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学校はなぜ谷戸・谷津(台地の中の谷)にあるの?
学校の立地についての疑問です。 私は首都圏住まいでよく散歩をするのですが、台地(下総台地、大宮台地、武蔵野台地など)を歩いていると、昔は川が流れていたと思しき“谷の地形”の真ん中に学校があったりしますよね。一つや二つではなく結構方々で出くわすので、いつからか不思議に思い始めたのですが、あれはなぜなんでしょう? もちろん「台地では学校は必ず谷にある」という意味ではありません。台地の地形のところで台地上に立地する学校もたくさんありますので。 ただ、どこまでも起伏のない低地と違い、「台地」における「谷・川筋」って地形としてはピンポイントで(私には)認識しやすいので、なぜわざわざ川筋に?何かそれなりに理由があるのかな?と思ってしまいました。もしかして、たまたま?
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- kirigirios
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No2の回答をしたときにはきちんと確認していなかったので、柏市の都市計画図http://www.city.kashiwa.lg.jp/forms/tosikei/25000.pdfを見てみました。 すると、JRや国道6号の北、北千葉導水路と書かれている東西に伸びる川沿いの低地は市街化調整区域(用途地域の色塗りなし)で、そこに柏中央高、柏五中、慈恵医大病院などがあります。柏五中は1977年、柏中央高は1981年と、線引き(市街化区域と調整区域の指定)以降の開校ですから、おそらく、低湿地であり住宅等に適さないことに加え、市街化調整区域であるため用地を安く取得できたことが立地の理由になったのだろうと推測できます。 No2の回答の時は、市販の市街地地図と地理院の地図で芝工大柏高が谷津田の地形にあることを見つけていたのですが、都市計画図を見たら、あそこは台地の上も調整区域でした。 No3のおっしゃるとおり、農地転用については都市計画とは別に農業関係の規制があり許可が必要(市街化区域では不要)です。補助金で土地改良事業を実施した場所だったりすると許可を得るのは難しいですが、そうでなければ、学校用地という理由があれば許可が得られやすかったと思われます。 ため池説については、南関東には昔からため池はそれほど多くなかったような気がします。 参考のため、地理院地図と昔の空中写真のURL貼っておきます。 国土地理院地図 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?meshcode=53406000 空中写真 http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WC_AirPhoto.cgi?IT=p&DT=n&PFN=CKT-74-15&PCN=C12&IDX=65
- blackhill
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興味深い指摘で、盲点を突かれた感じがします。 ただ、土地利用規制に原因を求めるとすれば、農振法による規制にも目を配るべきだと思います。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E6%8C%AF%E8%88%88%E5%9C%B0%E5%9F%9F それと、農地を集約するには相当の時間を要するので、農地の転用説はにわかには信じがたい気がします。 こういう地形なら、溜池の転用が考えられませんか。耕地整理の進展や水田の減少に伴って不要になった溜池が公共用地に転用された事例は各地で見られます。 いずれにしても、まず学校名を挙げ、一つ一つの事例を検討すれば、納得できる原因が判明すると思います。とりあえず、古い地形図で、以前の土地利用を調べてはいかがでしょう。 ご存じでしょうが、古い地形図は、ネットで画像を検索できます。
- kirigirios
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No.1の回答に賛成ですが、もう一つ理由を付け加えるとすると、都市計画でしょうね。 都市部の土地は、都市計画法に基づき市街化区域と市街化調整区域に区分されています。市街化調整区域とは市街化を抑制する区域で、宅地開発は原則として禁止(許可しない)になっており、したがって地価が相対的にかなり安くなっています。ただし学校や病院など公共性の高い建築物は市街化調整区域でも建ててもよい(許可不要)こととなっていました。 谷戸の地形は水害にあいやすい、田圃として利用されているなどの理由により市街化調整区域に指定されたところが多く、そのため宅地開発がされず地価も安くて用地取得しやすかったので、学校が建てられたのでしょう。 柏市あたりには幾つかあるようですが、他の地域にもありますか? 私の感覚ではむしろ八王子などの丘陵部の大学や台地上のニュータウンの中の小中学校などの方が多いような気がしますが。
- mark-wada
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東京の武蔵野台地出身の者です。 学校その他公共施設の立地には、その傾向がある、と思います。 私が考えるにその理由としては。 台地の地域の中で川沿い・谷筋というのは、住宅開発が最後まで遅れた土地なんですね。 低湿地で地盤が軟らかく、見晴らし・日照も悪く、洪水の危険もあるとなると。高級住宅地にはなり得ません。 後の時代まで川原・田んぼにされていたような土地です。 そして、首都圏が秩序のない乱開発で住宅・人口が急増して、学校その他公共施設が必要となっても。 学校には普通の住宅よりよっぽど広い面積の「まとまった土地」が必要です。 しかし早くからミニ開発が進んだ台地上では「まとまった土地」は確保できません。 そこに手つかずの川原や田んぼがあれば。 公共用地にはうってつけだったと思います。 公立だけでなく、私立の学校法人がその地域でまとまった土地を確保したくても事情は同じです。 ですから公共施設(学校・市民センター・住宅団地・グラウンド)などが、川筋に多く立地している、と思います。
お礼
早速の回答ありがとうございます。 なるほどなぁ、と思いました。ちなみに私は下総台地の出身です。 確かにそういう事情は想像できますね。低地でも川沿いの学校は結構ありますし。 宅地や農地の開発で、台地上ではまとまった広さの土地が先になくなってしまった、後は川を暗渠にして(治水対策のレベルも上がったことだし)…ということですね。 それと完全に別件ですが、mark-wadaさん、以前ご自身の中高時代のご経験を元に色々アドバイスをしていらした方でしょうか? 私も周りの意見に推されるまま私学の中高一貫・進学校に進んで校風になじめず丸々6年間苦しんだ(勉強が手に付かない、学校に行けないetc)経験があり、高校を卒業した後ネット上で拝読したmark-wadaさんのご意見に共感し、また教育というものに関して深く考えるところがありました。この場を借りてお礼を言わせてください。ありがとうございました。
お礼
ふむふむ。市街化区域と市街化調整区域ですか。詳しいご説明ありがとうございます。 住宅地になっているところは「市街化区域」、畑や山林がどこまでも広がっているようなところは「市街化調整区域」、ただし例外的に、公共的な建物なら市街化調整区域に建てても良いと。なるほど、三富のようにおそろしく広い農地の中に小学校がポツンとあったりするのはそういうわけなんですね。 そうそう、谷地はなんとなく地価が安いから?というのは私もちらっと考えました。宅地開発されないと地価は上がらないんですね(当たり前か)。 私が今回質問しようと思った直接のきっかけは、松戸市千駄堀の狭い谷津にある中学校です。学校の敷地のすぐ両側が谷の斜面という見応えのある?ケースだったので。おそらく農家が多い地区と住宅地の境目あたりに位置すると思います。この中学校ほどわかりやすくはなくても、松戸市内には他にもいくつかそういう学校がありますね。 また他にパッと思いつくところで、さいたま市の浦和駅から南西の方へ行ったところにある小学校もそうでした。ごく緩い傾斜の谷の底に位置し、学校の下に水の流れがある(あった?)のは明らかだというのが見て取れます。 私は多摩丘陵方面には疎いのですが、東京でも北多摩や杉並区、世田谷区、練馬区あたりにはそういうところがあったと思います。 特にその傾向が強い地域があるのかどうかは私もよくわかりませんが、学校の立地から地域がどのように発展してきたかを想像するのは面白いですね。