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古文書の解読に関する質問
- 室町幕府奉行人連署奉書には松梅院の寺領福田庄の「畠山上野介入道」が年貢を納めない問題があります。
- 将軍の命令として、神用を専らにするよう要求しています。
- 「募」の意味や解釈が難しいため、アドバイスが必要です。
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こんにちは。私も当該文書の写真版を確認してみました。 以下、私見です。 ---白文------------------------------------------- 北野宮寺領加賀国福田庄 并山代豊田長崎等代官職事 募畠山上野介入道由緒跡被申 請之上表之上者早如元全所務 可被専神用之由所被仰下也仍執達 如件 永正七年十二月十七日 近江守(花押) 美濃守(花押) 松梅院 ---書下し文------------------------------------------- 北野宮寺領加賀国福田庄并びに 山代、豊田、長崎等代官職の事 畠山上野介入道由緒跡を募り、之を申し 請う上表の上は、早く元の如く所務を全うし 神用を専らにせるる可きの由、仰せ下さるる所なり。よって執達 件の如し 永正七年十二月十七日 近江守(花押) 美濃守(花押) 松梅院 ----------------------------------------------------- ご承知のとおり、北野宮寺は現在の北野天満宮であり、松梅院はその院家の一つで、 菅原道真の子孫が代々継いでいます。 畠山氏は室町幕府の有力守護にして三管領の一角ですが、北陸に地盤を持っていたので、 「畠山上野介入道」なる一族の一人が、加賀国福田庄や、山代・豊田・長崎 (いずれも加賀国内)の代官職も得ていたのでしょうか。 「由緒」「跡」は、誰かの職であったものが、戦・追放・没落・売買などによって 現在は別の状態にあること(誰かの所有に帰している、あるいは空白となっている) を意味しています。 ここでは「畠山上野介入道が以前保持していた諸職」=畠山上野介入道の跡である 加賀国福田庄や山代・豊田・長崎の代官職を指しています。 ※「跡」の字は、もしからしたら質問者様が読まれたように「改」かもしれません。 ですが「跡」の崩し方に、似た事例かあることと、前後のつながりによって「跡」 としました。 これら代官職を、北野宮寺が何がしかの縁があることをもって募る、つまり願い、 これを室町幕府に上表して願い出たところ裁許されたもので、代官職の収益を 北野宮寺の神用に宛てて興行(神仏に対する崇敬を盛んにすること)しなさい、 と命令されたものではないかと思います。 なお本文書は筑波大学附属図書館が所蔵しており、写真版は同大学附属図書館が WEBサイトで公開しているものに拠りました。 また活字に起こされたものは『史料纂集』に採録されているようなので、そちらも ご確認されてはいかがでしょうか。
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- fujic-1990
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古文はクイズだ、くらいにしか思っていない気楽なド素人です(前にどなたへコメントしたのか覚えてないんですが、二回目でしたっけ?) 前後の脈絡がわからないのでイメージがわかず、難しいですね。 自信はないのですが、どこかに「年貢」を表す言葉はありますか? どうも、直接には年貢は関係なく、北野宮寺寺領加賀国福田庄の、并山代豊田長崎ら代官職の人が、仕事をさぼっているんじゃないか、という気がするんですが。 あるいは、神と仏の領地争いかなぁ。 で、畠山上野介入道さんが、その代官らの事について、あらためてクレームを募集して申し立てを被け、 請求内容を幕府に上表したので、 こういう書類が出たうえは、早く、元のような全職務、「神様用の由来のある所?のことを専門に受けなければならない」という指示がくだったので、 (「 」部、神様用だという由来のある所をだけを受入なければならない) そのとおり、おまえへ通達する。 と、近江守らの担当者が、松梅院に通達してきたのではないか、と思うのですが。難しい。 北野宮寺って、神社系ですか、仏教系? ここに紹介されていない文章との整合性は如何に? 結局は年貢絡みだろうなとは思いますし、さらに「神用之由所」が、「神用之田所」だと、意味が通じるし、どこかに「仏用之」なんて言葉があると、ビンゴなんですけど。
お礼
お礼が遅くなって申し訳ございません。「回答のある場合はメールで通知」にしておいたのですが、全く来なかったので回答がないものと諦めていました。 (以前も利用したことがあるのですがokwaveからきちんとメールがきていました。) 「質問から4週間が過ぎました」のメールにて初めて回答のあったことを知りました。 期限もあり、とっても困っていましたが何とか提出することができました。でも、間違っていました・・・ショック! 畠山氏が福田庄の職を幕府に上表しているとし、領主である北野宮寺が再三の畠山氏の申請に振り回され幕府に助け舟を出していると解釈しました。そこで、幕府が「早く神用を専らに」と苦言を呈しているのだと思いました。 こんなにご丁寧な回答をいただいてたら、苦労することはなかったと思うとちょと残念です。また、お尋ねすることがあるかと思いますが、その時はどうぞよろしくお願いします。