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ブラックホールからX線が出てくるのは本当?
- ブラックホールからX線が出てくるのは本当なのか、それとも嘘なのか疑問があります。
- 朝日新聞の報道によれば、国際宇宙ステーションと米国の衛星が観測した事実として、X線の発生源がブラックホールの中心だったと報じられています。
- しかし、一般的にはブラックホールからは電磁波さえも出てこないと考えられています。最新の宇宙物理学の解釈についてご教示いただけると幸いです。
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宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究本部など X線天文研究グループの見解 ・ブラックホールをX線で見る 光を出さないブラックホールをどうやって見ることができるのでしょうか。手がかりは「ものがブラックホールに落ちる」ことにあります。図1のようにブラックホールが普通の星と近接連星系をなしている場合、相手の星の外層大気がブラックホールの強い重力に引かれ、ブラックホールのまわりを少しずつ回転しながら落ち込んでいきます。このようにして形成されるガス円盤を「降着円盤」とよんでいます。ブラックホールの極めて強い重力のため、ガスは激しく回転し、膨大な摩擦熱によってこの円盤の中心近くではガスの温度は数百万度から1千万度にもなって、X線で明るく輝きます。このようなX線を観測することによって、ブラックホールを間接的に見ることができるのです。 ブラックホールと中性子星 X線はブラックホールを見つけるのに最適な手段ですが、一つ問題があります。ブラックホールと同様に、連星系をなしている中性子星も降着円盤からX線が放射されるのです。ではどうすればブラックホールと中性子星を区別できるのでしょうか。ブラックホールの方が中性子星にくらべて十倍近く重いため、伴星の運動に与える影響に違いがあります。ただし、この影響は観測が必ずしも容易ではないため、常に決め手になるわけではありません。別の違いとして、「中性子星には硬い表面があるけれども、ブラックホールにはない」ということがあります。中性子星では、表面につもったヘリウムがいっきに核融合爆発をおこし、X線で数十秒間明るくなることがあります。このような現象---X線バーストとよばれます---が観測されれば、ブラックホールではなく中性子星であると結論できます。ただ、X線バーストを起こさない中性子星もあるので、X線バーストが起きないからといってブラックホールの決め手にはなりません。決め手は観測されるX線スペクトルにあります。X線スペクトルに、硬い表面からのX線放射があるかどうかを調べるのです。 ガスがたくさん落ちるとき(明るい時) 中心天体がブラックホールでも中性子星でも、相手の星からたくさんのガスが落ち込んでくる場合は降着円盤のガス密度が十分に濃くなり(図2b)、温度に応じた光を出します。円盤の温度は中心に近づくほど高温になるため、さまざまな温度に対応するX線がまざって観測されます。この「いろいろな温度のX線放射がまざったスペクトル」が降着円盤のスペクトルの特徴で、ブラックホールでも中性子星でも共通に見られます。 「表面の有無」による違いは、降着円盤からのX線放射よりさらに高いエネルギーを見た時に現れます。中性子星の場合、最後にはガスが勢いよく中性子星の表面にぶつかります。その結果、中性子星表面は降着円盤よりも2倍ほど高い温度のX線を出します。一方、中心天体がブラックホールの場合、落ちてきたガスはそのままブラックホールに吸い込まれ、高い温度のX線は出てきません。このように、X線スペクトルを詳細に解析することで両者を区別することが可能になりました。これは「てんま」や「ぎんが」といった日本の歴代のX線天文衛星による大きな成果です。 http://www.astro.isas.ac.jp/xjapan/asca/3/bhxray/
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- isa-98
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ブラックホールはその質量の50%をエネルギーに変換して放出します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E9%8A%80%E6%B2%B3%E6%A0%B8 その為、その変換装置自体をブラックホールと総称する場合があります。 認識出来る部分と認識出来ない部分を客観的に分析する必要があります。 アメリカは直接目で見る事は出来ませんし、触る事は出来ません。 しかし実存します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%9D%E6%9D%BE%E3%81%8F%E3%82%93#.E3.82.A4.E3.83.A4.E3.83.9F 良くも書いた物で、(^^; お量子が、おホーキングが。 と洋帰りが専門用語を並び立て 実際は理解には程遠い人物が新聞や文章を書いているのが実情でしょう。
お礼
回答ありがとうございます。 「降着円盤は、質量を非常に効率よくエネルギーに変換する「エンジン」であり、物質が持つ全質量の約50%をエネルギーに変換できる。これは核融合が数%であるのに比べて非常に効率的である。」 降着円盤を含めたブラックホールと言うことがあるのですね。
- Tacosan
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もちろん「ブラックホール」から何かが出ることはないわけですが, こういう場合は慣例として「ブラックホールから出る」という表現をします.
お礼
回答ありがとうございます。 言葉の綾ですか。
- 雪中庵(@psytex)
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ブラックホールが発する輻射には、2種類あります。 1つは、ホーキングが唱えた、量子的な対発生-対消滅の くり返しにおいて、ブラックホールのシュバルツシルト境界 では、一方がブラックホール内に落ち込むことで、対の片方 が輻射として飛び出して輻射となる、というもの。 もう1つは(おそらく今回の場合に該当する)、ブラックホール に限らず、重力によって引き付けられた星間物質の粒子が、 互いに影響しあって曲げられ、ぶつかる時に発生する輻射は、 ブラックホールの強大な重力ポテンシャルのエネルギーへの 変換において、X線になります。 これらについて、一般的に「ブラックホールを観察する」と称し ており、必ずしもシュバルツシルト境界からがブラックホール であるという定義は成り立っていないようです。 つまり、ご質問にある「ブラックホール(シュバルツシルト半径)」 という言葉に含まれている定義が、必ずしもコンセンサスを得て いないようです。 また、最初に挙げた「シュバルツシルト境界での対発生から 放出された輻射が、境界内への輻射と対を成す」=ブラック ホール内への作用の観察になる、とする説もありますが、 これとてあくまで情報理論の話で、「シュバルツシルト境界内 から出ている」とは言い難いものです。
お礼
回答ありがとうございます。 今回X線の話ですが、ブラックホール周辺の物質からの可視光線が観測されることがあるかもしれませんね。
- sailor
- ベストアンサー率46% (1954/4186)
確かにブラックホールの中に入ってしまえば何者も出てくることはありませんが、ブラックホールに落ち込む直前に、強烈な重力のためにすべての物質が崩壊していきます。このときに非常に強いX線などが放出されます。まだ、ブラックホールの内部ではないので、放出されたXは検知することができます。この境目を事象の地平線とかシュヴァルツシュド半径とか呼びます。この内側に入ってしまえば、外界からはいかなる手段を使っても検知することはできなくなります。 まぁ、落ち込む寸前の断末魔の姿が見えるということです。
お礼
回答ありがとうございます。 「ブラックホールの方からX線が出ています。」 「消防署の方から来ました」という消火器のセールマンが居ったそうですが、それと似た話ですね。
- Wr5
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>天下の朝日新聞が「X線がブラックホールから出てくると」仰る。 新聞記事なんてそんなモンです。 ブラックホールの周りできる降着円盤から落ち込む際にエネルギーを得て、ブラックホール(事象の地平面)をかすめた場合にジェットとして飛んでいく。 という仮説があったかと。(わりと有力な仮説…かと。現場で確認できないので結局「仮説」なんですが……) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88 http://homepage3.nifty.com/iromono/kougi/ningen/node69.html http://earth38moon.blog115.fc2.com/blog-entry-1959.html などなど…。
お礼
回答ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。 ブラックホールから出るのではなく、膠着円盤から出ているX線を観測し、そのX線源の中心に巨大な質量があると判断されているのですね。