- ベストアンサー
熱力学の問題です。
*298Kでメタンを燃焼すると、二酸化炭素と水蒸気が生成する。しかし、298Kで水蒸気と二酸化炭素を混ぜても、メタンと酸素には自発的に反応は進まない。 どうしてですか?水蒸気と二酸化炭素を混ぜて、メタンと酸素にならないのは直感的にはわかるのですが、その理由を聞かれてしまうと、どうしてなのかわからないです。 誰か教えて下さい。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O …(1) という反応ですね。 ○ それではまず,「298K」という温度設定抜きで考えてみましょう。 ● 一般的に,物質はエネルギーが低い方が安定に存在することができます。 なので,物質はエネルギーが低い状態になろうとする性質があります。 ここで,メタンと酸素のもつエネルギーの合計と,二酸化炭素と水蒸気のもつエネルギーを比べると, (メタンと酸素のもつエネルギー)>(二酸化炭素と水蒸気のもつエネルギー) …(2) となります。 よって,メタンと酸素は,二酸化炭素と水蒸気になりたがります。 このことから,(1)式の反応は,右向きに自発的に進み,左向きに進むことは無いとみることができます。 ● ここまでの説明をすこし詳しくお話しますと… (ここからは下にある図を用いながら説明しますので,図を参照しながら考えてみてください。) メタン・酸素ペア,二酸化炭素・水蒸気ペアの間には,「エネルギーの山」が立ちはだかっています。 図で言うと,曲線のてっぺんが,その「エネルギーの山」にあたります。 メタン・酸素は,この山を越えないと,二酸化炭素・水蒸気になれません。 逆に,二酸化炭素・水蒸気も,山を越えないとメタン・酸素になれません。 メタン・酸素ペアは,もともと標高の高い場所にいるので,わりと簡単に山を越え,二酸化炭素・水蒸気になることができます。 逆に,二酸化炭素・水蒸気ペアは,低い場所にいるので,山を越えるのが難しく,メタン・酸素になるのは難しいのです。 これを科学的に言い換えると, メタンと酸素は,もともと持っているエネルギーが高いので,ΔE1以上のエネルギーを得れば,二酸化炭素と水蒸気になることができます。 一方,二酸化炭素と水蒸気は,元のエネルギーが低いので,ΔE1+ΔE2以上のエネルギーを得ないと,メタンと酸素になることができません。 ですから,結果的に反応は図の右側に自発的に進行するわけです。 ● ちなみに,ΔE1のことを「活性化エネルギー」,ΔE2のことを「生成熱」と呼びます。活性化エネルギーは高校化学IIで出てくる重要事項です。覚えておきましょう。 ○ さて,この時点で(1)の反応が右にしか進まない(ように見える)原因がわかっていただけると思いますが,さらに「298K」という温度設定を含めて考えてみましょう。 ● まず,298K(25℃)という低温度では,二酸化炭素・水蒸気ペアはおろか,メタン・酸素ペアも反応することはめったにありません。この温度では,メタン・酸素ペアでも活性化エネルギーに達する(エネルギーの山を超える)ことはほぼできません。 ですから,もちろん二酸化炭素と水蒸気をこの温度で混ぜても,メタンと酸素にはなり得ません。 ● じゃあなぜメタンと酸素は反応する(メタンは燃焼する)のか。 あくまで298℃というのは室温であって,物質の温度ではないはずです。 メタンと酸素が燃焼しているとき,それらの温度はゆうに数千℃に達しています。 これだけ温度があれば,メタンと酸素は活性化エネルギー以上のエネルギーを得ることができるので,反応することができるのですね。 わかっていただけましたでしょうか? ちょっとずつ説明を省いているところもあるので,詳しいことはまた補足質問していただくか,さらにお調べになってみてください。では。
その他の回答 (1)
- auroray
- ベストアンサー率46% (15/32)
簡単に答えると、水蒸気と二酸化炭素が メタンへと結合するためのエネルギーが必要となるので、 自発的には反応が進みません。 メタンを燃焼すると二酸化炭素と水が生成します。 さて、生成するのはそれだけでしょうか? メタンは都市ガスに含まれている成分です。 私たちは都市ガスを燃焼させて調理や暖房に利用しています。 二酸化炭素と水以外になにが生成されているかもう分かりますよね。
お礼
エネルギーが生成されているってことですかね?? 回答してくださってありがとうございました。
お礼
図まで使ってとてもわかりやすく説明していただいてすごく助かりました。 本当にありがとうございます。