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【通訳・翻訳者の方】 苦労話を聞かせてください
- 通訳・翻訳者の方の苦労話や失敗談を聞きたいです。
- 日本語の違いや新しい単語を習得することが多い翻訳業務に挑戦しています。
- 数年前に通訳での失敗がトラウマになっています。
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質問者が選んだベストアンサー
ドイツ在住、独日・英日の通訳・コンサルトをしています。司法通訳ではありませんが、法律関係・技術関係・文化関連などで通訳しています。 (1) 勉強時の苦労 まずは各言語での定義の違いでしょうか。特に規格会議などでの通訳の場合、同じ現象を意味する単語でも、その現象のどの部分を採り上げた単語なのか、どの範囲までをその単語で表現できるのかが異なる場合があります。それぞれの国の規格まで読み込む必要があるので、とんでもない分量の事前準備が必要となります。 それから外来語。これも定義という範疇に入ります。日本語でもドイツ語でも他言語からの外来語があります。しかし、同じ英単語を同業種の専門家がそれぞれ外来語として導入していても、それぞれの国で意味が変わってくることがあります。これはどんなに勉強していても事前に気付けることは少なく、その場で意味の違いを見つけ出し、互いに確認していく必要があります。外来語の場合、単語の発音からクライアント側が互いに相手の言っているその単語だけを聞きとることができますので、定義が異なっている場合、逆に面倒が大きくなってしまうこともあります。これは業務時の苦労とも関係してきます。 (2) 業務時の苦労 日本側の発言の曖昧さに一番泣かされています。ドイツ側のプレゼンを通訳していて、「そこんとこちょっとよろしく」などと平気で聞いてくる人が居ます。「どこをどういう風に何を」聞きたいのか、まったく分かりません。肩書きの偉い人に多いので、余計に困ります。 かと言えば、逆に変に数字の細かい部分にこだわる人が多いです。「なぜその敷居値を採用したのか」と言った問題です。「政治的決定」を反映していることがほとんどで、具体的かつ論理的な数字でないにも拘らず、その客観的根拠にこだわる例です。 もう一つ、それぞれが互いの歴史的背景、文化的背景などをまったく知らないまま通訳しなければならないことも大変です。日本では誰でも知っていることでも、ドイツでは知らない人の方が多いことを通訳しなければならない場合、背景も含めて解説しなければなりません。逆もしかり。特にドイツの場合、連邦制を採用しているため、実権は州が持っていて、連邦政府は大枠決定権しか持っていないことが多くあります。事前打合せに際して、こういった部分の講釈はするのですが、実質的に理解できていない人が多いです。 更に面倒なのが、誤訳に拠る間違った情報が既に日本に流入している場合。「3年前の視察の際には、こう言われたんだがその後どうなっているか?」と質問した際に、「そんなことはなかった。あり得ない」と回答があっても、既に日本に入っている情報だから「正しい」と固執されてしまうことがあります。こうなると、意味のない確認作業に時間が取られてしまうことになります。 後は、変な英日通訳が同行している場合でしょうか。あまり能力がない英日通訳が同行していて、既に説明された内容を質問されたので、通訳を介さず、「既にこうこう説明されました」とそのまま回答したら、「通訳なんだから、お前が答えず通訳しろ」と言われてしまいました。しょうがないので通訳したら、案の定同じことを繰り返されてしまいました。 数少ない翻訳案件で、原本の間違いというのがありました。単なる誤植程度なら分かるのですが、原本執筆時に書き直したものを中途半端に修正していたため、論理破綻を起してしまっている部分があったのです。その時は執筆者を探しだして確認し、修正版をもらう必要がありました。これなんかもIT時代の恩恵ですね。すぐに執筆者を探して、修正版をメールで入手することができました。そうでなければ、どれだけ時間のロスが生じたことか。 (3) 失敗談 通訳を始めて最初の頃に失敗したのが、十分広く準備をしていなかったというものです。バイオマス発電のことでヒアリングをしたいという問合せがあったので、技術的なことを中心に準備をして行ったら、技術的な部分はほとんど質問がなく、固定買取価格をめぐる経理的な内容ばかりで、十分な通訳ができなかった例があります。クライアント側にも事前に質問票が欲しいと言っていたのですが、対応していただけなかったので、余計に大変でした。 もう一つは安易に日英同時通訳を引き受けてしまった例でしょうか。本来入る筈だった通訳が飛行機キャンセルの関係で入れない、ということで当日6時間前に問合せがありました。来るはずだった通訳が原稿を英語に訳しているから、それをそのまま読み上げれば良い、と言われたので請けたのですが、3時間前に現場入りしたところ、英語原稿がメタメタ。単語は間違ってるは、日本語原稿の一部がそのまま抜けてるは、意味の取り違えがあるはで、そのまま使えたもんじゃないものを渡されました。すぐに訂正作業に入ったのですが、プログラム変更とやらで3時間あった筈の準備時間が1時間に短縮されてしまいました。更にプレゼンテーターが日本語原稿から逸脱しまくり。完全にお手上げになってしまいました。直接知らない日英通訳を絶対信用してはならないと肝に銘じた日でした。 以上ツラツラと述べてみました。今後とも頑張ってください。
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- PunPiPon
- ベストアンサー率43% (42/97)
フランス語の通訳・翻訳をしている者です。以前の回答( http://bekkoame.okwave.jp/qa6848091.html )の繰返しになりますが、 「QUOTE 私が通訳をする際に心がけていることは、 1.できるだけ正確な、かつ分かりやすい通訳(当たり前のことのように思われますが、実は一言一句にこだわるのではなく、発話者が伝えたいことを捉え、その内容を(できるだけ正確に、かつできればニュアンスも)伝えられるような表現を選ぶことだと思います。) 2.あくまでも中立性を保つこと。(正確な通訳ができているという自信というか、自負がある限り、自分が通訳を行っている交渉や協議の結果は、意に介さないようにしています。それは通訳とは別な話なので。以前、クライアントから私を通訳派遣したエージェントにクレームというほどではないにしても、指摘がなされたことがあります。その時のクライアントは少しフランス語が分かる人でしたが、そのクライアントより「(XXXさん←私の名前です)の通訳は、まるで人ごとのような話し方で、どちらの味方かわからない。」とのことでした。担当者よりこの話を聞いて、まさしく自分はそのように心がけていることを自覚した覚えがあります。クライアントは主に日本の企業・団体・個人ですが、通訳の際には自分を一歩引いた目で見る感じを意識しています。クライアントからのこの意見は私にとっては、ほめ言葉であります。) 3.上記2.に関係しますが、当然ながら自分の意見は発しない。ある程度同じ分野の通訳を繰り返していると、発話者の質問に自分が答えられるような知識を得ることになります。また状況によっては、発話者が同じ質問を相手を変えて、または同じ相手に繰り返すことがあります。そのようなとき、当然のことながら通訳が答えてはダメですし、また通訳によっては質問の前に「また同じことを訊きますが...」等の言葉を添える人がいるようですが、私はこれもダメだと思っています。 4.その他には、議論に熱中したりして、通訳せずに自分も議論を始めたり、自分も議論に加わったりする人もよくいるそうです。 5.上記の2.と矛盾するようですが、交渉や協議を離れたときは、できるだけクライアントや相手と世間話や食事などをするように努めています。(それは発話者のくせをつかむことも理由ですが、相手から信頼関係を得るためでもあります。) 私が上記であげたことは、プロの通訳なら当然のように心がけていることだと思います。QUOTE」 質問者の方は企業内での通訳・翻訳業務とのことですから、私みたいに交渉の結果は関係ないという立場にもなれないと思いますけどね。 業務で苦労する点は、他の回答者の方も書いていますが、日本側の発言の内容がよく分からない場合です。いわゆる、言語明瞭・意味不明な時です。それでも最近ようやく内容が不明な内容をそのままのニュアンスで訳せるようになりました。この場合、当然のように先方から突っ込まれますから、そこから議論が発生し、意外に日本側からも内容がクリアになったと言われています。 他には、先方が書いてきた原稿をそのまま読み上げるときです。この場合、事前に原稿を入手して翻訳し、読み上げるときにそれに従って翻訳してきたものを読み上げるのですが、この原稿をいただけない時がままあります。特にお偉いさんが、開会の辞を述べるときなど、担当者を通じて原稿をお願いするのですが、担当者もお偉いさんにちゃんと言えないらしく、前日になっても入手できず、当日も直前になって「無理でした。でも少しみたいだからよろしく。」というのがあります。そのまま式が開会しお偉いさんが壇上に上がり、私もその方の横で準備すると、お偉いさんは懐から分厚い原稿を出し、「桜の花もほころぶ今日このごろ~」といった風にはじめてくれます。人が頭の中で考え考え話すのと、原稿を一気に読むのでは、まったくスピードが違うことが分かってないようです。 もう一つ困るのが、諺を挟んでくる人。それも少しアレンジした諺を。以前、大きな会議場で挨拶がわりのキックオフミーティングをしたのですが、意外に議論が活発に進み、かなりの進展が見られました。これに担当者は気を良くしたのか、会議の最後に「終わりよければすべてよし、と言いますが、今回みたいに最初がよければ終わりはもっとよくなるでしょう」と言って締めくくってくれました。「終わりよければ~」は知っていたので、これを用いつつ説明的な訳となりましたが、相手側で早く分かった人がくすくすと笑い、その横の人が説明を求め、この説明が次の人次の人とだんだんと広がって行き、最後には会議室全体がざわざわとして笑いで包まれたことがあります。 通訳の場合、その場で確認することもできるのでいいのですが、翻訳でやはり内容がおかしい文章に出会ったときは、確認作業に手間取るので苦労します。最近感じることですが、特に技術系の人の文章が崩れているようです。「てにおは」のおかしさは言うに及ばず、文章を書いた本人は分かっているつもりのようですが、主語や目的語がなかったり、取り違えていたりするケースが散見されます。当然、エージェント(翻訳事務所等)を介して客先へ確認依頼をしますが、まず失礼があってはいけないので、こちらとしても調べられる限り調べ、それでもおかしいという証明みたいな文章を作成して問い合わせるので、時間がかかって仕方ありません。 現在はネット環境が充実しているので検索もしやすいのですが、逆に言えば現在の技術翻訳は検索能力が問われているのかもしれません。 他には個人的な分野別テクニカルタームのデータベースを作成しています。
お礼
フランス語の通訳・翻訳をされているのですね! ご回答、ありがとうございます! また、過去のご回答サイトも拝見しました! >日本側の発言の内容がよく分からない場合です。 皆様もおっしゃられるように、本当にそうですね。 私自身も経験ありますが、本当に苦労します。 PunPiPonさんがおっしゃるよう、「内容が不明な内容を そのままのニュアンスで訳せる」ようになることが必要だと 感じました! また、>先方が書いてきた原稿をそのまま読み上げるとき。 事前に入手できた原稿があるのとないのとでは、全然違いますね。 当日、>懐から分厚い原稿を出し、「桜の花もほころぶ今日このごろ~」 といった風にはじめてくれます。 すみません(笑)状況を想像したら、第三者として笑ってしまいました(^^;) そうなんですよね。たまに、こういうことが起こりうるようですね。 >人が頭の中で考え考え話すのと、原稿を一気に読むのでは、 まったくスピードが違うことが分かってないようです。 同感です。通訳する側の立場も分かって欲しい、と 思います! それと、>諺を挟んでくる人。それも少しアレンジした諺を。 これは、非常に苦労すると思います! 私はまだこのような経験はなく、翻訳の範囲も狭いので恐縮ですが、 >「終わりよければすべてよし、と言いますが、今回みたいに 最初がよければ終わりはもっとよくなるでしょう」と言って締めくくってくれました。 私がその場にいたら、訳せません(><) このようなアレンジも訳されたのですね! 最後には会議室全体が笑いで包まれたのは、素晴らしいです! >翻訳でやはり内容がおかしい文章に出会ったときは、 確認作業に手間取るので苦労します。 おっしゃるとおりですね!本当に「書いた本人は分かっているつもり」 というのは、私も苦労しています。 何度も書いた本人に確認したり・・・ >現在はネット環境が充実しているので検索もしやすいのですが、 逆に言えば現在の技術翻訳は検索能力が問われているのかもしれません。 同感です! 正直、私の英語力・中国語力は、皆様と比べると大したことはありません。 社内翻訳として給料をもらえてるのは、たまたま他に適任者がいなかった だけだと思っています。 そんな私でも、会社の役に(翻訳業務において)たてているのは、 適訳を探す、適語を探す「検索能力が長けている」からだと思っています。 沢山勉強になりましたし、また苦労話もとても参考になりました! それに今まで気づかなかった部分、例えば最後の「技術翻訳は検索能力が問われる」 ということなど、改めて気づきました。 ご回答、本当にありがとうございました!
- BASKETMM
- ベストアンサー率29% (240/806)
No. 2 が再び出て来ました。 tknaka さんの情報有り難くいただきました。 このサイトは最初の質問から発展した話題を公式に討論出来ないのが欠点です。 そこで、回答の形でお礼を申し上げます。 別の話、友人がヨーロッパの童話を邦訳する仕事をしています。 ウィーンの童話に辞書を引いても分からない単語で苦労をしていました。 たまたま、私の持っているチューリッヒ方言の辞書を見たら同じ言葉が出ていました。 南方の方言は似ているところがあるのです。 ある合唱団がマルコの受難曲を歌うことになりました。中に "izt" という言葉が出て来て、困りました。万策尽きて、出版社に質問を出しました。昔のドイツ語で、詩の中に多く使われた単語、意味は jetzt 『今』と返事が来ました。 とにかく諦めずに知己を頼るのが一番と思います。
お礼
BAKETMMさん、再度ご回答くださり、ありがとうございます! ご友人が童話の邦訳をされているのですね。 いいですね! 私は大人になってから童話に触れていない(子供もいないので)ので 遠ざかっていましたが、先日たまたま絵本「不幸な子供(著者エドワード・ゴーリー)」 を読んだとき、深く考えさせられ、大人でも楽しめる本があるのかと 思ったほどでした。 やはり、方言は難しいようですよね・・・ 辞書にはなかなか載っていないでしょう。 そういえば、昔東北に旅行に行く際、電車に乗って移動していましたが、 向かい合う4人掛けの席に、地元のおばさまが二人座っておられ、 ずっと会話をされていたので、聞こえてというか聞いてました。 ぜんぜん、分かりませんでした!同じ日本人なのに! 30分ほど聞いてましたが、何もわかりませんでした! 唯一分かったのが「3000円」というお金の金額だけでした(笑) 他国の方言を訳すのは・・・私にとっては至難の業を通り越し、 不可能かもしれません(笑) 受難曲の単語も、「へー!」と思いました(^^;) いろいろご苦労される場面がたくさんあるのですね。 「諦めずに知己を頼る」・・・ はい!私も、そうさせていただきます(^^) 再度ご回答ありがとうございました!
- tknaka
- ベストアンサー率45% (225/491)
#3です。 中国語の用例に関しては、英語からドイツ語を経由する形であれば、 http://dict.leo.org/chde?lp=chde&search= が使えるかも知れません。残念ながら中国語の登録語数は15万件程度なので、英語に比べればまだまだですが… 後、ドイツ語のイディオムに引きずられるため、日本語とドイツ語との違いの部分を上手くカバーできているかどうかは分かりません。 業務時の苦労、更に二つばかり思い出しましたので、加筆。 一つは通訳案件で、とんでもない方言で話されてしまった時です。ザクセン州のある郡長にヒアリングした際に、100年前は皆こんな風に喋っていたんだろうって思えるような方言で話されてしまいました。内容に関しては十分に準備していったので、何とか理解でき、十分話が繋がるように通訳することはできましたが、細かい部分は訳し落としがあったかも知れません。 二つ目は、翻訳案件。ドイツ語の古い手書き原稿から日本の研究者が書き取ったものを訳してくれとの依頼だったのですが、どう考えてもおかしい部分がいくつかあり、原本を所有している文書館に問い合わせて大元のコピーを入手したことがあります。原本の書き損じの例と、書き写しの際に間違って書き写しているものとが混在していました。ドイツ語のズュッタリン Sütterlin と呼ばれる旧字体だったため、書き写しも大変だったのでしょう。ズュッタリンの例となる画像を見つけたため、URLを貼って置きます。 http://pds2.exblog.jp/pds/1/200905/09/18/e0175918_18351197.jpg なお、#3で書いた原文の間違い例ですが、最初から原文の間違いと気付いていたわけではなく、翻訳していて、どうしても意味がおかしくなってしまい、前後が通じなかったために執筆者に問い合わせたところ、修正間違いだったということが判明したのでした。
お礼
tknakaさん、再度お書きくださり、ありがとうございます! 中国語の用例サイト、一度参考にしてみますね。 追加の苦労話も興味深いです・・・ (1)まさか、100年前に話されていた方言が通訳・翻訳時に使われるとは、 想像していませんでしたので、そのようなご経験もあるのですね。 それにしても、「事前の準備」を十分されておられるので、 どんな場面に遭遇しても、ご対応されているのが素晴らしいと思います。 (2)>ドイツ語の古い手書き原稿から日本の研究者が書き取ったものを訳してくれとの 依頼。 面白いですね!そのような原稿の翻訳依頼も存在することを知りました。 また、おかしい部分に気づき、大元のコピーを入手、相違の発見・・・ 相当ご苦労されたと思います。 いや~本当にすごいです! さまざまなご経験を積まれ、トラブルに遭遇した際に根性というかなんというか、 調べ上げて完成される「プロの意識」を目の当たりにしました・・・ 貴重な苦労話をありがとうございました!
- BASKETMM
- ベストアンサー率29% (240/806)
No. 2 です。 名詞と動詞の組合せなどについて。 http://www.linguee.de/uebersetzung/deutsch/ へ行ってご覧なさい。英語の名詞を入力してリターンを押せば、色々な文例が出て来るはずです。そこから、適切な動詞を見つけるのです。あるいは、名詞と動詞を両方入力してみてもよいのです。 ここは英語をドイツ語や、フランス語に訳すためのサイトですが、文例が沢山出るので、上記の様な使い方をしています。 日本語や中国語で使える、似たサイトがあったら教えて下さい。
お礼
BASKETMMさん、再度ありがとうございます! 早速拝見しました。 「英語」の文例のみ拝見しましたが、沢山の例があり、 「あ、この表現、使おう!」とか 「この単語にはこの動詞がぴったりだ!」とか 発見がありました。 このサイト、これからも使います! また、私が似たようなサイトを見つけましたら、 補足説明でお教えします(^^) このサイトで遊べそうですね(^^)
- BASKETMM
- ベストアンサー率29% (240/806)
I.一番の苦労は発言が適切でないときです。訳しようがありません。 1.発言者が馬鹿で、論理が合わないとき。 2.発言者が、結論を出したくないため、あるいは多くの人のメンツを立てるため。どうにでも取れる曖昧な発言をしたとき。 II.単語で困るのは、名詞に対しては、辞書が多いのですが、組み合わせる動詞などに対する辞書がないことです。化学反応という名詞の外国語は分かります。反応が右に進むという時の動詞は中々見つからないのです。 III.私と、僕と、俺と、自分と、拙者と、オイラと、朕の訳し分け。 VI.専門用語の類は、定義がハッキリしていますから、割に扱いやすいのです。それより困るのは、俗語です。バブルがハジケルと云うには、バブルという意味の曖昧な言葉を訳さなくてはなりませんね。どこの国で、あぶくに例えるとは限りませんね。
お礼
早速のご経験話をありがとうございます! 「分かります!」と頷きながら、読ませていただきました。 I、そうですよね。発言者のおっしゃる意味がよくわからない時、訳すのに苦労します・・・ 特に、「結局何がいいたいのか・・・」は困りますね(^^;) 曖昧な表現は、困ります!おっしゃるとおりです! II、>組み合わせる動詞の辞書が無い 本当に!今でも苦労しています。 辞書を引いても載っていないので、ネットで長時間検索したりすることがありますが、 私の場合、それが正しいかどうかの判断がつきません・・・ III、深いですね・・・BASKETMMさんにもし「これを訳して」と言われたら、 私はその使い分けができません(^^;) その訳し分けができるBASKETMMさん、凄いです。 IV、俗語なども訳されてるのですね。私は社内翻訳なので、範囲は限られてますが、 広範囲で活躍されている翻訳者・通訳者の方は、私が想像できないような 場面で、訳することを想像すると、本当に尊敬します。 現場の苦労話をありがとうございました!
- nishikasai
- ベストアンサー率24% (1545/6342)
>こんにちは!現在社内で英語と中国語の翻訳業務に携わっています。 私はポルトガル語の司法通訳をしています。仕事場は警視庁、裁判所、検察庁などです。たまに民間の仕事もします。 >この年齢で気づいた日本語の違い、新しく習得した日本語の単語などもあります。30代後半の年齢ですが、この歳で知る日本語がまだまだあることも思い知りました。 それは一生ついてまわります。我々はいろんな分野でやりますから、それぞれの分野に専門用語があるわけで無尽蔵にあります。司法通訳の場合は法律用語は大抵決まったものですからまあまあ楽ですが、事件がいろいろでして・・・ 先日は工場の薬品で肺をやられた人が公共団体を訴えたケースでしたが、化学薬品のオンパレードで苦労しました。 >また、契約書類などを翻訳する場合、たった3行の文章でも和訳するのに1時間かかることもあります。 パソコンのない昔の話ですが、印刷機械の「見当装置」という言葉がわからずに印刷会社まで行って尋ねたことがあります。半日使いました。一つの単語に半日です。 (3)失敗談など、聞かせてくれませんか? 何度もありましたが、もう齢をとったし、最近は私が慣れている司法通訳しか受けないことにしていますので目立ったおもしろい話はありません。 そう言えばテレビ局で失敗をしました。番組の翻訳を夕方5時までやったら「えーっ、それだけしかできなかったんですか!?」と言うのです。よく聞いたら他人の翻訳のチェックをするだけだったんです。ちゃんともらった原稿のほかにもう一つホルダーがあってそこに完了した翻訳文があったんです。担当者がよく説明してくれなかったのに、文句を言われてほんのお情け程度の通訳料しかもらえませんでした。もうテレビ局ではやりたくないな~と思っていたら以心伝心でしょうか。その後は仕事が来なくなりました。私は怖い顔をしているので犯罪者相手の通訳が似合っているんです。テレビ局の仕事なんかはまめな女性通訳に敵いません。 >実は、数年前に会議で通訳をしましたが、私の表現で先方の外国人を怒らせてしまったことがあり、 そういうことはあります。ですから私の場合通訳をする人と事前に打ち合わせをすることにしています。そうしないと妙な不信感を抱かれてしまうのです。ちょっとでもいいですから事前に話し合っておくとツーカーになりますから通訳が軽くできるようになります。良い印象を与えることができればもう半分は成功したようなもんです。こちらから挨拶をかわすよう心掛けてください。
お礼
nishikasaiさん、早速のご回答をありがとうございます! 私の周りには「ポルトガル語」の通訳、さらに司法通訳の方はいませんので、 凄く新鮮な気分でご回答を読ませていただきました! それにしても、警視庁や裁判所関係での司法通訳とは、 本当に凄いですね。尊敬します・・・ >それぞれの分野に専門用語があるわけで無尽蔵にあります。 おっしゃるとおりですね。 私は現在実験室での翻訳に携わっていますので、化学薬品類の 日本語を探すのに苦労しています! 扱っておられる事件、個人的に興味があります! 「工場の薬品で肺をやられた人が公共団体を訴えたケース」の通訳をされるのですか? 重たい案件ですが、通訳できる方は限られてきますから・・・凄いですね! >パソコンのない昔の話ですが、印刷機械の「見当装置」という言葉がわからずに印刷会社まで行って尋ねたことがあります。半日使いました。一つの単語に半日です。 パソコンのない時代から、通訳されてるのですね。 1つの単語に半日・・・ その根性と苦労、私はまだ経験したことはございませんが、 分かります!!! (3)テレビ局での失敗談の話をありがとうございました! そのようなこともあるのかと勉強になりました。 それと、>私は怖い顔をしているので犯罪者相手の通訳が似合っているんです。テレビ局の仕事なんかはまめな女性通訳に敵いません。 すみません(笑)思わず微笑んでしまいました(^^) でも、迫力あるのは、強みでもありますよね?司法通訳であればなおさら! 最後に、通訳での失敗談、ご経験あるのですね。安心しました。 「通訳をする人と事前に打ち合わせをすること」のアドバイスをありがとうございました。 とても楽しく、ご回答を読ませていただきました。 そのようなお仕事をされている方と、この質問でお会いでき、 一期一会に感謝します! いろいろと勉強になりました。ありがとうございました!
お礼
ドイツ語・英語で御活躍されているのですね。 早速のご回答をありがとうございます! 法律から技術、文化まで幅広い通訳をしておられるのは、 非常に興味があります! (1) 勉強時の苦労 「各言語での定義の違い」 難しそうですね・・・規格会議などで通訳もされているのですか? 凄いです・・・ 本件、納得します。私も中国語→日本語に訳す時、定義の違いで揉めることがあります。 「外来語」 すごく参考になりました! 私はまだ業務上、あまり外来語に接する機会はないのですが、 将来外来語に出くわした時、「確認」することを意識します。 (2) 業務時の苦労 >日本側の発言の曖昧さに一番泣かされています。ド 本当におっしゃるとおりだと思います。 >「そこんとこちょっとよろしく」と言われても、「どこをどういう風に何を」聞きたいのか、 わかりませんね。 通訳・翻訳する側にとって、曖昧な発言をされる、曖昧に書かれることが どんなに苦労するか、理解してもらいたいと常日頃から思っています。 >逆に変に数字の細かい部分にこだわる人が多いです。 (笑)そうなんですね。 当社にも「なぜ、そんなところに注目するのか?」と思う人がいますが、 数字の細かい部分にまでこだわる人が多いと聞いて、ぞっとしました。 私のレベルでは・・・そこまで通訳・翻訳は無理なので・・・ >それぞれが互いの歴史的背景、文化的背景などをまったく知らないまま通訳 しなければならないことも大変です。 そうでしたか・・・ 通訳は本当に奥が深いと思います。 私はまだまだ社内とはいえ翻訳業務は初心者レベルなので、 限られた範囲の翻訳しかできませんが、tknakaさんのように広範囲の分野で ご活躍されている方は、このような御苦労をされているのですね。 御苦労は、想像を超えます。 >誤訳に拠る間違った情報が既に日本に流入している場合。 本件は、すごく分かります! 前任者が訳した表現が適切でなかったとしても、社内で「この中国語の意味は、 日本語ではこう訳す」という訳が出来あがっているので、私も使用していますが、 納得していません。 >変な英日通訳が同行している場合でしょうか。 他の通訳の方と同行される場合もあるのですね。そうですか! さまざまなご経験をお話くださるので、勉強になるとともに、 改めて世界の広さを感じます。 >原本の間違いというのがありました。 >すぐに執筆者を探して、修正版をメールで入手することができました。 映画を見ているかのような、スリリングな光景でした(^^;) 予測できないトラブルに直面した際、速やかな対応を取られたこと、 私なら絶対アタフタしていたことでしょう。 冷静に且つ的確に対応されたお話、今後私にもこのようなトラブルに 直面する機会がもしあれば、tknakaさんの行動を思い出すようにします! (3) 失敗談 >十分広く準備をしていなかったというものです。バイオマス発電のことでヒアリングを したいという問合せがあったので、技術的なことを中心に準備をして行ったら、 技術的な部分はほとんど質問がなく、固定買取価格をめぐる経理的な内容ばかりで、 十分な通訳ができなかった例があります。 このようなことも起こり得るものですね。 私はまだ経験が浅いので、あまり経験していませんが、 失敗談を読ませていただいて、「事前準備に完璧というものは、無い」ということに 気づきました。 >安易に日英同時通訳を引き受けてしまった例でしょうか。 >3時間前に現場入りしたところ、英語原稿がメタメタ。 >単語は間違ってるは、日本語原稿の一部がそのまま抜けてるは、意味の取り違えがあるはで、 >そのまま使えたもんじゃないものを渡されました。 >プログラム変更とやらで3時間あった筈の準備時間が1時間に短縮されてしまいました。 >プレゼンテーターが日本語原稿から逸脱しまくり。 このように重なることがあるのですね! ここまでくると、私なら気が狂いそうです(^^;) 私がその場にいたら、地獄に落ちたような・・・そんな感じを 受けます。 長年、幅広くご活躍されているのですね。 苦労話に失敗談、どれも勉強になりましたし、非常に面白かったです。 とても参考になりました。 ご回答、本当にありがとうございました!