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歴史哲学の必読書を教えてください
歴史初心者です。 ヘーゲル以降の歴史哲学の必読書を教えてください。 検索した限り、「歴史哲学」の名を冠した書物はヘーゲルが最後のようで、探すのが困難です。 教えてください。一定の歴史観に通底された通史でもいいです。
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残念ながら、日本では「歴史哲学」という分野ははやってないんですよね・・・。 それでも、何人かの歴史学者及び哲学者が歴史哲学の本を書いていますので、以下に紹介します。 『 歴史の哲学―現代の思想的状況』 渡辺 二郎 (著) 講談社学術文庫 古代ギリシアから、現代に至るまでの歴史家・哲学者が「歴史」についてどういった認識を持っていたか、それが現在にどう影響しているのかが述べられた本です。 歴史哲学について、一通りの基礎的事項が学べます。 『 歴史とは何ぞや 』ベルンハイム (著), 坂口 昂 (翻訳), 小野 鉄二 (翻訳) 岩波文庫 「歴史学」の重要なことの1つが「歴史の叙述」という行為ですが、この「歴史の叙述」について、ベルンハイムは3つに分類しています。すなわち「物語的歴史」「教訓的あるいは実用的歴史」「発展的あるいは発生的歴史」の3つです。 それぞれどういったものなのかが著述されています。 『ドイツ・イデオロギー』カール・マルクス,フリードリヒ・エンゲルス (著) 岩波文庫 言わずと知れたカール・マルクスの唯物論的歴史観を確立した本。 別名「発展史観」とかヘーゲル・マルクス史観とか呼ばれたりします。 日本は未だにこの史観を中心に学校教育が行われていたりします。(蛇足ですが) 『歴史とは何か』 E.H. カー (著), 清水 幾太郎 (翻訳) 岩波新書 日本において近現代人の歴史哲学としては、一番読まれている本かもしれません。 著者は、英国の外交官として活躍。 その経験から、現実主義的な歴史哲学を展開。 「歴史とは現在と過去との対話である」という名言は有名。 『 思考としての歴史と行動としての歴史』 ベネデット クローチェ (著), 上村 忠男 (翻訳) フィロソフィア双書 第二次世界大戦前後に活躍した、イタリアの哲学者及び政治家。 ムッソリーニのファシスト独裁に対してペンでもって対抗したことで有名。 彼は「歴史とは全て現代の歴史である」と延べ、「歴史叙述」という行為は「歴史的事実」を記すのではなく、「現代の必要性」によって行われるとして批判している。 『史的觀念論の諸問題』三木 清(著) 岩波書店 京都学派を代表する大家の一人。『史的観念論』以外にも多数の著書があり、どれも根底には「生の存在論としての歴史」、「生の批評としての歴史」という歴史哲学が流れている。 『社会科学の方法――ヴェーバーとマルクス』 大塚久雄(著) 岩波新書 『歴史と現代』 大塚久雄(著) 朝日新聞社 丸山眞男の「丸山思想史学」とともに、「大塚史学」として並び称された、大塚久雄の代表的著作です。 著者は経済史学が専門ですが、それらの根底には彼なりの「歴史哲学」が流れています。 ・・・と、こんな所でしょうか。 他にも、レーヴィットとかマックス・ヴェーバー、ヤースパース、ニーチェ、ハイデガー、西田幾多郎、リュシアン・フェーヴルetc,,,と紹介したい人は居ますが、この辺りで自重しときます^^; ではでは、参考になれば幸いです。
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- kusirosi
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ランケの「世界史の流れ」(ちくま学芸文庫) は、 ヨーロッパ通史ですが 序論で、ヘーゲルに対抗した歴史哲学論が述べられ その観点で著述されてます。 現代の日本人としては?という点もありますが 19世紀半ばの科学者としては、最高のものだったでしょう。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
お礼
ありがとうございます! amazonで見ましたが、まさに歴史哲学が述べられている本みたいですね。 現代では思弁的な「歴史哲学」はあまり流行らないということでしょうか。 たしかに、実証を軽んじたら科学ではありませんものね。 読んでみます!ありがとう!
お礼
おお!こんなにたくさんありがとうございます! カーの「歴史とは何か」と大塚久雄「社会科学の方法」は一読したことがあります。小さい本なのですが、難しくてちょっとわかりませんでしたが(苦笑) マルクスやウェーバーなどは超有名人ですが、クローチェやベルンハイムなどは知りませんでした。渡辺二郎さんは放送大学でも教えていらっしゃいましたね。 たくさん読むべき本ができて嬉しいです!ありがとうございました!