実用新案登録出願の設定登録の段階で?
http://okwave.jp/qa4875604.htmlのNo.2の回答で
>で、設定登録についてですが、”先願”についてはこの設定登録の段階で、以下のようになっています。・・・とありまりますが、無審査登録主義を採用している実用新案登録出願の設定登録段階でどのようにして7条の実体審査を行うのでしょうか?
実用新案登録出願は以下のような手順で登録され、実体的な要件には、登録後、無効審判(実37条)で瑕疵ある権利を無効にしたり、権利行使に際して、実用新案技術評価書の提示をした警告を義務づけて権利行使を制限することにより事後的に調整を図っているのではないでしょうか?
実用新案登録出願は、無審査登録制度(実14条2項)を採用している。
実用新案登録出願があった時には、基礎的要件(実用新案法の保護対象である、物品の形状、構造又は組合せに掛かる考案であるか否か(実1条)、公序良俗に違反するか否か(実4条)等(実6条))及び方式要件(経済産業省令で定める様式に沿った出願であるか否か等(実5条)についてのみ審査される。また、出願と同時に1から3年分の登録料の納付が義務づけられている(実32条)。
これらの要件を満たせば、最先の出願であるか否か等の実体的な要件(実3条、実3条の2、実7条等)について審査されることなく実用新案権の設定登録がされる。
したがって、同一の考案について複数の出願人から実用新案登録出願があった場合には、実7条1項、2項等の規定に違反であっても、適法に実用新案権の設定登録がなされてしまう。
登録実用新案権は、特許権のように、審査を経た安定した権利ではなく、無効理由を含む虞のある不安定な権利であるため、その権利行使(実27条、民709条等)に際しては、権利者に対して権利の濫用と成らないよう注意義務が課せられている。
即ち、実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に掛かる実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない(実29条の2)と定められている。
お礼
ご回答ありがとうございます! 1つの出願にたくさん詰め込むのがいけないのは、単一性以外にも理由があったのですね。勉強になります。