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ダンパの衝撃吸収性について
物体を地面に落下させたときの衝撃力は、衝突面間にバネを介すことで、接触時間が長くなり衝撃力が小さくなりますが、 さらにダンパを加えた場合、バネのみの場合と比べて衝撃力は小さくなるのでしょうか?もしそうだとしたら、何故でしょうか? 力学的に説明できる方、教えてください。
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回答の前に >バネを介すことで、接触時間が長くなり衝撃力が小さくなりますが、 この考え方は、あまり正しくありません。この場合、重要なのはバネによって変化する「時間」でなく「変形量」です。したがって #バネを介すことで、接触時の変形が大きくなり衝撃力が小さくなりますが、 が正しい文です。 衝突時の力の計算方法は、バネ単独の場合は 最初の位置エネルギー E0 = m*g*h が、バネ変形によるポテンシャルエネルギー E1 = 1/2 *K*x1^2 K:バネ係数 x:最大変形量 に変換されると考える(E0=E1)とxを求めることができます。 これより F1 = K*x1 = √(2E0/K) で、衝突時の力を計算できます。(正しくは、これに重力による力 m*g を加えないといけませんが) ダンパには、粘性ダンパーと摩擦性ダンパーがありますが、 (粘性ダンパーの場合は、F=v*cで計算できますが、エネルギー計算したことがないのでパスして・・・たぶんexp関数になりそうです) 摩擦ダンパー単独の場合は F2 = 摩擦力(一定) なので E2 = F2 * x2 で、変形を求めることができます。(E0=E2) >さらにダンパを加えた場合、 ダンパを直列に加える場合と、並列に加える場合で話が違ってきますが、とりあえず並列と考えて 前の式で、x1=x2としてF1,F2をもとめ、F1+F2の最大値が衝突時の力になります。 単純に同じバネに摩擦ダンパを並列に加えた場合は、前の回答のように、ダンパを入れたほうが衝突の力は大きくなりますが、 じつは、同じ変形なら、バネより摩擦ダンパーのほうが力を小さくできますから、 同じ変形になるようにバネを弱くしてその分摩擦ダンパーにしたほうが、力を小さくできます。 また、(計算していませんが)粘性ダンパーは衝突の初めに力が大きく(速度が大きいと力が大きい)、後になるほど力が小さくなり、バネは、はじめに力が小さく(変形が大きいと力が大きい)、後になるほど大きくなりますから、この2つをうまく組み合わせると、やはり、同じ変形の場合の力を小さくできます。 また、ダンパーで吸収されたエネルギーは、熱に変換されて、運動のエネルギーでなくなりますから、その後の振動は大幅に減ります。
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お礼、ありがとうございます。#1です。 >衝撃力に関してだけ言えば、ダンパを設けた方が衝撃力は大きくなるということでしょうか? 基本的には、そうなり得ますが、考え方次第ということもあります。 バネが縮んでいくと、縮む距離に比例して力が大きくなります。つまり、加速度は直線的に増して行きます。 ここに、ダンパーが加わります。摩擦力ということで、一定の力ということにしておきましょう。 物体に付けたのが、ダンパー無しバネであれば、バネに衝撃を与えて縮み始める瞬間では、力は物体に加わりません。 ダンパー付きバネですと、いきなり摩擦力が働き、それが物体に即座に伝わります。 この時点を比較するなら、ダンパーがあるほうが衝撃力は大きいといえるでしょう。 ダンパー無しバネが縮み切るとき、物体にかかる力は最大になります。外部から与えた衝撃によるエネルギー分だけ縮みます。 ダンパー付きバネですと、ダンパーで摩擦がする仕事があるため、つまり衝撃の力学的エネルギーがダンパーに分けられるため、バネに与えられる力学的エネルギーは少なくなります。 こうして、バネの縮みは小さくなり、これにより物体にかかる力も小さくなります。 バネが縮み切った時点を見れば、ダンパー付きバネは一瞬の静止となりますから、摩擦による力も0になっています。 つまり、バネが縮み切った時点で見れば、ダンパー付きバネのほうが衝撃力は小さくなっています。 途中経過は、ダンパー付きバネでは、ダンパー無しと比べて、バネの縮みとダンパーの摩擦力を考慮しての評価となります。一概には、どちらが衝撃力が大きいとは言いにくい状況のように思います。 実用的な衝撃緩衝装置として、ダンパーによるいきなりの衝撃と、バネによる最大の力の減少、その途中経過、さらにはその後の時間の経過とともに減衰していく振動、といったもの全部を評価して、衝撃を和らげる目的に合致するようにする、というくらいしか申し上げられません。 実際問題、バネだけの緩衝もあれば、摩擦抵抗だけの緩衝もあります。こういったことも、衝撃緩衝ということに対する要求がさまざまであることを物語っているように思います。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 >ダンパーによるいきなりの衝撃と、バネによる最大の力の >減少、その途中経過、さらにはその後の時間の経過とと >もに減衰していく振動、といったもの全部を評価して,,,, なんだかすごく奥が深いというか、複雑なのですね。頭がパンクしそうです。。。^^; ご回答ありがとうございました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC 別名、ショックアブソーバーですね。 バネによる衝撃吸収は使い、バネの性質上、どうしても揺り戻しで揺れ続けようとします。 ショックの第一撃をかわしたものの、今度は、いつまでも揺れ続けてしまいます。 そこで、その揺れ続けるのを、摩擦抵抗でやんわりと止めてやるということです。 ですから、ショックアブソーバーで衝撃力を減らすのではありません。 上のリンクに比較図画ありますが、ショックアブソーバー付きのバネのほうが、縮み方が小さくなっています。 バネが縮まなかった分は、むしろ衝撃力を増して物体に伝わっています。
補足
ご回答ありがとうございます。 >ショックアブソーバー付きのバネのほうが、縮み方が >小さくなっています。バネが縮まなかった分は、むしろ >衝撃力を増して物体に伝わっています。 ということは、衝撃力に関してだけ言えば、ダンパを設けた方が衝撃力は大きくなるということでしょうか?
補足
お礼が遅くなり申し訳ありません。 組み合わせ方によってバネ単体より衝撃力を小さくできるのですね。ありがとうございました。 >バネを介すことで、接触時間が長くなり衝撃力が小さく >なりますが、この考え方は、あまり正しくありません。この >場合、重要なのはバネによって変化する「時間」でなく >「変形量」です。 え、えー!?目から鱗です。。。そうだったのですか。 mv=Ftの関係式から、接触時間tこそが(直接的に)衝撃力Fに関与しているとずっと思っていたのですが、この考え方があまり正しくないという事でしょうか? それともこの関係式の根底を辿っていくと、実際には変形量の方が直接的に衝撃力に関与しているということなのでしょうか? すみません、もしよろしければ教えて頂けないでしょうか?