- ベストアンサー
habitとinhabitの関連性について
僕はhabitは「癖、習慣」という意味で、inhabitが「~に住む、居住する」という意味だと思ってたんですけど、辞書をみてたらhabitにも「~に住む」という意味がある事を初めて知りました。 habitとinhabitは語源的に何かつながりがあるんですか?それとも別語だけど、たまたま意味が重複してるだけなんですか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「語源」という言葉はしばしばあいまいに使われます。habit と inhabit はどちらもラテン語の habitus(名詞)・habito(動詞)、inhabito(動詞)から英語に入ったものです。通常、語尾は放棄されて語幹部分だけが英語に入るため habit, inhabit となりました。habit を「住む」あるいは「服装」の意味に用いるのは現代では古語と見なされます。 根幹にあるのは動詞 habeo(持つ)で、habitus はその名詞形、habito は派生動詞です。「持つ」から「住む」への意味の派生は次のように考えられています。 「持つ」→再帰的に「自身をどのように持つか:どのように振る舞うか、存在するか」 (外面的に)→振る舞い、見てくれ、服装→居住 (内面的に)→性格、人格、行動、習慣 ※Oxford英語辞典より抜粋 この分化はラテン語ですでに起きたことで、そのため habeo の関連語は一見関係ないような著しく多義なものとなっています。「居住」と「習慣」が同じ語根で結びつくのはラテン語以外にも見られ、ドイツ語の wohnen「住む」と gewöhnen「慣れる」、英語の wont「慣れている」と wone「住む(古語)」などがあります。 habito は一度名詞形を経て作られた動詞ですが habeo 本来の意味よりも派生的な「住む」に特化されたと言ってよく、inhabito は「~に」の前置詞 in を前に付けて「~に住む」という他動詞にしたものです。habito in... でもいいのですがラテン語では前置詞を動詞に付けて他動詞にすることがよく起きます。 結論として、英語の habit, inhabit はどちらもラテン語の habeo に行き着く単語です。 ちなみにこの habeo は「持つ」という意味を持ち、現代のフランス語やイタリア語などラテン語の末裔でも「持つ」という動詞になりさらには過去分詞と結びついて完了形を作るなど英語の have やドイツ語の haben と意味用法ともに同じため同語源と勘違いされますが全く別物で、インドヨーロッパ語としての深いところでは give と同語源とされています(比較研究により英語とラテン語が同じ子音 h であるはずがないことが分かっています)。意味が逆になった理由については正確には分かっていません。have と同根であるとされるのはラテン語では capio「取る」です(c - h が対応)。
その他の回答 (2)
ここではご指摘の"habit"と"inhabit"を中心に関係のある語に範囲を少し広めていきましょう。前にも同じようなご質問があったのですが、同じような回答になる部分もありますがご了承ください。またオンラインの語源英英辞書のサイトをご紹介しておきます。 以下の語群は全部[ have(もつ) ]を起点にして推測することができます。 "ability"⇔"able"⇔"have"⇔"habit""habitual"⇔"rehabilitate"⇔"inhabit"⇔"cohabit"⇔"exhibit"⇔"prohibit"⇔"inhibit" これらはすべて「同語族」の単語です。最終的には"have"⇔"give"まで進みます。「自分が持つ」か「相手が持つ」かの違いが生まれてきました。"go"⇔"come"も同じです。「自分のところから移動していく」か「自分のところへ移動してくるか」の違いだけです。 "ability"=「もっている」から「~できる」→「能力」 "able"=「もっている」から「~できる」 ●"have" ◆"habit"=「もっているもの」→「くせ」 "habitual"「くせ」→「習慣的な」 "rehabilitate"="re- 再び"「再びもつ」→「回復する」→「リハビリをさせる」 ◆"inhabit"="inhabit ~"「~を中にもつ;(人間などが)その中にもたれる」→「~に住む」 "cohabit"=「一緒にもつ」→「一緒に住む」→「同棲する」 "exhibit"=「もっているものを外に出す」→「展示する」 "prohibit"="pro"→"fro"→"front"→「前にもつ」→「禁止する」 "inhibit"=「中に抱え込む」→「抑制する」 語源的な意味を「つづり」だけから推測することは危険が伴ないます。背後に隠れた「音変化」の研究をしなければなりません。一般的な語源辞典にはほとんど書かれてありません。 学問的には「印欧祖語」→「サンスクリット語」→「古代ギリシャ語」→「ラテン語」と様々に言語が形態を変えていったというのが通説です。 グーテンベルクの活版印刷術の発明から、つづりというものが固定してきました。15世紀の中頃です。語源を考える上で便利な部分が出てきました。綴りの固定から、背後に隠された古代から現代までの各国語の「音の変化」がある程度推測可能になってきました。 いろいろな理論がありますが、口の中の前の部分で音を出すもの「前音」が口の中の後ろの部分で音を出すもの「後音」への変化から、今ではぎょっとするような単語が同語族であることがわかりびっくりします。これらの話はちょっと長くなりすぎますので、ご興味がおありなら専門的に学んでみてください。
お礼
詳しい回答ありがとうございました。機会があったら深く勉強してみたいと思います。
- wind-sky-wind
- ベストアンサー率63% (6647/10387)
inhabit は in + habit この habit は確かに「住む」の意味です。 この habit は「習慣」の意味の habit とは本来,別のものです。 多くの辞書では「習慣」と同じ habit のところに「住む」と出ていますが, ランダムハウス英和大辞典や,研究社の英和大辞典では habit1 habit2 と別項目,別語源となっています。 「習慣」はラテン語 habitus「状態,習慣」より 「住む」はラテン語 habitare「住む」より いずれにせよ,「住む」の意味の habit は古語,廃語になっています。 しかし,inhabit, inhabitant, habitat「生息地」のような語では この habit が生き続けているようです。 このように,「住む」の habit と「習慣」の habit は別語源とはいえ, habit- の部分は共通で,have「持っている」の意味です。 ともに,状態が持続するという意味合いが含まれているわけです。
お礼
回答ありがとうございました。分かりやすい説明で参考になりました。
お礼
詳しい回答ありがとうございました。今回教えて頂いたことは覚えておきたいと思います。