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半減期の式の解釈について
Wikipediaによると半減期の式は、-(dN/dt)=λN となります。 ここでNはその時点で残存する原子数、λは固有の定数で、これを私なりに解釈すると ある微小時間dtで崩壊する原子数dNは、その時点で残存する原子数に比例するという理解になります。 ここで質問です。 この式で示す「その時点で残存する原子数N」というのは空間的にどの位の範囲で成り立つのでしょうか? 1.その原子が(球状に?)密着している場合 2.その原子が他の同位体と一定の割合で均等に混在している場合 3.その原子が単体で地球の体積中に均等に分散している場合 4..もっと広い範囲に単体で分散している場合 1は何となく成り立つ様に思えます。では、2、3や4の場合にも成り立つのでしょうか? 素人の素朴な疑問です、よろしければご回答お願いいたします。
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-dN/dt = λN …(*) の式が成り立つための前提条件は ・Nは単一核種の原子の個数であり,複数の核種の原子の個数ではない. ・着目している核種が生成されるようなことが起こらない(例えば,ジェネレータのように,着目している核種の親核種が存在している系とかではないということ). ・Nは十分大きな数であること. ぐらいでしょうか.これらを満たしていれば,着目している核種の原子がどのような形で存在していても(空間的に近かろうが遠かろうが,均等だろうが不均等だろうが)成り立つはずです. なので, > 1.その原子が(球状に?)密着している場合 > 2.その原子が他の同位体と一定の割合で均等に混在している場合 > 3.その原子が単体で地球の体積中に均等に分散している場合 > 4..もっと広い範囲に単体で分散している場合 については, 1は,その原子が球状に密着しているとして,その球状の集団に,その核種の原子を供給できるような親核種が存在しない系であればOKでしょう. 2は,他の同位体と混在していても,その同位体に着目している核種の親核種が存在していなければ,Nとしてちゃんと着目している核種のみをカウントするのであればOKでしょう. 3は,「地球の体積中」という巨大な系であっても,着目している核種の親核種が存在したり,着目している核種が生成されるような核反応が起こらないのであればOKなのですが,実際には,その核種が地球上に存在しているのであれば,何らかの形でその核種が生成されているのでしょうから,NGである可能性が大きいと思います. 4は,3と同じです. なんでこういうことになるのかというと,(*)の式を変形すると, λ dt = -dN/N となります.-dNは,短い時間dtの間に壊変した原子数であり(Nが増加するときdN > 0という約束なので,今のように,壊変によってNが減少するなら -dN > 0),この短い時間においてNの変化は無視できるほど小さいので,-dN/Nは「全体の個数N個のうち壊変した個数 -dN 個の割合」を表します.それがλ dtで表されるということは「λは単位時間に壊変する確率」を表し,それが一定だということは,「単位時間に壊変する確率が一定」ということです.ところが原子数Nは時間とともに減少しますから,単位時間に壊変する確率が同じでも,壊変する個数は,総数Nの減少に伴って,減少します.以上のことは原子同士の相互作用とかによる結論ではなく,「1個1個の原子がいつ壊変するのかはわからないが,その原子がたくさんあったら,1秒間当たりにλの割合だけ壊変するんだろう」という程度のことをいっているだけであり,(*)はその程度の意味しか持たないんです(というとこの式を侮辱してるみたいですけど,この式は非常に重要な式ではあります). ですので,この回答の冒頭に述べた条件が満たされていれば,その原子の集団がどのような形で存在しようと(*)の式は使えるはずです.
お礼
> 以上のことは原子同士の相互作用とかによる結論ではなく,「1個1個の原子がいつ壊変するのかはわからないが,その原子がたくさんあったら,1秒間当たりにλの割合だけ壊変するんだろう」という程度のことをいっているだけであり,(*)はその程度の意味しか持たないんです 件の式にNが入っているので、崩壊の速度は周囲の同じ原子の影響によるのではないかと考え、その影響を及ぼす距離はどの程度なのだろうと疑問に思い質問したのですが、実際は周囲の同じ原子の影響は考慮しなくても良いということですね。 これで、すっきりしました。 詳細なご説明をありがとうございました。