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放射性同位元素
放射性同位元素が限りなく放射能を排出し尽くしたらどうなるのですか? 放射性ヨウ素の場合、ただのヨウ素になってしまうとか、計測不能であっても同位番号は変わらないとか? 後者の場合とすると、放射能の高いものと計測不能なものとの区別は?
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回答番号:ANo.3です。 >放射性ヨウ素の場合、ただのヨウ素になってしまうとか、 放射性ヨウ素にも色々あります。 その代表的なものは、ヨウ素121、ヨウ素123、ヨウ素125、ヨウ素126、ヨウ素128、ヨウ素129、ヨウ素130、ヨウ素131、ヨウ素132、ヨウ素133、等です。 ヨウ素121は、半減期2.12時間で、軌道電子捕獲するか、或いは陽電子を放出する事で、γ線を放出し、放射性のテルル121に変わります。 テルル121は、半減期16.78日で、軌道電子捕獲する事でγ線を放出し、安定なアンチモン121に変わります。 ヨウ素123は、半減期13.27時間で、軌道電子捕獲する事でγ線を放出し、放射性のテルル123mに変わります。 テルル123mは、半減期119.7日でγ線を放出し、安定なテルル123に変わります。 ヨウ素124は、半減期4.18日で、軌道電子捕獲するか、或いは陽電子を放出する事で、γ線を放出し、安定なテルル124に変わります。 ヨウ素125は、半減期年59.40日で、軌道電子捕獲する事でγ線を放出し、放射性のテルル125mに変わります。 テルル125mは、半減期57.40日でγ線を放出し、安定なテルル125に変わります。 ヨウ素126は、半減期13.11日で、軌道電子捕獲するか陽電子放出をする事で、γ線を放出して、安定なテルル126に変わるか、或いはβ線とγ線を放出する事で、安定なキセノン126に変わります。 ヨウ素128は、半減期22.99分で、軌道電子捕獲するか陽電子放出をする事で、γ線を放出して、安定なテルル128に変わるか、或いはβ線とγ線を放出する事で、安定なキセノン128に変わります。 ヨウ素129は、半減期1570万年で、β線とγ線を放出し、安定なキセノン129に変わります。 ヨウ素130は、半減期12.36時間で、β線とγ線を放出し、安定なキセノン130に変わります。 ヨウ素131は、半減期8.021日で、β線とγ線を放出し、放射性のキセノン131mに変わります。 キセノン131mは、半減期11.84日でγ線を放出し、安定なキセノン131に変わります。 ヨウ素132は、半減期20.8時間で、β線とγ線を放出し、安定なキセノン132に変わります。 ヨウ素133は、半減期2.19日で、β線とγ線を放出し、放射性のキセノン133mに変わります。 キセノン133mは、半減期2.19日でγ線を放出し、安定なキセノン133に変わります。 >放射能の高いものと計測不能なものとの区別は? 上記の様に、別の元素に変わる場合が多いため、その場合は全く別の物質ですから、区別する事が出来ます。 キセノン131mとキセノン131は放射線を出しているか否かで区別する事が出来ます。 キセノン131mとキセノン133mは、どちらもγ線を出しますが、出しているγ線のエネルギーが異なりますし、原子1個の質量が異なりますから、区別する事が出来ます。 安定な同位体同士は、原子1個の質量を比べる事で、区別する事が出来ます。
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- kagakusuki
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>放射性同位元素が限りなく放射能を排出し尽くしたらどうなるのですか? 最終的には放射能を持たない安定な物質に変わりますが、完全に無くなる迄には長い時間が掛かります。 例えば、ヨウ素131が放射線を出して、別の放射性物質であるキセノン131mに変わって行く場合には、最初の量が1グラムの場合には、ヨウ素131の原子が残り1個になるまで減るには、平均して577.2日かかります。(あくまでも平均値であり、残りの個数が少なくなると、誤差が極端に大きくなります) 又、上記の場合で、ヨウ素131とキセノン131mを合わせた放射性物質の原子が残り1個になるまで減るには、平均して871.3日程かかります。(此方の方の計算は、少々誤差があります) >計測不能であっても同位番号は変わらないとか? 「同位番号」という言葉は聞いた事がありませんが、もしかすると、「質量数」の事でしょうか? 質量数とは、1個の原子核中に含まれている陽子と中性子の数の合計を表す数です。(質量そのものの値ではありません) 放射線を出した際に、どの様な物質に変わるのかは、放出する放射線の種類や、放射線を出す方式によって変わります。 α線を放出する場合には、原子番号が2つ少ない元素で、元の放射性物質よりも質量数が4だけ少ない同位体に変わります。 β線を放出する場合には、原子番号が1つ多い元素で、元の放射性物質と質量数が同じ同位体に変わります。 γ線を放出する場合は複雑で、一見するとγ線しか出ていない様に見える場合でも、実際には違っている場合もあります。 γ線を放出する主な機構は幾つかあり、1つは、γ線だけを放出する場合で、この場合は、単にエネルギーを失って、放射線を出さなくなるだけで、別の物質に変わる事はありません。 2つ目は、原子核から陽電子が放出され、その陽電子が物質中に存在する電子と対消滅反応を起こして消滅する際に、電子と陽電子が持っていた質量が、エネルギーに転換され、そのエネルギーがγ線となる場合です。 この場合は、原子番号が1つ少ない元素で、元の放射性物質と質量数が同じ同位体に変わります。 3つ目は、軌道電子捕獲と言って、原子核の周りを回っている電子が、原子核に吸収される際に解放されたエネルギーが、γ線となって放出される場合で、この場合は、原子番号が1つ少ない元素で、元の放射性物質と質量数が同じ同位体に変わります。 この他に、放射線の粒子が別の原子の原子核に衝突し、そのエネルギーがγ線として放出される場合もありますが、これは放射性物質が放射線を出して別の物質に変わる事とは別の現象になります。
- Tacosan
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もちろん「通常の大気中でも放射線を放出して崩壊し、別の物質に変わってしま」います.
お礼
ご回答有難う御座いました。
- deltaforce_1
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基本的にいろいろな物質は、安定する方向に向かって進んでいきます。 放射性なのは、その物質が不安定な為、安定する方向に向かって進んでいる反応です 今回の放射性ヨウ素であれば、β崩壊で放射性のキセノン131になり 更にγ崩壊で安定したキセノンになります >計測不能 計測すると一言で言いましても、放射線が出ているという計測は可能ですが その物質が何であるかを分析するのは、物によって様々な方法を取らなければいけません 勿論一定量以下であれば検出できなかったりもします
補足
門外漢が頓珍漢な質問をしたみたいで御免なさい。 放射性物質は通常の大気中でも放射線を放出して崩壊し、別の物質に変わってしまうのでしょうか。
お礼
福島原発事故は素人でもおかしいなと思う取り組みや作業手順が眼につき、それらを専門の知人にぶつけたら週刊文春の記事を送ってくれ、その中にはその殆ど全てを説明する様なことが事細かに書かれており、水素爆発に至っては35年前から危険性を指摘されていたことで、日本だけが無視し続けて来たことであるとか、2台ずつ保有する予備電源が全て使用不能となった場合の問題点が何年も前から指摘されていたことであるとか驚嘆することばかりで、正に人災であることが分かりました。それに続いて対策手順の悪さが眼に付くばかりで嫌になる毎日ですね。結果としてまき散らされた放射性物質について、毎日報道が続きますが、遠く迄ばらまかれる放射性ヨウ素に付いては半減期が短いとか云われていても、素人にはその後ただのヨウ素になってしまえば気にする必要が無いとは思うけど、本当の所どうなんだろうと疑問が残る訳です。詳細なご説明を頂いた中から大抵の場合には電球に使われたりするキセノンの親戚の安定なキセノン同位体になるから安心らしいとか、ヨウ素129以外であれば大丈夫らしい、と至極雑な解釈をさせて頂き、取り敢えず安心致しました。 大変有難う御座いました。