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農地の利用権設定について
農地法3条による貸し借りは、貸し借りの期間を過ぎると法定更新となって期間の定めのない貸し借りになると理解していますが、この場合時効取得の可能性も出てくるのですよね。 利用権設定での貸し借りの場合は、貸し借りの期間が経過すると自動的に契約が切れるとのことですが、利用権設定での貸し借りでは時効取得ということは絶対にないのでしょうか。 お知りの方がいましたら教えていただけると幸いです。 よろしくお願いします。
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所有権の時効取得は無理ですが、賃借権の時効取得はありうるでしょうね。 「時効取得=所有権の取得」というわけではなく、所有権以外の権利、例えば賃借権も時効取得の対象となります。 所有権の時効取得には「所有の意思を持って占有すること」が必要ですし、賃借料を払うというのは、「他人の所有物である」と認めることにほかならないわけですから、賃借料を払いながら占有を何十年続けようが、所有権の時効取得というのはありえません。 しかし、農地法の許可を受けないまま、無許可賃貸借を20年以上継続した場合には、賃借権を時効取得することができ、その賃貸借は農地法の許可を受けたものと同様に、合法的な賃貸借となるわけです。 「農地の賃借権の時効取得が認められた事例」(最高判 平16・7・13) http://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/61-072.pdf 「農地(畑)の所有者が、その土地を耕作して占有する者に行った明渡し請求に対し、占有者が、本件土地は先代が賃借権を時効取得したものを相続したものであるとした事案において、農地の賃借権の時効取得については、農地法3条の規定の適用はなく、都道府県知事等の許可がなくても時効取得が認められるとされた事例」
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農地を農地のまま賃借する行為は、通常は農業委員会を通して行います。 その場合は、5年ごとに見直しがなされます。 賃貸契約は、農業委員会が証明してくれます。 農業委員会をを通さない賃貸(無許可)は、通常賃貸契約に帰順します。 その場合は、契約書を交わしていることが重要でしょう。 口約束の場合でも、借りている人が借りていることを認識していれば、 時効取得は成立しません。 たとえば、賃料を払っているとか、収穫物を物納しているとかです。
補足
お返事を下さりどうもありがとうございます。 大変よく分かりました。 「農地を農地のまま賃借する行為は、通常は農業委員会を通して行います。 その場合は、5年ごとに見直しがなされます。」とのことですが、5年ごとに見直しがなされるというのはどういうふうになされるのでしょうか。たとえば貸し借りについて10年の期間を設定した場合、5年たった時点で農業委員会からなんらかの連絡をいただけるのでしょうか。 再度質問をしてしまいすみません。 お教えいただけるとありがたいです。
補足
賃借権の時効取得というものがあるのですね。 そういう事例があったことは知りませんでした。 利用権設定(農業経営基盤強化法)による貸借は貸し借り人の間で設定した期間を過ぎると更新しない限り自動的に契約が切れると聞いていたので安心だと思っていました。