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レセプタへの生体物質の結合
レセプタへの生体物質の結合 たんぱく質のポケットの中に生体物質が包接される現象のことを、「レセプタへ結合する」と表現されているのをよくみるのですが、これは包接ではないのでしょうか。なぜ生体現象になると「包接」を「結合」と表現するのかが不思議です。 それとも基質はレセプタと共有結合を介して「結合」しているのでしょうか。
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>基質はレセプタと共有結合を介して「結合」している 通常共有結合はしていません。 もっとも普遍的に見られる結合は「水素結合」です。 レセプタの窒素、酸素、のlone pair(非結合電子対)、カルボン酸イオンの負電荷などと、基質のN-H、O-Hの水素の間の水素結合。 同時に基質の窒素、酸素、のlone pair(非結合電子対)、カルボン酸イオンの負電荷などと、レセプタのN-H、O-Hの水素の間の水素結合。 これが同時に起きます。レセプタが基質を特異的の捉えるのは、この水素結合の数が半端じゃないからです。 基質が小さときの数個(数カ所)から、巨大なペプチドや糖類などを捕まえるときには数十箇カ所にまで上ります。 さらに、水素結合が最も強い位置関係になるX:…H-Yが直線になるように配置されます。 その目的のためにレセプタ自身が数個のペプチドから出来ている場合など、その四次構造が変化して最も基質と強い水素結合が形成されるように再編成されることも珍しくはありません。 また基質は何らかの化学変化を受けるか、レセプタが基質によって「活性化」される場合、この四次構造の変化はその過程に最も適した形を取ります。 これは生物が分子進化して獲得した機能です。 十以上の水素結合は共有結合の単結合に比べてかなり強い結合だと言えます。 抱接でないかと言えば確かに抱接ですが、この四次構造の組み替えがレセプタの最も強力な「武器」だと言えます。
お礼
お礼が遅れてしまい申し訳ありません。ご回答頂きましてありがとうございました☆
補足
とても詳しく回答頂きましてありがとうございます。なるほど、何か所もの分子間相互作用によって強固にレセプタに取り込まれるわけですね。ただ、加成性が成り立つことと、水素結合などの非共有結合によって取り込んでいる点をみると、やはり「包接」と呼べるものではないだろうかと思うのですが、、、。ご回答の中にあるように複数の水素結合を形成するために共有結合に匹敵するほど強く基質を束縛するという意味で「結合」という言葉が利用されているのでしょうか。