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論理の形式が一致しているかどうか
「AであるならばBである」という論理の形式と、 「Bである。なぜならばAだから」という論理の形式は一致しているのでしょうか。
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区別した方が良いと思われます。後者にはある種の曖昧さがあるためです。 比較しますと... 1.「A ならば B である」は... 「A が真であるときには B も(必ず)真になる。A が偽のときは B は真でも偽でもよい」 ... という程度の 'A の真理値と B の真理値の関係' について述べるに留まります。 2. 対して、次の文... 「B である。なぜならば A だから」 ... の内容には幾つか異なる点があります。 先ず、表面的な主張を挙げると... (i) A は真である。 (ii) よって B も真である。 ... となりますが、もう一つの隠された主張、例えば... (iii) A が真ならば B も真である。 ... などのような '根拠となる命題の存在を示唆' しています。初めの命題との違いは、次の 2 点。 ・A, B が共に真であると主張。 ・主張に根拠があることを示唆。 一見すると、三段論法を示唆しているようにも見えますが、明示されないところが曲者です。 (例) 「地球は青い。なぜならば火星は赤いから。」 ... この文は要素となる二つの命題 '地球は青い' と '火星は赤い' が (形容詞が曖昧だ、などと言わずに ) 真だとしても、普通は偽とされるでしょう。 「'火星が赤い' ことが '地球は青い' ことを '適切に根拠づけ' していると言えない」 ... と見なされる可能性が高いと考えられます。 結局、'なぜならば' により根拠の存在が示唆されているとはいえ、その内容が明示されていない以上、一定の曖昧さをもつ文と言えます。 従って 「A ならば B」という命題や、 「A である。また、A ならば B である。よって B である。」 「B である。なぜならば、A であり、かつ、A ならば B であるから。」 などの推論とは区別する必要がある、と言えます。
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- minodaiski
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[[補足に対して]] そのように理解して頂けるように意図しました。少し追加します。 元々、'推論' は '真なる命題から真なる命題を導く過程' を指します。命題と不可分の関係にありますが、独自の存在だと強く認識する必要があります。 例えば... ' (P かつ (P ならばQ)) ならば Q ' ... はトートロジーという特徴をもつ命題です。 一方... '前提 P と前提 (P ならば Q) から、三段論法により 結論 Q を得る' ... と述べれば、これは正しい証明、演繹、推論、などと呼ばれるものの範疇に入ります。 自然に書かれる文のうちどれが命題でどれが推論かを決定することが容易とは限りませんが、後者には '作業' という性格が見られます。 証明や演繹を行うときには、前提となる命題群を設定し、推論を進め、仮定を設定し、また、除去し... といった操作を記述します。 命題が主張を述べる文なのに対して、一連の推論の連鎖である証明や演繹は '作業記録' に近い印象を与えます。扱いやすくするための様式がいろいろ考案される点も似ています。
お礼
お礼を申すのが遅れたことをお詫びします。 大変失礼致しました。 そして補足に対しても詳しい説明を頂き、本当にありがとうございました。 推論は真なる命題から真なる命題を導く過程のことであると。 よく覚えておきたいと思います。
お礼
大変詳しい説明をありがとうございました。 重ねて御礼申し上げます。
補足
大変詳しい説明をありがとうございました。 とても勉強になりました。 下から4行目の命題と、下から2行目、3行目の推論について、 命題が'A の真理値と B の真理値の関係'を述べていること、 推論がBが真であることを論理を用いて一義的に決定していることから、 この命題と推論もよく似ているが別物であるという理解でよろしいでしょうか。