- ベストアンサー
テンソルの物理的成分
テンソルには反変成分と共変成分の他に物理的成分と言うものがあるそうですが、物理的成分とはどのようなものなのでしょうか。また昔はテンソルの反変成分と共変成分というのが基本だったのに最近の微分幾何の本では反変とか共変と言う言葉は出てこなくなったようですが、なぜなのでしょうか。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
すみません! >tetrad成分に対する元々の成分のことを >物理的成分と呼んでいるということで、ほぼ間違いないと思います。 は逆でした。 「ほぼ間違いない」とかいって間違っていれば世話ないです。 #1の補足説明の引用部分と、 #3での返信に書かれている訂正部分に基づいて考えると、 tetrad成分を物理的成分と呼んでいますね。 申し訳けありません。 計量が非対角要素を含む場合、 曲った場合の拡張を含めて理解できますね。 #4での返信から判断するに、この点に関しては もうすでに分っておられるかも知れないと思い 詳細は割愛いたします。 また、上の間違いにともなって、#5で書いた 「おそらく、そう名付けた根拠は、 一般にtetradの言葉でいえば、 物理的成分の脚は座標変換に対するテンソルとして変換しますが、 tetrad成分の脚はそうではないから」 は、物理的成分と呼んだ理由とはなりませんね。 (「根拠は...」より後に書いてあることは事実としては正しいですが。) tetrad成分を物理的成分と呼ぶのは 観測者の座標系を局所的正規直交座標にとるのが自然だからですね、おそらく。 >曲面に束縛されている質点の運動はいわゆる束縛運動の方程式で記述されますが、これには物理的成分であるu,v,wが顔をだす、、、というところからそのようにネーミングされたのではないかと という#3のKENZOUさんの意見と >実験で測定されるのは大抵これなので物理的成分と呼ばれているのではないかと思います。 のgotzemannさんの理解で正しいのだと思います。 いろいろごちゃごちゃしてしまいましたが、 言いたかったことは、 安達忠次 「ベクトルとテンソル」で 物理的成分と定義されたものは、 より一般にはtetradの成分のことであり、 これは一般のリーマン空間で定義することができ、 また、それは局所的正規直交空間における成分なので 観測者にとって自然な座標系だという意味で 「物理的成分」と呼ぶのだろうということです。
その他の回答 (5)
レスポンス有難う御座います。 まず、本題から少しはずれますが、 「フォック空間の物理成分...」のご指摘では、 おそらく、グプタ・ブロイラーの量子化あるいはBRS量子化 のことを念頭におかれてのことかと思います。 それらの処方は、ゲージ変換の自由度をローレンツ共変な形で固定して殺した後、 ローレンツ変換に対する不変性を保ったまま量子化するというものだと思います。 理論がローレンツ不変であることによるredundancyが残っており、 かつ、その中に不定計量を与えるようなイヤなものがあるわけですが、 フォックspaceを制限してそれらを消すというものです。 勝手にヒルベルト空間を制限したら 理論がユニタリーではなくなる心配があるのですが、 それらの処方では問題なくユニタリーな理論が作れるというのがミソだと思います。 一方、私の頭にあったのは、 古典的作用の段階で理論のredndancyを消したときの、その成分のことでした。 例えば、電磁場の場合なら、うまくゲージを固定することで 空間方向の1成分と時間方向の成分とを理論から消去して 横波方向の2成分だけで書きなおせますが、その2成分のことでした。 あくまで古典論の段階の話です。 しかし、これまでの議論を見るところ、 このようなものを念頭においての質問ではなかったようですね。 #1の補足説明において、 安達忠次著「ベクトルとテンソル」から 「物理的成分」の説明を引用されてましたが、 その説明が grothendieckさんが以前に聞き知ったもの に近かったのか遠かったのかが判断できなかったため、 遠かったのかもしれないと思い、一応、#2の書き込みをしました。 しかし、どうやら、判断をあやまったようですね。 さて、ここからが本題ですが、 これまでの補足説明と、 #3のKENZOUさんの説明をよく読んでみたところ、 tetrad成分に対する元々の成分のことを 物理的成分と呼んでいるということで、ほぼ間違いないと思います。 おそらく、そう名付けた根拠は、 一般にtetradの言葉でいえば、 物理的成分の脚は座標変換に対するテンソルとして変換しますが、 tetrad成分の脚はそうではないからだと思います。 しかし、だからといってtetrad成分が"物理的でない" とは言えませんし、"幾何学的対象でない" (つまり座標変換に対する明確な変換性を持たない) とも言えないので、このネーミングのセンスは?ですが。 安達忠次著「ベクトルとテンソル」では #3のKENZOUさんの説明もユークリッド空間を仮定しておりますが、 もちろんtetradの方法は一般のリーマン空間で議論できる方法なので、 上のように「物理的成分」を理解しておけば曲っていても、 計量に非対角型であっても、 問題なく「物理的成分」および「tetrad成分」を定義できるのだと思います。 さてさて、 >また昔はテンソルの反変成分と共変成分というのが基本だったのに最近の微分幾何の本では反変とか共変と言う言葉は出てこなくなったようですが、なぜなのでしょうか。 ですが、そうなのですか。知りませんでした。 でも深い意味はあるのですかね。 なにか思うところあっての質問なのだとは思いますが。
お礼
御回答ありがとうございます。また私はよく理解しているわけではないのですが、ゲージ場のご回答は大変参考になりました。
ああ、tetradのことですね。恐らく。 でもtetradのことを物理的成分と呼ぶのを初めて聞きました。
お礼
ご回答ありがとうございます。ご指摘の通り一般化されたものがtetradになると思います。普通は動標講の方法と呼ばれているものだと思います。
- KENZOU
- ベストアンサー率54% (241/444)
#1のKENZOUです。 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 さて、テンソルの物理的成分・・・はおっしゃる通り安達忠次著「ベクトルとテンソル」(培風館)に載っていました(←知りませんでした:笑い)。 >物理的成分とはベクトルをその点での(曲線)座標軸の方向へ正射影したものでしょうか。 釈迦に説法と思いますが、しばらくお付き合いください。空間内の1点Pを示すベクトルrは r=xex+yey+zek=ueu+vev+zew (1) と書けます。ここでex・・、eu・・は直交(直線)座標系、直交曲線座標系の基底ベクトルを表します。このeu・・・という基底ベクトルは点Pと関数関係にありますね。つまり、点Pはu曲線、v曲線、w曲線の交点となるわけですが、eu・・・は点Pでのu曲線の接線ベクトルの基底を表しますので、それぞれ ∂r/∂u=hueu、∂r/∂v=hvev、∂r/∂w=hwew (2) と書くことができます。 ここでhu・・・は規格化定数で hu=|∂r/∂u| 、hv=|∂r/∂v| 、hw=|∂r/∂w| (3) です。これらは座標の微分ですから反変成分という事になります。ところで、件の物理的成分というのは、(1)のu、v、wをそのように呼んでいるようですね。このネーミングは後で考えるとして一応先を続けますと(←蛇足)、線素drは dr=(∂r/∂u)du+(∂r/∂v)dv+(∂r/∂w)dw =hudueu+hvdvev+hwdwew (4) ds=|dr| (5) でこれから(dx,dy,dz)⇔[hudu,hvdv,hwdw]という対応関係が分かります(但し[ ]は直交曲線座標系を意味します)。 ついでに ∇=(∂/∂x,∂/∂y,∂/∂z)⇔ [(1/hu)∂/∂u,(1/hv)∂/∂v,(1/hw)∂/∂w] (5) ∇u=eu/hu,∇v=ev/hv,∇w=ew/hw (6) dxdydz=huhvhwdudvdw (7) eu=ev×ew=hvhw∇v×∇w (8) ev=ew×eu=hwhu∇w×∇u ew=eu×ev=huhv∇u×∇v となります。蛇足が長くなりました(汗;)。さて、物理的成分のネーミングですが、曲面に束縛されている質点の運動はいわゆる束縛運動の方程式で記述されますが、これには物理的成分であるu,v,wが顔をだす、、、というところからそのようにネーミングされたのではないかと(←随分簡単な結論ですが)思います。 >しかし計量テンソルが対角型でなければどうなるのか分かりません。 計量テンソルの対角型というのは、3つの座標軸が全ての点で直交している直交曲線座標の性質(基底ベクトルの1次独立性)からでてきますので、非対角型となれば非直交曲線座標ということになるのかも?・・・この辺になると私の手に負えない話となります。
お礼
御回答ありがとうございます。まず、私の下の補足で「∂yi/∂xj を第j成分とするベクトルをeiで表わし、基底ベクトルと言う。」というところを「∂yi/∂xj を第i成分とするベクトルをejで表わし、基底ベクトルと言う。」と訂正させて頂きます。KENZOUさんの記法と私のはかなり異なりますが、書いて頂いたことはおおよそ理解致しました。物理的成分は元のテンソルと同じディメンジョンを持っているし、実験で測定されるのは大抵これなので物理的成分と呼ばれているのではないかと思います。
「物理的成分」とは、電磁気理論や一般相対論などのゲージ理論において、 ゲージの自由度を除いた成分のことではないでしょうか。 ゲージ場の理論をやっているとよく使う言葉ではあります。 もちろん、その場合、共変、反変成分とは同列な言葉ではありません。
お礼
ご回答ありがとうございます。下の補足にも書いた様に、テンソルの物理的成分は全く古典的なテンソルにもあるので、フォック空間の物理的成分とは別のものと思います
- KENZOU
- ベストアンサー率54% (241/444)
後学のために教えてください(←逆質問でごめんなさいm(_ _)m;)。 テンソルの物理的成分というのはどういう文脈の中(例えば一般相対性理論の中とか、、、)からでてくるのでしょうか。 微分幾何は殆ど知りませんが、テンソルの反変、共変成分という言葉以外にどのような言葉がでてきているのでしょうか。以上、よろしければお願いします。
お礼
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 補足要求をありがとうございます。 私は物理の本でテンソルの物理的成分という言葉に出会ったことはありません。ずっと以前にある先輩がテンソルには物理的成分があるという話をして解説をくれたのですが、その解説はどこかへ行ってしまいました。私が知っている中ではテンソルの物理的成分が少し書いてあるのは 安達忠次 「ベクトルとテンソル」 (培風館) だけです。この本によると 「xiを曲線座標、yiを直線座標とする。∂yi/∂xj を第j成分とするベクトルをeiで表わし、基底ベクトルと言う。またeiに関する成分を反変成分という。x1, x2, x3 方向の単位ベクトルをそれぞれu, v, w としたとき e1 = h1u, e2 = h2v, e3 = h3w ( hi^2 = (∂yi/∂xj)(∂yi/∂xj) ( j についてのみ和をとる) ) の関係がある。このとき基本単位ベクトルu, v, w に関する成分をベクトルの物理的成分という。物理的成分をVi、反変成分をvcont iとしたとき、 Vi = hi vcont i ( iについて和をとらない) 共変成分をvcov i としたとき、 Vi = (1/hi)vcov i ( iについて和をとらない)」 とあります。しかし計量テンソルが対角型でなければどうなるのか分かりません。物理的成分とはベクトルをその点での(曲線)座標軸の方向へ正射影したものでしょうか。 この頃の微分幾何の本には反変とか共変とかいう言葉はほとんど出てこないようです。かって添字の上付き、下付き、添字の上げ下げとやっていたのが嘘みたいです。それに替わる新しい言葉があるわけではないようですが、なぜ反変・共変と言う言葉が使われることが少なくなったのでしょうか。ファイバーバンドルなどに重点が移ったからなのでしょうか。しかし私はファイバーバンドルでどのようなことができるのか、分かっているわけではありません。
お礼
御回答ありがとうございます。tetradで一般化でき、「物理的成分」の意味も明碓になりました。大変勉強になりました。