでしょうか。
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「あらゆる」は「ある」から派生した語と考えられ、「ありうる」と意味的に同じ、ないしは似ています。「ゆ」は古い日本語で可能性を示していて、それがずっと残っています。 「あられる」も「ある」から派生した語ですが、尊敬の敬語です。「いらっしゃる」より硬い言い方です。「あなたは医師である」→「あなたは医師でいらっしゃる」→「あなたは医師であられる」といった感じです。 そのような相違ですので、「あらゆる」が「あられる」となっていくことは考えにくく、元が同じでも違う用法・意味に派生したものと考えるべきでしょうね。
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- OKAT
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すでにお二人の回答で結論は出ていますが、少し補足を致します。上代では平安時代の「る・らる」に相当する助動詞として「ゆ・らゆ」が用いられました。活用の仕方は「下二段型(命令形は無し)」。意味で注意する点は、「自発・可能・受身」だけで、「る・らる」にはある「尊敬」としては使用されなかった事です。 平安時代以後は、固定化された「いはゆる」「あらゆる」など連体詞として使用されました。 (なお上代では、尊敬を表すには「す」という助動詞が使われました。 思はす→思ほす→おぼす・聞かす→聞こす) また、上代から「思はゆ」は「思ほゆ」に、「聞かゆ」は「聞こゆ」に転化していました。さらに平安時代では「思ほゆ」は「思ぼゆ」(おぼゆ)に変化します。
お礼
詳しくご説明いただきありがとうございました。
- dohedohe
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「なるべきではないかと思ったのですが、どうなのでしょうか」というご質問ですので、端的に申し上げると、「なるべきではない」という回答になります。一般的に「あらゆる」という単語で認識されているから、というのがその理由です。 既にご存知かと思いますが、「あらゆる」という言葉を辞書で調べると、 [ラ行変格活用の動詞「あり」の未然形「あら」に、上代(奈良時代)の自発の助動詞「ゆ」の連体形「ゆる」の付いたもの] とあります。 口語文法では自発の助動詞は「れる」「られる」で、これらは未然形接続の助動詞ですので、「あられる」となるというご指摘は、文語文法での成り立ちをそのまま口語文法に当てはめれば間違いではないとは思います。同様のことが「いわゆる」にもいえます。 ただ、「あら」と「ゆる」が複合語となっているため、成り立ち云々ではなく一語の連体詞として古語でも現代語でも使用されているにすぎないのではないかと思います。 一つの意見として回答させて頂きました。
お礼
大変為になるご教示でした。厚く感謝いたします。
お礼
明快なご教示をいただき、どうもありがとうございました。