アイルランド・ゲール語使いです。英語カテでの質問で
アイルランド語側からの見方は不要かもしれませんが。
アイルランド語系の姓をいくつか例示します。
(英語化した姓 - 元のアイルランド姓)
O'Keefi - Ó Caoimh
(O')Kennedy - Ó Cinnéide
MacDonald - Mac Dónaill
McCartney - Mac Cartaine
O の後の apostrophe は何も省略してません。
ó は、元々アイルランド語の前置詞で、英語の of, from に
相当するものです。だから、of → O' の略と誤解する人も
います。フランス語の de (例 de Gaulle ド・ゴール) や
ドイツ語の von (例 von Braun フォン・ブラウン) のように
of, from 相当の前置詞が姓の一部に使われてます。
(日本語の「たいらの」「みなもとの」の「の」も近いかも。)
一方 mac (意味:息子) が姓の一部になっても apostrophe を
使いません。
(Mac~は スコットランド系、Mc~は アイルランド系が多い。)
(Mc~は a の表記を省略しているが apostrophe を使ってない。)
apostrophe は、O が一文字だから2語の縮合を示すためか、
元のアイルランド語の o の上の記号が転化したものでしょう。
of → O' の略と誤解のまま英語で定着の可能性もありますが。
質問者
お礼
拝読しました。
このご回答は私にとっては「猫に小判」というべきか「豚(児)に真珠」というべきかですが、英語に堪能な方々にとって実に貴重なのだと直感します。
1.>>O の後の apostrophe は何も省略してません。<<
2.>>apostrophe は、O が一文字だから2語の縮合を示すためか、
元のアイルランド語の o の上の記号が転化したものでしょう。
of → O' の略と誤解のまま英語で定着の可能性もありますが。<<
1、2のご意見は良く分かりました。NO.1のお礼欄の記述は訂正しないといけない気分になってきました。
視点に欠陥が有るかもしれない遣り取りに高みの見物を決め込まず、寄稿して下さったことに感謝しています。外来語が取り込まれたとき、英語として何処まで純化しているかの判断の問題なのかなと思いました。
それにしてもこの国では全くどんな分野にも専門家がいるものだと改めて感心します。手元に東京外大編の『世界の言語ガイドブック』が(一時的に)あります。これにアイルランド語の章はありません。アイルランド語なんてないものだと思っていました。畏れ入りました。
有り難うございました。
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これまでのご回答によって疑問はほぼ解決しました。しかし、私の読解力に従えばNO.1からNO.4には細部で相違があるように感じます。
どんなに早くても20日(月)7時以前には締め切らずにおきます。何方様なりとご意見があればお寄せ下さいませ(6/19、6時記)。
質問者
補足
締め切るにあたって
その後、ご回答に触発されて『ゲール語会話』なる簡便な書物を手にしました。ゲ―ル語のアルファベットには「O fada」なる単母音があることを知りました。
ご回答中にある >>元のアイルランド語の o の上の記号が転化したものでしょう。<< の意味が分かった気がします。しかし、これも生兵法ならぬ生病法かも知れません。
ゲ―ル語由来の人名に「O’」があるのなら「A’」、「E’」、「I’」、「U’」もあるのか、ないのか。ドイツ語由来の人名に「A”」、「O”」、「U”」が用いられていても不思議はない理屈になるが実際はどうなのか。興味が湧きますが、一時の感想に終わってしまうのが怠け者の哀しいところです。
皆様、お世話になりました。
#2です。訂正とお詫びです。
ハロウィーンの時のカボチャの提灯を jack o'lantern と言いますので of 略かと思いましたが、これは間違いでした。インド・ヨーロッパ語に遡ると apo 「離れて」「遠くへ」です。
アイルランドの O' の起源は「~の後裔」という意味で、アイルランド語の o (上に横棒)「孫息子」「子孫」に由来し、古アイルランド語 aue、さらにはインド・ヨーロッパ語の awo 「父親以外の成人男子親族」に遡ると The American Heritage Dictionary (とくに Calvert Watkins の付録)にあります。
訂正して、お詫び申し上げます。
ジョージア・オキーフは1986年に99歳でなくなりました。オキーフの苗字はアイルランド系の父の名で、ジョージアは、ハンガリー系の母方の祖父、ジョージ・トットの名をもらって女性形のジョージアにしたものです。
父の名を息子に付ける習慣は「父称」と言って、ドイツ系ならメンデルスゾーンのように -sohn 「息子」、北欧系ならエリックソンとかイェンセンのように-son あるいは-sen「息子」、などと後ろについたり、フランス系のフィッツジェラルドのように fils-「息子」が前につきます。ケルト系ではスコットランド人の間ではマッカーサーのように Mac がつきますが、アイルランド系の人には、オキーフのように O' が多いです。
他の文化での「父称」については下記を
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%88%B6%E7%A7%B0
ケルトの歴史や分布については、下記をご覧下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%88%E7%B3%BB
僕の考えでは o' は、単なる of の「略」だと思います。
お礼
拝読しました。 このご回答は私にとっては「猫に小判」というべきか「豚(児)に真珠」というべきかですが、英語に堪能な方々にとって実に貴重なのだと直感します。 1.>>O の後の apostrophe は何も省略してません。<< 2.>>apostrophe は、O が一文字だから2語の縮合を示すためか、 元のアイルランド語の o の上の記号が転化したものでしょう。 of → O' の略と誤解のまま英語で定着の可能性もありますが。<< 1、2のご意見は良く分かりました。NO.1のお礼欄の記述は訂正しないといけない気分になってきました。 視点に欠陥が有るかもしれない遣り取りに高みの見物を決め込まず、寄稿して下さったことに感謝しています。外来語が取り込まれたとき、英語として何処まで純化しているかの判断の問題なのかなと思いました。 それにしてもこの国では全くどんな分野にも専門家がいるものだと改めて感心します。手元に東京外大編の『世界の言語ガイドブック』が(一時的に)あります。これにアイルランド語の章はありません。アイルランド語なんてないものだと思っていました。畏れ入りました。 有り難うございました。 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これまでのご回答によって疑問はほぼ解決しました。しかし、私の読解力に従えばNO.1からNO.4には細部で相違があるように感じます。 どんなに早くても20日(月)7時以前には締め切らずにおきます。何方様なりとご意見があればお寄せ下さいませ(6/19、6時記)。
補足
締め切るにあたって その後、ご回答に触発されて『ゲール語会話』なる簡便な書物を手にしました。ゲ―ル語のアルファベットには「O fada」なる単母音があることを知りました。 ご回答中にある >>元のアイルランド語の o の上の記号が転化したものでしょう。<< の意味が分かった気がします。しかし、これも生兵法ならぬ生病法かも知れません。 ゲ―ル語由来の人名に「O’」があるのなら「A’」、「E’」、「I’」、「U’」もあるのか、ないのか。ドイツ語由来の人名に「A”」、「O”」、「U”」が用いられていても不思議はない理屈になるが実際はどうなのか。興味が湧きますが、一時の感想に終わってしまうのが怠け者の哀しいところです。 皆様、お世話になりました。