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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:熱力学第二法則について(基礎))

熱力学第二法則について

このQ&Aのポイント
  • 熱力学第二法則についての基礎知識を解説します。カルノーサイクルや準静的過程、可逆過程などについて理解を深めましょう。
  • 不可逆過程が熱効率に与える影響や、準静的過程と可逆過程の関係について説明します。また、熱効率の計算方法や熱源の数による最大熱効率の違いについても解説します。
  • 熱力学第二法則についての質問を解答します。カルノーサイクルに対する理解や準静的過程と可逆過程の違い、熱効率の計算方法などについて詳しく説明します。

質問者が選んだベストアンサー

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  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.10

それで質問者さんのCycleについて値の間に特定の条件を付けずに考えてみると以下の流れになると思います。 (i)定積昇温;P1, V1, T1→P2, V1, T2 Q1=Cv(T2-T1)>0(熱をもらいます。)・・・(1) P1/P2=T1/T2≡α(αと置きます。)・・・(2) ここで昇温を考えていますので0<α<1です。 (ii)定圧膨張;P2, V1, T2→P2, V2, T3 この時仕事もしますが熱をもらいます。 Q2=Cp(T3-T2)>0(熱をもらいます。)・・・(3) T2/T3=V1/V2≡δ(δと置きます。)・・・(4) ここで膨張を考えていますので0<δ<1です。 (iii)定積冷却(放冷);P2, V2, T3→P1, V2, T4 Q3=Cv(T4-T3)<0(熱を放出します。)・・・(5) P1/P2=T4/T3=T1/T2=α・・・(6) 上の式は(2)に基づいています。 (iv)定圧圧縮;P1, V2, T4→P1, V1, T1 この時仕事をもらいますが、熱を放出します。 Q4=Cp(T1-T4)<0・・・(7) なお、あとの計算の必要から(4), (6)を逐次使って T1/T3=T1(δ/T2)=T1δ(α/T1)=αδ・・・(8) を出しておきます。 効率は行った仕事(もらった熱マイナス捨てた熱)をもらった熱で割ったものですから η=(Q1+Q2+Q3+Q4)/(Q1+Q2)=1+(Q3+Q4)/(Q1+Q2)・・・(8) となります。(8)に(1), (3), (5), (7)を適用すれば η=1+{Cv(T4-T3)+Cp(T1-T4)}/{Cv(T2-T1)+Cp(T3-T2)} となります。左辺第二項の分数の分母分子をT3で割ります。 η=1+{Cv(T4/T3-1)+Cp(T1/T3-T4/T3)}/{Cv(T2/T3-T1/T3)+Cp(1-T2/T3)}・・・(9) ここで(2)(4)(6)を適用しますと η=1+{Cv(α-1)+Cp(αδ-α)}/{Cv(δ-αδ)+Cp(1-δ)} となります。分母分子をCvで割り、Cp/Cv=γと置けば η=1-{1-α+γα(1-δ)}/{δ(1-α)+γ(1-δ)}・・・(10) となります。これがこのサイクルの効率です。0<α<1, 0<δ<1ですから右辺の分数は分母分子とも正であり、ηは1より小さいことは明らかです。また(10)の分子と分母の大きさを比べるために分母から分子を引いてみますと 分母-分子=δ(1-α)+γ(1-δ)-(1-α)-γα(1-δ) =(δ-1)(1-α)+γ(1-δ)(1-α) =(1-α)(1-δ)(-1+γ)・・・(11) γ>1ですので分母は分子より大きいです。したがって0<η<1におさまります。なお蛇足ですがエントロピー変化は ΔS=∫(T1→T2)CvdT/T+∫(T2→T3)CpdT/T+∫(T3→T4)CvdT/T+∫(T4→T1)CpdT/T =Cvln(T2/T1)+Cpln(T3/T2)+Cvln(T4/T3)+Cpln(T1/T4) =Cvln(T2T4/T1T3)+Cpln(T3T1/T2T4) =ln{(T2T4/T1T3)^Cv*(T3T1/T2T4)^Cp}・・・(12) となります。ところで(6)よりT4/T3=T1/T2ですからT4T2=T1T3です。したがって ΔS=0 になっていることもわかります。

mozhand
質問者

補足

見てみると結構きれいな式で,参考になります.また,熱効率の計算方法がわかりました.ありがとうございます。 ただ示していただいた内容「熱効率が1未満」と「∲dS=0」はすでにわかっていますので. もういろんな回答者さんのおかげで,サイクルCの熱効率が1-TL/TH(TL,THはサイクルC中での最低,最高温度)よりも小さいことはわかったのですが,どちらかといえばそのことを数式で見てみたいですね.

その他の回答 (10)

  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.11

このサイクルの熱効率がカルノーサイクルより劣るのを示すのは簡単です。 2番目までの操作で昇温、3番目以降が降温としたのでTh=T3, Tl=T1です。 ηo=1-Tl/Th・・・(1) η=1-{1-α+γα(1-δ)}/{δ(1-α)+γ(1-δ)}・・・(2) を比べればよいわけです。前回の回答よりTl/Th=T1/T3=αδです。そこで(1)と(2)の右辺第二項の大小関係を比べます。(2)の第二項から(1)の第二項を引きます。これが正ならば、η<ηoになるわけです。 差={1-α+γα(1-δ)}/{δ(1-α)+γ(1-δ)}-αδ =[1-α+γα(1-δ)-αδ^2(1-α)-αγδ(1-δ)]/{δ(1-α)+γ(1-δ)} =[(1-α)(1-αδ^2)+(1-δ)γα(1-δ)]/{δ(1-α)+γ(1-δ)} =[(1-α)(1-αδ^2)+γα(1-δ)^2]/{δ(1-α)+γ(1-δ)}・・・(3) ここで1<γ, 0<α<1, 0<δ<1ですから分母は正です。分子で1-αδ^2も明らかに正、γα(1-δ)^2も正です。したがって差は正となりη<ηoです。

mozhand
質問者

補足

証明ありがとうございます.こんなに綺麗に示せたのですか. しかし藁にもすがる思いで質問させていただいたつもりでしたので,ここまで丁寧に教えていただけて感激です.

回答No.9

回答というよりむしろ質問になってしまいそうですがw 作動物質にガラスを使ってカルノーサイクルを働かせるとします。体積変化はごくわずか、圧力変化はものすごく大きいと言うPV図になるはずですが、思考実験としてできないことはありません。 ガラスはご存じのとおり、それ自身熱平衡にはなく、宇宙の年齢ぐらいの時間をかけてゆっくりと熱平衡に向かっていきますが、一応、温度や圧力などはきちんと定義できます。 さてこのガラスを使ったカルノーサイクルを宇宙の年齢ぐらいの時間をかけて一周回すことを考えます。ガラスの緩和時間よりもおそらく人間に寿命のほうが短いので、すべての時刻で温度、圧力、体積が決まり、PV線図が連続曲線として書けます。 さてこのカルノーサイクル、可逆でしょうか不可逆でしょうか? 私は不可逆だと思うのですが。

mozhand
質問者

補足

これは難しい.あまりガラスに詳しくないのですが,この場合,ガラスが真に一様な状態量を持っているかがポイントな気がします. と,言うのもカルノーサイクルの効率が作動物質に依らないということの証明では一切物質に対する指定というか条件がないからで,ガラスにも適用できるかと.それでも不可逆なのならば準静的でない(圧力や密度が真に一様分布でない)からかなと思いました. とはいってもマクロに見れば分布は生じていないのかな…ミクロの世界で語れば理想気体の他は絶対一様にはならないのでこの議論ではミクロに立ち入ってはならないはずだけど… なんだか複雑になってきました.所詮は有り得ない理想化なのかも知れません…

回答No.8

おはようございます ANo.1補足について 前半はそれでいいと思います。 平均と言うよりは積分量そのものなんですが、まあ比を取れば同じです。 後半は >pv平面上に描けるすべてのサイクルは可逆ということになると思うのですが. 無限小の距離だけ離れた離散点(有限距離でもいいですけど)の集合であったとしても、図にしたら各離散点をつないだ同じような連続曲線で書くしかないですよね。これをはじめから真の連続曲線で準静的に変化が可能であると要請することは、サイクルに含まれる4つの過程がすべて準静的過程であることを要請するのと同じことですから、カルノーサイクルに分割して証明するまでもなく可逆サイクルです。 ただ、全ての点で温度圧力などが定義できて曲線が連続ならほんとうに可逆になるかどうか、その場合でも不可逆があり得るのかどうなのかという点については確信がありません。

mozhand
質問者

補足

何度も回答ありがとうございます. テキストでは不可逆過程はpv線図に描けないということで点線で曲線を描いています(説明上,曲線があった方がわかりやすいから行った苦肉の策だと思います).まあ,少なくとも「不可逆過程であるならばpv線図に描けない」というのはテキストから分かるのですが,数学的にはその対偶に当たる命題「pv線図に描けるならば可逆過程である」も真かと思うのですが. こんな所を深く追求しても無益かも知れませんが(汗

  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.7

>接しているときは等温変化のみ許される >という言い方が正しくないということですが,これは次のような意味で言いました. 「等温変化」(と「断熱変化」)のみというのが他の可逆サイクルを無視しているように見えたので、一般の可逆サイクルはそうではない、という意味で書きました。そしてその一般のサイクルは無限個の熱源を想定している、ということです。 それから以下の件ですが・・・ >すなわち,2熱源のみを使う場合,ある温度T1の熱源に接しているときに,定積変化な >どしてもらっては困るのです.定積変化ということは温度が変化しますから,T1と接し >ているときに温度が変われば伝熱によってエントロピーが生成してしまいます.かとい >って,T1からもう1つの熱源温度T2に瞬時に変わるわけではありませんから,T1と接し >ている間はT1以外になってはいけない. 質問者さんの最初の質問の文章は一般の可逆サイクル構成についての記述に見えました。とくに下に書かれたサイクルCは無限個の熱源を必要としているものです。二つの熱源という前提がなかったので、コメントした次第です。二つの熱源しかないのなら等温(と断熱)が許されるも何も、それしか操作ができないです。 なお質問者さんの[補足]の文章も若干問題です。等温変化で熱が供給されているときでも、温度差ゼロならば熱は流れません。等温変化でも熱が流れるなら無限小の温度差は必要なのです。等積変化、等圧変化での想定と(熱源の数を除いて)本質的に変わるものではありません。

mozhand
質問者

補足

熱源数については誤解を招き,申し訳ありませんでした. そして今回のご指摘についてですが,等温では熱が流れないのは理解していますが,温度差無限小での熱移動の理想化を等温熱移動というので,そのような表現をしてしまいました.

  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.6

質問1について > つまり,接しているときは等温変化のみが許される。 という言い方はただしくありません。 確かにCarnot cycleは等温変化と断熱変化をつかう可逆サイクルですが、下に挙げたように等積の昇温とか等圧の降温とかを使う可逆サイクルもあります。しかしこの時、熱源と熱を受け取るものが温度差があっては不可逆になりますので、温度差無限小で温度変化を行わせる必要があり、温度が無限小違う熱溜めを無限個使うようになります。そして効率はCarnot cycleよりも劣ります。以下のような例がよく扱われます。(これらは一巡してエントロピーは生成していません。) Otto cycle;断熱圧縮→等積加熱→断熱膨張→等積冷却 Joule cycle;断熱圧縮→等圧加熱→断熱膨張→等圧冷却 Stiring cycle;等温圧縮→等積加熱→等温膨張→等積冷却 こういう可逆でもシステム上の差で効率に差が出るほかに、可逆でないことにより効率が落ちることはその通りです。(これはまた別の話です。)あるシステムが状態変化(A→B)を起し内部エネルギーがΔU(=Ub-Ua)下がったとします。そのシステムのエントロピー変化はSb-Saです。ΔUは仕事ΔWとして可逆仕事源(仕事をもらったり、なしたりするもの。)へ、熱ΔQとして可逆熱源(熱をもらったり出したりする熱溜め)へに行きます。全体が可逆であればΔS=0です。しかし、もし不可逆過程ならエントロピーが生成します(ΔS>0)。可逆仕事源はエントロピー変化はありません。可逆熱源内ではエントロピー変化がΔSh=ΔS-(Sb-Sa)です。可逆熱源については内部では常に可逆で、dU=TdShが成立します。不可逆過程が起こり、ΔS>0のとき、ΔShが大きくなり、その結果、熱源の終状態での内部エネルギーが、可逆過程であった時より高くなっています。つまり熱として捨てられる割合が高くなります。 質問2について サイクルCというのがよくわかりません。しかし、上で説明した事情から二つの熱源だけでまわらないのでサイクルCの効率はCarnot Cycleより劣ります。 質問4について 等積加熱→等圧加熱→等積冷却→等圧冷却 というシステムだったとすれば、はじめの二つで熱をもらいますので、それがもらう熱です。分子は、やった仕事ですから、もらった熱から捨てた熱(冷却に対応)がひかれたものに対応します。

mozhand
質問者

補足

接しているときは等温変化のみ許される という言い方が正しくないということですが,これは次のような意味で言いました. すなわち,2熱源のみを使う場合,ある温度T1の熱源に接しているときに,定積変化などしてもらっては困るのです.定積変化ということは温度が変化しますから,T1と接しているときに温度が変われば伝熱によってエントロピーが生成してしまいます.かといって,T1からもう1つの熱源温度T2に瞬時に変わるわけではありませんから,T1と接している間はT1以外になってはいけない.もちろん,熱源が無限にあるのなら,温度が微小変化してT1+ΔTとなった時にはT1+ΔTの熱源と熱のやり取りをさせ,さらにΔT変化したらT1+2ΔTの熱源と…ということをΔTを無限に小さくして,いわば作動流体の温度変化の過程で常に同じ温度の熱源が接しているという状態にしてやれば温度変化も許されるので,定積変化が許されるというのはわかります.

回答No.5

可能性ではなくてそのように設計されているかどうかです。 ブレイトンサイクルでも熱を再利用するモデルはありますが、 その場合には当然再利用しないブレイトンサイクルとは別の式で計算します。 他に、熱を再利用するサイクルにはエリクソンサイクルと言うものがあります。 スターリングサイクルに話を戻すと、一見再生器がないように見えるものもありますが、 その場合は実はディスプレイサーピストンが再生器を兼ねていて、等積での熱はディスプレイサーピストンとやりとりします。次のページの下のほうを見てください。理想としてはですけどね。 http://www.conceptplus.jp/products/stirling-engine/ 熱の再利用をしないスターリングサイクルの効率はこんな形です。 http://ozonation.web.fc2.com/tdlecture14.html

  • htms42
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回答No.4

モデルサイクルの理論効率を考えている時には放出された熱をどのように再利用するかということは考えません。そのサイクルを含むシステムの効率を考える時には考える対象になるでしょう。 再利用を理論効率を考える時に考えに入れないといけないとしたら他のサイクルでも常に考察の対象になるはずです。部分的にしろ再利用が可能であれば考察、吟味が必要になってきます。 ガソリンエンジンのモデルサイクルになっているオットーサイクルは A→B:等積加熱   B→C:断熱膨張   C→D:等積冷却   D→A:断熱圧縮 です。等温過程は含まれていません。 A→Bで熱量Q1(>0)が入ってきます。C→Dで熱量Q2(>0)が出て行きます。Q1>Q2 です。 効率はe=1-Q2/Q1です。 もし等積過程での熱量をキャンセルできるとしたらe=1-0/(Q1-Q2)=1 になってしまいます。おかしいです。 部分的にでもキャンセルできれば効率は変わってきます。 「温度条件による」というのであれば再利用が効率の計算に入って来ない条件を示す必要があります。 オットーサイクルの効率が圧縮比だけで決まるという結果を出す場合、熱浴についての考察は一切行われていません。 自動車の排ガスを給油ポンプを運転するエネルギー源の一部に使ったり、燃料の予熱に使ったりするとした時に変わるのはエンジンを含むシステムの効率です。エンジンの効率とは分けて考える必要があるはずです。

回答No.3

ANo.2さんへ スターリングサイクルの場合、Q2, Q4を内部で回してしまうというところが味噌です。 Q2として出た熱をそのまままわしてQ4に使うわけですから、Q4は外部からの熱の供給ではありません。 トータルとしてスターリングサイクルは外部からQ1の熱を取り込みQ1-Q3の仕事をしますから、熱効率は η= (Q1-Q3) / Q1 = 1 - Q3/Q1 です。 熱効率というものは、燃料を燃焼させるなどの方法で外部から人間が供給したエネルギーのうち、どのくらいが仕事に転換されるかという量だから意味がある物なので、内部でつかい回すようなエネルギーは考えなくていいわけです。

  • htms42
  • ベストアンサー率47% (1120/2361)
回答No.2

可逆サイクルの熱効率については混乱があるようです。 熱効率の基本は質問4にも書かれていますが e=(取り出した仕事)/(取り入れた熱量) です。どういうサイクルであってもこの式で計算するのが筋道です。 2つの熱源(温度TH、TL)の間で働く可逆サイクルの効率がe=1-TL/TH になるというのはこの式に仕事の量、取り入れた熱量の値を入れて計算した結果です。2つの熱源以外のところで熱の出入りがあれば効率は当然この式とは異なってきます。カルノーの定理はあくまでも2つの熱源の間で、2つの熱源とだけ熱のやり取りの起こる可逆サイクルについてのものです。その場合、サイクルの大きさ、作業物質の種類によらず効率は2つの温度だけで決まります。 2つのカルノーサイクルを考えます。 A:温度TH,TL、 体積V1→V2→V3→V4→V1    効率e=1-TL/TH B:温度TH',TL' 体積V1'→V2'→V3'→V4'→V1' 効率e'=1-TL'/TH' A,Bをつないで1つのサイクルCを作ったとします。 TL=TH’  V4=V1'、 サイクルCは可逆サイクルになります。効率はA,B,Cで異なります。 Cの最高温度と最低温度はTH,TL'ですが効率は1-TL’/TH ではありません。V3,V2'の大小間系によって変化します。これは熱源が3つある場合になります。効率は3つの温度とV3,V2'の比率(=A,Bの混ざり具合)によって決まります。(ここの取り扱いは菊川芳夫「熱力学」(講談社)にも載っています。でも他の本では見たことがありません。) 「可逆サイクルの効率は全て等しい」と書いてある本が多いですがカルノーの定理を誤解しているのだと思います。「2つの熱源との間だけで熱のやりとりが行われる場合」という前提があるのを抜かしているのです。 熱源が2つではないのに「可逆サイクルの効率は最高温度と最低温度の2つだけで決まる」に無理やり当てはめようとしている記述が目につきます。学界全体で間違っているのではないかという例もあります。 可逆サイクルA→B→C→D→A A→B:等温膨張(温度TH、体積V1→V2)Q1 B→C:等積冷却(温度TH→TL)     Q2 C→D:等温圧縮(温度TL、体積V2→V2)Q3 D→A:等積加熱(温度TL→TH)     Q4 を考えます。 このサイクルはスターリングサイクルという名前で呼ばれているものです。 各ステップで熱の出入りがあります。 A→B、D→Aでは熱が入ってきます。Q1+Q4>0 B→C,C→Dでは熱が出て行きます。Q2+Q3<0 効率はe=(Q1+Q2+Q3+Q4)/(Q1+Q4)=1+(Q2+Q3)/(Q1+Q4) のはずです。e<1-TL/TH です。 ところがここでe=1-TL/TH に合わせようとしておかしなことをやっている例が多いです。 等積加熱、等積冷却は温度が共通であれば出入りする熱量は等しいです。 そこでQ2とQ4を効率の式の分母、分子からキャンセルしてしまっているのです。スターリングサイクルは効率のいいエンジンのモデルサイクルだというおかしな評価が出回っています。機械工学系ではほとんどこの扱いではないでしょうか。でもやってはいけないはずのことをやっているのですからスターリングサイクルを教材に取り入れている授業はほとんど意味がないと言っていいでしょう。 工業高校では試験管の中でビー玉をころがすような教材がスターリングサイクルに関連して出回っています。 ネットで検索して出てくるのもこの扱いです。 横田伊佐秋「熱力学」(岩波書店)でも同じ扱いです。 京大理学部吉村洋介氏のホームページでもこの扱いです。 なぜいまだにこういうレベルでの混乱があるのかよく分かりません。 あなたの疑問は的を得たものだと思います。 私も最近熱力学の勉強のやり直しをしていて気がついたことです。

mozhand
質問者

補足

>「2つの熱源との間だけで熱のやりとりが行われる場合」という前提があるのを抜かしているのです。 やはりそうだったのですね.テキストを見ても,そういうことが書かれておらず,どんな可逆サイクルも最高温度と最低温度だけで熱効率が決まるのか…? という疑問が生じ,自作のサイクルCで計算した結果がどうも1-TL/THで得られる値より小さいので,質問させていただきました. 2つの熱源間ではたぶんどう考えてもカルノーサイクルしかないので,それ以外の可逆サイクルはすべて多熱源と熱をやり取りするので,熱効率は同じ最高温度,最低温度をもつカルノーサイクルよりも小さくなるのですね. ありがとうございました.

回答No.1

最後のご質問に答えればすむような気がします。 カルノーサイクルが最大効率という場合、最高温と最低温を同じにして比較します。 すると、TS線図でカルノーサイクルは長方形、一般のサイクルはそれに内接する曲線になります。 TS線図ではサイクルをあらわす上側の先で囲まれた面積がQH、下側の線で囲まれた面積がQLになりますので、 外接するカルノーサイクルは一般のサイクルに比べてQHがもっとも大きくQLがもっとも小さいので、効率が最大になります。 あと一点。 >質問2.以上よりサイクルCは可逆過程で, カルノーサイクルに分割できるのはサイクルCが可逆である場合のみです。 いくらカルノーサイクルを積み上げてもエントロピー生成は絶対に出ませんからね。

mozhand
質問者

補足

可逆過程であっても多熱源ならば,そのサイクル中における最高温度と最低温度がそれぞれTH,TLであっても,同じ最高温度,最低温度間のカルノーサイクルの効率1-TL/THよりは小さくなるんですね.これは,多熱源の場合,熱をもらうのが,最高温度のみならずそれ以下の低い温度で,かつ熱を捨てるのが最低温度の熱源にのみならず,どうしてもそれよりも高い熱源にも捨てなければならないから,熱効率が下がるという理解でよろしいですか.つまり,1-TL/THでは捨てる熱源の温度TLが低いほど効率が高くなりますが,常にTLに捨てるのではなくそれよりも高い熱源にも捨てるので平均をとれば熱を捨てる熱源は最低温度TLよりも高く,同じ理由で熱を得る熱源はTHよりも低いとみなせるので,効率が下がると思ったのですが. また, >カルノーサイクルに分割できるのはサイクルCが可逆である場合のみです。 とのことですが,カルノーサイクルをつなぎ合わせても可逆サイクルなのでエントロピー生成は生じず,したがってカルノーサイクルに分割できるのは可逆サイクルのみである,という主張はわかります.しかし一方で,私が書いたようにカルノーサイクルをつなぎ合わせて得られるからこそ可逆過程ということはできないのですか.つまり,可逆サイクル⇔微小なカルノーサイクルの組み合わせ の同値関係についてです. pv平面上に描けるということは,常に作動流体はいたるところで圧力分布,密度分布が生じていないということで,準静的過程でしょう.pv平面上に描けるサイクルは常に微小なカルノーサイクルの積分ですから,上記の同値性が言えれば,pv平面上に描けるすべてのサイクルは可逆ということになると思うのですが.

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