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熱力学の質問です。
全く歯が立ちません。よろしくお願いします。 27度の理想気体1モルを等温的に100atmから1atmまで膨張させる。系、系外、並びその両者を合わせたものについて、膨張の際、(1)11,5kj の仕事がなされる、(2)7,32kjの仕事がなされる、(3)仕事がなされない、の各場合について、エントロピー変化、ヘルムホイツの自由エネルギー、ギブスの自由エネルギーを求めよ。各場合についての変化の可逆性に関し論ぜよ。
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(1)11.5x10^3 Jの仕事の場合 挙げられた最大の数字なので等温可逆膨張を仮定して計算して見ます。その時に気体がなす仕事は最初と最後の体積をそれぞれVi、Vfとして w=∫PdV=RT∫(1/V)dV=8.314*300*ln(Vf/Vi)...(1) となります。温度が一定ですから100x1.013x10^5*Vi=1.013x10^5*VfよりVf/Vi=100です。従って(1)は w=8.314*300*4.605=11.5x10^3 J...(2) です。つまりこの場合は等温可逆膨張で辻褄があいます。理想気体は内部エネルギーは温度のみに依存しますからΔU=q-w=0で、気体はwと同じ量の熱を外部から受け取ります。よってエントロピー変化は ΔS1=w/T=8.314*300*4.605/300=8.314*4.605=38.3 J/K...(3) となります。一方外部の熱だめはこの熱を供給しますのでエントロピー変化は ΔS2=-38.3 J/K...(4) となります。(3)と(4)を合わせればゼロになり全体ではエントロピー変化がゼロです。この場合は可逆変化を仮定しているので当然です。すでに述べたように理想気体で温度変化がありませんからΔU=0です。またH=U+PVですから ΔH=ΔU+Δ(PV)=ΔU+RΔT=0+0=0...(5) です。 F=U-TSより定温ではΔF=ΔU-TΔSです。 ΔF=0-300*38.3=-11.5x10^3 J G=H-TSより定温ではΔG=ΔH-TΔSです。 ΔG=0-300*38.3=-11.5x10^3 J です。 (3)次に分かり易い仕事をしない例(w=0)を扱います。始点と終点は同じですから、状態量変化に差はないはずです。 ΔS3=ΔS1=38.3 J/K...(6) ΔU=ΔH=0 ΔF=ΔG=-11.5x10^3 J です。ところでΔU=0=q-wでw=0ですからq=0です。従って外部はこの気体と熱の授受がありません。よってエントロピー変化は ΔS4=0...(7) です。従って外部の変化((7))と気体の変化((6))をあわせると38.3 J/Kのエントロピー増になりますので不可逆変化だったということになります。 (2)なした仕事が7.32x10^3 Jの場合でも状態量の変化は ΔS5=ΔS1=38.3 J/K...(8) ΔU=ΔH=0 ΔF=ΔG=-11.5x10^3 J となります。ΔU=0=q-7.32x10^3ですからq=7.32x10^3です。外界がこの熱量を気体に供給したのですが、この熱を準静的に受けたとすればエントロピー変化は ΔS6=-7.32x10^3/300=-24.2 J/K...(9) です。(8)と(9)の和は14.1 J/Kで、外界と気体をあわせるとこれだけのエントロピー増となります。よって不可逆反応です。
お礼
無事追試に合格しました。ありがとうございました。