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スポーツ飲料の水分補給
ご存じのように、スポーツ飲料は各種電解質を添加することによって、水分吸収を速くするというのが売りになっています。 しかし私にはどうしても理解できません。 電解質を入れた飲料は浸透圧が高くなって、その飲料に接触した細胞は、むしろ細胞内の水分が細胞外に出て水分が吸収されるどころか除去されてしまうと思います。 細胞に水分を吸収させようと思うなら、むしろ全く何もない純水が最も吸収が早い飲料ではないかと思うのですが? どなたか回答願います。
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理論上、生理的に吸収が良いのはたしかに真水なのかもしれません。大量に発汗した場合を除き、従来型スポーツ飲料(isotonic water=人間の浸透圧に等しい飲料水)の相対的な過剰摂取は、ご指摘のとおり体液の浸透圧を高くし、かえって脱水症状を起こすという理屈はわかります。それを知ってか知らずか、プレー中の水分補給は真水だけというスポーツ選手がいるそうですし、スポーツ選手に限らず、そもそも、正しい食生活を送っていれば、電解質を別途補給する必要はないのかもしれません。 しかし、浸透圧のバランスを維持する機能により、真水の吸収だけでは体液の濃度を薄めて浸透圧のバランスを崩したり、尿として水分を自発的に排出してしまったりし、不足分の水分を十分に補ったことにはならないことがあります(自発的脱水)。また、私たちの水分補給のメカニズムは、摂取しようとする水分の濃度のもとである溶質部分を、体内のエネルギーを使って体液以下の浸透圧にして吸収するようになっています。ですから、従来型を普通に飲用する分には、脱水症状に陥ることはないと考えられています。 また、これは余談ですが、真水だけですと運動中にスタミナが切れてしまうこともあります。とくに、運動前や運動中には電解質のほかにも糖分(炭水化物)を十分に摂取することも大切です。糖度を飲料水全体の2.5%以下にすると、糖分や水分の安定した吸収を可能にするといわれております。先の従来型は糖度がやや高いため、必要に応じて水などで希釈することもよくあるようです。この糖分とスタミナの関係で最近話題になったことといえば、女子マラソンの高橋尚子選手のあの失速劇が思い起こされます。 そこで、ここ3~4年前に登場した新型スポーツ飲料(hypotonic water=人間の浸透圧よりも低い飲料水)が注目され始めるわけです。大半が、成人の体液の浸透圧の3分の2と浸透圧が低く、水分が素早く吸収されるようになっています。安定した糖度で水分の吸収速度が良く、同時に電解質も効果的に補給でき、またアミノ酸やミネラルが強化されているのがこのタイプの特徴です。従来型と真水の中間タイプともいえ、いまこの手の飲料水に対する人気は上昇しているかと思います。 なお、私たち清涼飲料水メーカーが謳っているスポーツ飲料の特徴として「水分補給」を第一に掲げるのは、「水分を要求している体に効果的な飲料」であることを“イメージ”させたかったからです。海外では、さきほどの「isotonic/hypotonic water」とか「mineral sports drink」などと実に的を射た表現が出来ますが、それをそのまま日本語に言い換えても、清涼飲料水として購入する消費者の大半には理解しにくいものと考えておりました。また、スポーツ飲料のような機能性飲料の表示の場合、食品関連の法律や薬事法などとの関係で特に注意を払わなければならない項目がいくつかあります。そのため、消費者を混乱させないという観点から、単純に「水分を(効果的に)補給」とか、特定の電解質を引用せず「電解質を(効果的に)補給」などといったような表現でスポーツ飲料のイメージを訴えたかったわけです。 あと、ご質問の冒頭に「スポーツ飲料は各種電解質を…売りになっています。」とありました。私の勘違いでしたらご容赦いただきたいのですが、私たちメーカーが販売しているスポーツ飲料に、電解質の添加と水分吸収の速度を結びつけてウリにするものはおそらくなかったかと思います。それをウリにして(明記して)販売した場合、さきほどの関連法に抵触するおそれがあるからです。 ところで、以下のご回答に、ツール・ド・フランスの選手がコーラ飲料を飲んでいたというエピソードがありましたが、炭酸飲料がスポーツ後の血糖値や乳酸値が非炭酸飲料よりも回復を早めると、これまでのスポーツ医学の常識を覆すようなデータもあるようです。
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再登場します。 自発的脱水とは,汗で塩類を分泌する動物特有のものです。飲料からの吸水とは,あくまでも正常体液(正常浸透圧)に戻そうとするものです。 犬のように汗をかかずに舌からの水分蒸発のみで体温調節する動物は,体内の塩類は減少していませんから,減少した水分量と等しい量を吸収出来ます。 人のような汗をかく動物は,水分だけでなく塩類も減少しています。ですから,失った水分量に等しい水分を吸収するためには,失った塩類も同様に補充しないと,吸収した水分によって体液が薄められますから,正常な状態に戻すことが出来ません。 簡単に言いますと,汗で失った塩類分だけの水分量を吸収出来なくなるのです。これを「自発的脱水」といいます。1リットルの汗をかいても,750ミリリットルほどしか吸収できないのが現状です。そして,このことが熱中症の原因の一つであるようです。 余談ですが,「ポカリスエット」は手術をし終えてライトに照らされ汗だくになったお医者さんが,リンゲル液を飲んでいることがヒントになって開発されたようです。
お礼
自発的脱水の意味がかなり理解できました。 有り難うございました。
- fuckie79
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まあ、実際の話で競技中に純水を飲めといわれてもけっこうつらいものがあるでしょう。自分はミネラルウォーターを吐きそうになったことがあるんですが。 >スポーツ飲料は各種電解質を添加することによって、水分吸収を速くするというのが売りになっています そもそも、それよりも汗として失われた電解質を補うことの方が電解質を含有させる要因の一つではないかと思います。だから、人間の浸透圧より少し高い電解質を含有しているわけです。ご指摘の通り、競技中にそのままの濃度のスポーツ飲料を飲むと水分吸収はよくないでしょう。だからみんな経験的に薄めるのです あと、suiranさんの自発的脱水について、おもしろい(危ない)実験があります。期間をあけた日程で1.5Lの水とスポーツ飲料を一気飲みして比べてみてください。水の場合は大量に尿としてもしくは軟便として排泄されます。スポーツ飲料は体内に貯留して体がむくみます。この時、相当つらいです。体で納得できると思いますよ
お礼
ご回答有り難うございました。
補足
水分補給を唱っているので、実際は塩分補給が目的とは思えません。 塩分補給が目的ならそれを唱えばよいことですから。 しかしメーカーは塩分補給を唱わず、水分補給を唱っています。 この辺の理由が知りたいのですが・・・。
塩類が必要な理由は,「自発的脱水」を防ぐ意味があります。自発的脱水とは,血液が水分吸収で希釈されますと水の吸収が停止し,発汗によって喪失した量に見合った量の水が吸収出来ない事です。 自発的脱水で検索すると多数のURLがヒットしますが,一つだけあげておきます。 http://www.dietcalc.gr.jp/fuei/195-16.htm 吸水は,胃を通過する時間が早く,小腸で自発的脱水が起こらずに効率よく吸収されるものがよいわけですが,一般のスポーツ飲料を,2~3倍に薄め,10度程度に冷やしたものが一番良いようです。 ツールドフランス等の自転車選手は,コカコーラをそのままでガバガバ飲んでいます。コーラが飲めないと元気が出ないといって… 競技の種類によっても違いが大きいのではないでしょうか。 参考になりましたなら…
補足
自発的脱水とは水を飲んだために、水を吸収する力が減ることを言うのですか? 自発的脱水の意味がもう一つ理解できません。 もし上の意味なら、自発的脱水を防ぐ目的で塩類を添加したと言えばよいと思うのですが。 そのように説明して売っているメーカーはありません。 その辺が分からないのですが。 ご回答願います。
- myeyesonly
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こんにちは。 仰る通り、多分>売る為、でしょうね。 実際、マラソン選手などでそういう物を使用してる人もいますが、そういう方は、それを倍に薄めて使用するといいます。 水分の補給速度の問題ではなく、塩分補給の点で意味があるのが本当ではないでしょうか? 逆に体より浸透圧が高くなると、水分の補給に妨げになるので、「水分補給の妨げにはならないで、効果的に塩分が摂取できる濃度」なのだと思います。
お礼
回答有り難うございました。
補足
水分補給を唱いながら、実際は塩分補給が目的とは思えません。 塩分補給が目的ならそれを唱えばよいことですから。 しかしメーカーは塩分補給を強く唱わず、水分補給を唱っています。 この辺の理由が知りたいのですが・・・。
お礼
suiranさんの回答と併せてかなり理解が進みました。 しかし私には「水分を(効果的に)補給」と言われても、自発的脱水を防ぐ意味で電解質が添加されているとは思えませんでした。 それは自発的脱水の言葉が、製品のどこにも明記されてないからです。 だから「水分を(効果的に)補給」の原因は電解質を添加したことにある(表示成分を見ると電解質しかないから)と単純に考えて、電解質の添加が水分吸収を早めることのウリにしていると思うのです。 このように思っておられる消費者は、生物学や化学を少しかじった人なら少なからずいると思います。 誤解を生まないためにも上で言われた、「isotonic/hypotonic water」とか「mineral sports drink」の表現に改めてはいかがでしょうか。また商品説明でも、より納得のいく説明をすべきと思います。 薬事法との関連もあるでしょうが、さらなるご努力をお願いします。 何はともあれ丁寧な解説有り難うございました。