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電気のイメージの仕方 キルヒホッフの法則
- 電気について図でわかりやすくイメージできるようなサイトなどないでしょうか。電気のイメージについて教えてください。
- ポンプや水の高さに例えて電気の要素を理解しようとしているが、キルヒホッフの法則によりイメージがつかめない。キルヒホッフの第一法則と第二法則の関係について教えてほしい。
- キルヒホッフの第二法則についての理解を深めるための情報や図解について教えてください。
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キルヒホッフの法則は、高度に抽象化された考え方を使うものです(あるいは、回路を細かい部分部分の寄せ集めとして考察する方法だと言っても良いでしょう。複雑なものは分解して考えよ、と古の哲学者が言ってましたっけ)。 ダムだとか、水門だとか、自分のイメージを元に考えることは良いことなのですが、それで考えていったらわけがわからなくなった… まさに、そんな"複雑怪奇な"回路を、正しく解析するための武器がキルヒホッフの法則なのです。"複雑怪奇な"回路にであったら、自分のイメージは一旦忘れてしまう方が良いのかも知れません。 キルヒホッフの法則を使うとき、電流をどのように"仮定"するかが大切です。これこそが最も重要で、キルヒホッフの法則の胆に当たります。といっても、実際には極々単純なことをするだけなのですが… このことさえできるならば、後は単純作業しか残っていません。複雑な回路も怖くはないのです。 電流は、川の流れ(水量が、電流の大きさに相当します)のようなもので、枝分かれしたり合流したりしますが、水量の総量は変化しません。同じことを逆に言うと、枝分かれも合流も無い一本道ならば、流れの方向も水量も、どこでも同じになります。 また、高い所から低い所に向かって流れるところも似ています。 問題図を見ましょう。電池が逆向きに接続されていますが、そんなことに目を奪われていてはいけません※。 第1にすべきことは、電流(水流)をイメージするのです。図では、回路はどこにも"枝分かれ"も"合流"もありませんから、川(電流)は、どこもかしこも、同じ方向に流れていて、同じ水量(電流値)なのです。 つまり、電流は、問題の図では、右回りか左回りになるはずなのです。上半分が右回りで下半分が左回り、などということがありえないのです。 ではどちら回りと考えれば良いのか? 結論から言えば、どちら向きに考えても構いません。その仮定が正しかったかどうかは、後の計算結果が教えてくれます。 もう一度、指針を示します。 第1にすることは、回路のすべての部分で、電流の流れる方向とその大きさを決めます(仮定します)。 (1)任意の隣り合った、分岐点と分岐点の間は、一定の方向に電流が流れます。向きは適当に決めます。左向き・右向きどちらに決めても構いません。でも、一本道なのに、その途中で向きが変わるような設定は、決してしてはいけません。ついで、その部分の電流の大きさも仮定します。 ここの部分は右にi1,こっちの部分では下にi2,あちらの部分では左にi3 などなど。 (2)その後、キルヒホッフの法則を適用します。 (ア)第1法則を使う。回路中のすべての分岐点に着目して、 そこに流れ込む電流の合計=そこから流れ出す電流の合計 という式を作っていきます。電流の設定の仕方によっては、流れ込む電流の和が0だったり、流れ出す電流の和が0だったりすることもありますが、それでも良いのです。気にしてはいけません。 分岐点の数だけ式が出来上がります。 (イ)第2法則を使う。回路中の、閉回路(ぐるっと一回りできる部分を探します)に注目します。 その1つ1つに対して、閉回路を自分で一回りしてみる(イメージで)のです。そこでは、電池があったり抵抗があったりしますから、電圧の上がり下がりが生じているはずです。その上りと下りの集計は0になります。そのことを数式で表現します。 閉回路の数だけ、式が出来上がります。 (3)(ア),(イ)で得られた方程式を連立方程式として解けば、電流が求まります。 計算結果で電流値が正になったら、仮定したとおりの方向の流れだったと結論し、負の数になったら、実際には仮定と逆向きに流れていたのだと解釈するのです。 ANo.1さんの設定をお借りして、解いてみましょう。 上の電池が5[V],下の電池が10[V],上の抵抗が2[Ω],下の抵抗が3[Ω]だったとします。 回路はどこにも分岐点がありませんから、電流は右回りか左回りのどちらかです。 電池の電圧は気にせず、どちらかに仮定してみます。右回りとしてみましょう。 分岐は無しですから、どこでも電流は同じ大きさです。i[A]としてみます。 これで、電流の設定(仮定)は済みました。 いよいよ、キルヒホッフの法則を使います。 まず、第1法則ですが、本問では、分岐点はありませんから、第1法則の出番はありません(^^; 次は、第2法則です。閉回路は1つしかありません。 左上隅位置から、回路を右回りに辿ってみましょう(左回りにたどっても構いませんよ)。 上側の電池の-側から+に辿ることになりますから、5[V]上りました。 電池のところを電流がどんな向きに流れていようとも、そんなことは考慮してはいけません!! 単純に、-側が+側より、電池の電圧の分だけ低い ということだけを利用します。 上側の抵抗では、流れの"上流"から"下流"に辿るので、i・2[V]下りました。 下側の抵抗でも"上流"から"下流"に辿っていますから、i・3[V]下りました。 下側の電池の+から-に辿りますから、10[V]下がりました。 ここでも、電流の流れる向きは考慮しません(考慮してはいけません)。 一周が終わって、出発点に戻りましたから、上り下りの集計をします。 下りの合計=i・2+i・3+10 上りの合計=5 ∴i・2+i・3+10=5 です。(このように考えるのが、キルヒホッフの第2法則の元々の意味なのです。) これを解くと i=-1 となります。 最後に解釈します。 負の数になったのは、"右回り"に電流が流れると仮定して考察を始めましたが、仮定とは逆の"左回り"に流れていましたよ、という意味です。 こうして、電流は、左回りに、1[A]流れていた、と結論づけられます。 ※上記の結果だと、上側の電池の中を流れる電流が、電池の+極から進入して-側から出ていくようになっています。これは、電池の働きからすると、違和感を生じさせるものですが、この回路では、実際に、そのように電流は流れています。 電池だからと言って、「電流は+側から出ていって-側に流れ込む」とは限らないのです。
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- 178-tall
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単なる「感想」なので、聞き流し (眺め流し) のほどを…。 「電気のイメージ」にしては生々し過ぎ、雑念に妨害され易そうに感じます。 たとえば、 水門で勢いを弱くし… 送られた水がぶつかり合いとまってしまう… など。 も少し非現実的で抽象的な流れを連想するほうが、余分な雑音やイメージに悩まされないかもしれませんね。 大事なのは「流量」と「方向」の概念で、流体の質感などは想像しないほうが無難。 閉路ごとに流量と方向を想定し、他の閉路との合流や分流の地点で「流量」が几帳面に加算あるいは減算される流路が「キルヒホッフ的回路」です。 ひとそれぞれの「イメージ」であり、これが本物、とは強制できないものでしょうけど。
お礼
178-tall様 たしかに私はイメージしようとして複雑に考えすぎてしまっていたようです。皆様の回答を読ませていただき「流量」、「方向」が重要なことであると理解したつもりです。これからいろいろな問題を解いていく上で今回のことを踏まえ何が重要になってくるかを見極められるようにしていきたいと思います。 ありがとうございました。
- shintaro-2
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例えば 図の上側の電池が5V、下側の電池が10Vなら 赤丸の地点は、5Vと10Vの間の電圧 つまり、5Vよりも高い電圧なので、上側の抵抗には 5Vの電池から見てマイナスの電流(図で左回り) 下側の抵抗には 10Vの電池から見てプラスの電流(図で左回り) と考えれば、オームの法則(電流・抵抗による電圧効果)と整合性がとれるでしょ?
お礼
shintaro-2様 非常に素早いご回答ありがとうございます。shintaro-2様のご回答は非常に明解で参考になりました。赤丸の部分は5Vと10Vの間の電圧、その間の高さだと思うと左回りの電流と分かりやすく解釈できました。 私は電池の向きに惑わされておかしなイメージをしてしまっていたようです。shintaro-2様の解釈の仕方を今後も参考にさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
お礼
Quarks様 丁寧でかつ素早いご回答ありがとうございます。Quarks様の仰るとおりわかりやすく理解しようと自分のイメージで考えていったらわけが分からなくなってしまっていたらイメージしている意味がありませんでした(^^ゞ 電池の向きに捕らわれてしまい間違ったイメージをしてしまっていたんですね。最も大切なことが「電流を仮定すること」。しっかりと頭の中に刻んでおきます。 Quarks様のご回答は大変わかりやすく、私の勝手なイメージの話まで盛り込んでいただき非常にタメになりました。それに電池だからといって電流が+側から出ていって‐に流れ込むとは限らないんですね。すごく驚いてしまいました。 本質問では単純な回路だったのでQuarks様のご回答を参考に今後より複雑な回路についてもわかるよう勉強し、仕事に活かせるようにしていきたいと思います。 本当にありがとうございました。