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ブラックホールの形状について
- ブラックホールの形状についての一般的な回答をご紹介します。
- ブラックホールの内部を観測する方法や、見た目に降着円盤がないブラックホールについても検討しています。
- また、ブラックホールの移動やフライ・バイ(スイング・バイ)の利用についても考えてみましょう。
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おもしろそうなご質問ですね。では私の知っている範囲についてお答えさせていただきます。 >ブラックホールの形状 回転がなければシュヴァルツシルト解となります。これは数学的には球状となります。ただ巨大恒星がブラックホールになった場合は、回転がないことはまず考えられません。ブラックホールが回転する場合はカー解となり、#4様がおっしゃられているとおり、回転楕円体になります。(カー解の場合、あまりも回転速度が光速度に近い速度になると、事象の地平線がなくなって、リング上の裸の特異点のみになります。) ただ、数学的にはブラックホールの形状は回転楕円体になりますが、これを私達の座標系から観測すると、そのあまりにも強大な重力のため周囲の時空を歪めるため、わたしたちにはいびつな形にみえます。 降着円盤研究の第一人者の福井大阪教育大学教授のHPをご参考までにはりつけてみます。ここのバナーの左の絵がブラックホールの絵です。 http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue/09fukue.htm 余談ですが、福井氏のHPはたいへんおもしろいですよ。私はこのHPを見たときパソコンの前で大笑いしました。 >ブラックホールの中身を観測する方法 残念ながら観測はできないですね。ただ、前述したように、回転速度が光速度に近い状態のカー解では、事象の地平線が消えて「裸の特異点」があらわれますので、「事象の地平線の向こう側」という意味とは異なりますが、「裸の特異点」近傍の不思議な光景が観測できる可能性があります。もっとも「裸の特異点は存在しない」という宇宙検閲官仮説もありますので、なんともいえませんが。 >降着円盤がないブラックホールは存在する(観測されている)のか 既に何人かがお答えされているように、降着円盤からでているX線をもとにしてブラックホールを観測したといっています。ご存じの通り、降着円盤は、きわめて接近した二重星(近接連星)のうちのブラックホールになっていない片一方のガスが、ブラックホールに吸い寄せられて、その周囲を高速で回転しているというものです。 恒星の中には二重星であっても離れているものもありますし、単独で存在している星もあります。でもこの星たちも当然一定以上の質量があれば必然的にブラックホールになります。しかし、このようなブラックホールは近くに大量にガスを供給する恒星がなく、降着円盤ができません。 したがってお答えとしては、存在はしますが観測は難しいということになります。 >ブラックホールが移動をはじめると、降着円盤の形状はどうなるのか? 等速度運動をしている場合は変化はありません。加速度運動をする場合は「ひきづられる」形にはなます。 >フライ・バイのために利用することは可能か ブラックホールは当然引力をもっていますから可能です。ただ、強烈なX線をだしていますので(白鳥座X1は、あのおおきな面積の白鳥座の中で一番強いX線をだしているのですから)、生物はもちろん、まともに機械が動くとは考えられませんね。
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- Tacosan
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あ~, 「エルゴ領域」は事象の地平線の外ですよ. 何をどう頑張っても「その場にとどまる」ことができないだけであって, 光を外向きに出せば (ブラックホールを周回しながら) 外に出すことができます.
お礼
>「エルゴ領域」は事象の地平線の外ですよ おや、そうでしたか。これは大変失礼しました。 Tacosan さんのご回答内容を見ながら「エルゴ球」について調べていたら、 Wiki に「エルゴ球が事象の地平線よりも外にある場合、…」とあったので、 勝手に「え~!?エルゴ球ってシュバルツシルト面の内部にも出来るのか??」と 早合点してしまった次第です。申し訳ないです m(_ _)m 。 ※まだしっかり「エルゴ球」について、理解できていないフシもありです…。
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
適当に.... まず, 回転しているブラックホールについては「カー・ブラックホール」というのを引いてもらえるとよいかと. 回転していないシュバルツシルト解は単純なんですが, 回転しているとあやしいことになったりします. 「エルゴ領域」とかいう変な空間が生まれます. あと, #1 の補足のところにある「ジェット」というのはブラックホールの「中」から出てくるものではありません. あくまで「ブラックホールに落ち込まなかった降着円盤の一部」です. もちろん, このジェットが役に立たないということではないですが. 関連していうと, 「降着円盤のないブラックホール」は目に見えるものをほとんど出さないので見にくいはずです. 偶然重力レンズ効果が見えたりすればラッキー. なお余談でが, ブラックホールというかシュバルツシルト半径内の平均密度はブラックホールの質量の 2乗に反比例するので, 必ずしも「ブラックホールだから高密度」ということではありません. 例えば, 1兆太陽質量のブラックホールだとシュバルツシルト半径は 3兆 km になり, その平均密度は地球のおよそ 6倍 (つまり 33 g/cm^3) です. さらに質量を 10倍にすると 10兆太陽質量でシュバルツシルト半径は 30兆 km, 平均密度はなんと地球の 0.06倍 (0.33 g/cm^3) 程度になってしまいます. 幸か不幸か, そんな巨大なブラックホールは観測にかかってませんが.
お礼
ご回答ありがとうございます。 >カー・ブラックホール エルゴ球については「三本毛」を調べている時に発見しました^^; カー/カー・ニューマン解で得られる楕円の領域ですかね(間違ってたらすみません)。 このエルゴ球がブラックホールの正体なんでしょうか。ただ、文面を見てみると「シュバルツ シルト面より内側にこの楕円ができることがある」みたいなことが記述がありました。 確かにややこしいそうですね。論理上、光速以上で運動していないといけないが、物理上では ありえない…う~ん。 宇宙は広大ですね(と自分のアホさ下限をごまかしてみる^^;) でも、実際にはカー/カー・ニューマン解のブラックホールの方が多いんですよね。というか、 シュバルトシルツ面から中が見えないから「このブラックホールは~解に相当する」とは言え ないんでしょうね。 >「ジェット」というのはブラックホールの「中」から出てくるものではありません. あくまで 「ブラックホールに落ち込まなかった降着円盤の一部」です なるほど、ブラックホールに吸い込まれずに逃れたエネルギー(原子?素粒子?)なんですね。 勉強になります。 ということは、ジェットが存在しないブラックホールもあるんですね。 >ブラックホールというかシュバルツシルト半径内の平均密度はブラックホールの質量の 2乗に 反比例するので, 必ずしも「ブラックホールだから高密度」ということではありません. みたいですね。銀河(天の川銀河含む)の中心にあるとされる「超巨大ブラックホール」は 恒星質量/中間質量ブラックホールに比べてスカスカだと。 確かそこには式も載っていましたが、チンプンカンプンなのでサラっと…。 ※なので質問には「中間質量ブラックホール」とさせて頂いた次第です。 <大変勉強になりました> 私の様なズブの素人でも、有志のご協力が得られれば、これぐらいは調べられるので、近代SF での画像表現は、もう少しがんばって欲しい所です。 あれじゃただの「鳴門の渦潮」だ…
- Tacosan
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ブラックホールの物性について, 質量の違いが特に影響することはないんじゃないかなぁ.... 1: 回転していなければ球形になるはず. 回転してると「回転楕円面」かな. 2: 「ブラックホールの中身」を「シュバルツシルト半径内」と解釈すれば, 「外部から」観測する方法は存在しない. 既に解答のある通り. 3: 理論的には当然存在しうるが観測しにくい. 4: 後ろになびくと思う. 5: 可能.
お礼
素早い回答有難う御座います。 ※しかしこのサーバー、なんかオカシイですよね。 なぜ同じ回答がコピーされてしまうのか…。 >1: 回転していなければ球形になるはず. 回転してると「回転楕円面」かな なるほど。わたしも回転(自転)していると思います。楕円面となるとどんな もんでしょうね(自転している限り、真円はないとは思います)。 目で見てひしゃげる程にはならないでしょうね^^;。 >2: 「ブラックホールの中身」を「シュバルツシルト半径内」と解釈すれば, 「外部から」観測する方法は存在しない. 既に解答のある通り. ですかね。 ANo.1 の「補足」に記述した「出てくるモノ」で推測するしかないんでしょう ね。 >3: 理論的には当然存在しうるが観測しにくい ですかね。ありがとうございます。観測するには、ブラックホールが発生して から、もっと時間がたたないとムリでしょうね。 降着円盤がどれぐらいの勢いでシュバルツシルト半径に落ち込んでいくかが 観測できれば、その現象が確認できる時期は計算できるでしょうけど。 >4: 後ろになびくと思う. なるほど、ありがとうございます。 どんな感じになるんでしょうね。私的には ANo.1 「補足」に書いた形状に なるとは思います。彗星の様な尾は引かないと思います。 >5: 可能. なるほど、有難う御座います。 私の意見は、ANo.2「補足」の通りです。どんなもんでしょうか。
- Tacosan
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ブラックホールの物性について, 質量の違いが特に影響することはないんじゃないかなぁ.... 1: 回転していなければ球形になるはず. 回転してると「回転楕円面」かな. 2: 「ブラックホールの中身」を「シュバルツシルト半径内」と解釈すれば, 「外部から」観測する方法は存在しない. 既に解答のある通り. 3: 理論的には当然存在しうるが観測しにくい. 4: 後ろになびくと思う. 5: 可能.
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
ブラックホールの物性について, 質量の違いが特に影響することはないんじゃないかなぁ.... 1: 回転していなければ球形になるはず. 回転してると「回転楕円面」かな. 2: 「ブラックホールの中身」を「シュバルツシルト半径内」と解釈すれば, 「外部から」観測する方法は存在しない. 既に解答のある通り. 3: 理論的には当然存在しうるが観測しにくい. 4: 後ろになびくと思う. 5: 可能.
- ziv
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専門家じゃないんで思いつく範囲で 1)ブラックホール本体は、ただの高密度な天体です、シュバルトシルツ半径とかじゃ有りません なので、おそらくもっとも安定な球形だと思うんですよ。 2)観測する方法はあります、普通にBHに突入すれば良いだけ 宇宙はすべて相対で決まりますので、シュバルトシルツ半径を超えても自身には高重力以外は かからないといわれている、でも光はBHからは来ないので直接BHに触れるまでいかないといけないが そこまで近づいたら無事ではいられないと思うし、たとえ観測できても誰かに伝えるすべがないw 3)宇宙は相対なので停止と言う概念がおかしい、Aに対して変動しないBと言うことになるので 観測者がどこの立場かで変わってしまうかと 4)普通にスイングバイには利用可能でしょう、シュバルトシルツ半径を超えなければ 普通の惑星と利用にはなんら違いはないかと。
お礼
素早いご回答、有難う御座います。 >1)ブラックホール本体は、ただの高密度な天体です なるほど、「シュバルトシルツ半径」は単に物質が光速で運動していても抜け 出せなくなる半径のことを言うのですね(もしかしてこれも違う?)。 ありがとうございます。 >2)観測する方法はあります おお、そうなんですか。「三本毛」の「質量」だけが作用するんですね。しかし、 おっしゃる通り、凄まじい質量と密度(「密度」に関しては情報の出所はいいかげん です」)ので、帰ってこれないでしょうね。 ※「三本毛」も、論理で言われているだけで、観測して確固たる証拠があるもので はない、と聞いています(なにせ、中身が見えないので)。 >3)宇宙は相対なので停止と言う概念がおかしい 例えが悪かったですかね。 Aという人がBというボール(←がブラックホール)を持っていて、Aの人は移動 せずにBを投げた場合、といった感じです(余計に判りにくいか><。ニホンゴッテ ムズカシイネ)。 ※Aの人は見た目止まっていますが、実際には地球上にいるから動いているワケですが >4)普通にスイングバイには利用可能でしょう ふむふむ。なるほど。了解しました。
補足
>4)普通にスイングバイには利用可能でしょう この件は、ANo.1 さんのお礼に書いた「ブラックホールまでの宇宙旅行」を 除いた場合ですよね^^; 私もスイング・バイ(フライ・バイ)自体は可能だと考えます。ただ、降着円盤に 突入するほど接近してのフライ・バイは難しいのではないかと考えます。 まぁこれも、ブラックホール自体の質量にもよるんでしょうけど…。
今の科学力では、予想は出来ても確実な正解は答えれない質問ばかりですよね? 予想も交えた議論がしたいのだと判断すると私の答えは以下の通り。 1)基本は球じゃないかな。 2)科学が進んでもムリだと思う。 3)観測されたと言うのは聞いたことが無いし無いんじゃないかな。 4)歪むんじゃない? 5)科学が進んでもムリだと思う。太陽系から出る前に人類は滅ぶと思う。 未来のことは誰もわからないけど、少なくとも私やアナタの寿命のきれる前に 真実が解明はされないと思っています。
お礼
素早いご回答、ありがとう御座います。 >1)基本は球じゃないかな。 私も基本、その様に思えます。力学的?に一番安定した形状ですしね。 >2)科学が進んでもムリだと思う。 なるほど。了解です。 >3)観測されたと言うのは聞いたことが無いし無いんじゃないかな。 ブラックホール(又はそれに順ずると思われる天体)のサンプル数が 絶対的に不足しているのと、その天体が遠いこともあり、観測できな いんでしょうね(一番近い天体の「月」ですらナゾだらけですしねぇ)。 >4)歪むんじゃない? なるほど、了解しました。 5>科学が進んでもムリだと思う。 要するに、ブラックホール近辺に接近することができないので、 フライ・バイどころの話ではない、ということですね ^^; >未来のことは誰もわからないけど、少なくとも私やアナタの寿命のきれる前に >真実が解明はされないと思っています。 そうですね、解明は難しいでしょうね。墓場までモヤモヤを持って入ります。
補足
>今の科学力では、予想は出来ても確実な正解は答えれない質問ばかりですよね? そうですね。今まで確認されている事象と、論理で説明されている範囲を基本に ご回答者のお考えをお聞かせ願えれば、と考えています。 >2)科学が進んでもムリだと思う。 私が聞いたいいかげんな情報によると、ブラックホールから「出てくる」モノ があるそうで(南北両極からジェットが噴出している「らしい」)、これで 何がしかが判ったりはしないでしょうか。 ※「論理的に見て、宇宙ジェットがでている」となると、微妙ですが、観測 結果でジェットが出ていることが確認できれば、ジェットの組成成分から 少しは導き出せるのかな? >4)歪むんじゃない? わたしも、歪むと思います。ただ「どの様な形状に歪むか」が知りたかった所です。 麦藁帽子(真ん中の頭に接する突起部分がブラックホールで、フチの部分が降着円 盤)形になるかなぁ、と。まぁ、それもブラックホールが降着円盤を生成させた地 点からの速度によっても変形度合いは変わると思います。 「お礼」の「5)」の補足ですが「ブラックホール近辺に接近することができない」は 地球から宇宙旅行してブラックホール近辺に接近することができない、という意味 です。
お礼
お礼が遅れまして、申し訳ありません。 >降着円盤研究の第一人者の福井大阪教育大学教授のHPをご参考までにはりつけてみます。 ブラックホールについて調べている時に発見しました。 ただ、パっと見た目「素人っぽいHPやな~」と思って、サラっと流してしまいました。 でも、satoumasaru さんの言う通り、中身はかなり濃いですね。大変失礼しました~。 HP家主さんの弟子(学芸員さん?)がおられる科学館が、下名の家の近くにありますので そのうち訪ねたいかと思います。 >>ブラックホールの中身を観測する方法 >残念ながら観測はできないですね。 やっぱりそうですか。 ベテルギウスあたりが超新星爆発して(人間のタイムスケールで近々弾けそう?)ブラックホールに なれば、観測しやすくなるんでしょうかね。まぁ、中身については、やっぱり観測不可である 可能性は大ですけどね。 「裸の特異点」については、どうなんでしょう、シュバルトシルツ面が、光速の99.99%で自転 しないと現れない(はて、これはどこで見たんだろうか)?となると、本当に「論理」だけで 終わってしまいそうですね。 >>降着円盤がないブラックホールは存在する(観測されている)のか >降着円盤は、きわめて接近した二重星(近接連星)のうちのブラックホールになっていない片一方の >ガスが、ブラックホールに吸い寄せられて、その周囲を高速で回転しているというものです。 なるほど。降着円盤は伴星の恒星があって始めて形成されるのですね。 てっきり超新星爆発残骸が要因だと思っていました。勉強になります。初めから降着円盤が無い ブラックホールが存在するとは… >>ブラックホールが移動をはじめると、降着円盤の形状はどうなるのか? >加速度運動をする場合は「ひきづられる」形にはなります。 なるほど。ということは、加速度がなくなった時点で降着円盤の形状は、元の形状に戻るんでしょうね。 >>フライ・バイのために利用することは可能か >ブラックホールは当然引力をもっていますから可能です。ただ、強烈なX線をだしていますので、 >生物はもちろん、まともに機械が動くとは考えられませんね。 なるほど。一応「可能」なワケですね。X線さえなんとかすれば…。 フライ・バイが可能な(有効な)引力の範囲に入った時に、恒星規模が出すX線に対して、シールドを 人工的に生成するのは、恐らくムリでしょうね^^; <色々とご意見、有難うございました>
補足
satoumasaru さんの補足を借りて、皆様にお礼を申し上げます。 お忙しいところ、時間を割きご回答いただきまして、大変勉強になりました。 本来であれば、みなさんを「ベストアンサー」とさせて頂きたいところですが、 このQ&A、HPの機能上の制約のため、satoumasaru さんをベストアンサー とさせて頂きます。 今回は、私のくだらない質問に、真摯に答えて頂き、誠に有難うございました。 またなにかあれば、皆様のご意見を求める機会があると存じますので、これに懲りず またご協力頂ければ幸いです。 重ね々々、有難うございました。