はじめまして。
ご質問1:
<「が」は古語、「の」は現代語?>
1.「が」は文語、「の」は口語になります。「が」も、現代でも使われているので「古語」とはいいません。
例:
我が家「私の家」
我が子「私の子」
2.「が」の用法:
(1)体言(に準ずるもの)Aと体言Bとの間に用いて、連体修飾格を表します。
(2)多くはAがBの所有主になります。
例:
「たがそで」:誰の袖
「君が代」:帝が国統治する時代(国は帝の所有物という認識から)
「梅が香」:梅の香り
「我が人生」:私の人生
(3)この時、Aが人を指す場合は「の」と違って親愛の気持ちを込めて使われることがあります。
例:「君が代」「我が子」
ご質問2:
<「がために」と「のために」の違いは何?>
1.「がために」の「が」には次の用法があります。
(1)名詞や活用語の連体形に接続します。
(2)原因・理由を表す名詞「ため」(+格助詞「に」)の修飾格となる格助詞です。
(3)「のために」と同じ意味・用法になりますが、上記で述べたように、「の」に比べて「親愛」の気持ちを込めて使われることがあります。
例えば、「君がために」の方が「君のために」より、親愛の気持ちが伝わることもあります。
(4)なお動詞の連体形に接続する場合は、「の」ではなく「が」が用いられます。
例:
「雪が降った(が)ために、道が閉ざされた」
この「降った」の「た」は過去の助動詞「た」の連体形です。
ここでは「が」の代わりに「の」を用いることはできません。
2.「のために」の「の」には次の用法があります。
(1)名詞の連体形に接続し、活用語には接続しません。
(2)原因・理由を表す名詞「ため」(+格助詞「に」)の修飾格となる格助詞です。
(3)現代口語で一般に用いられている用法です。
その他に「~がごとく」「~のごとく」=(~のように)も、上記と同じような用法になります。
(1)「~がごとく」は文語的、「~のごとく」は口語的。
(2)「~がごとく」は名詞と活用語の連体形に接続し、「~のごとく」は名詞のみに接続。
以上ご参考までに。