• ベストアンサー

天体の距離測定方法と想定される測定誤差

語り尽くされている議論かもしれませんが・・・。 天体(恒星、銀座、クエーサー等の遠距離天体)の距離測定について質問です。 [1] 以下の4つ以外の方法はありますか?(今後新たな測定方法が確立される可能性も含めて) (A) 年周視差による測定。 (B) スペクトル分析により、絶対等級を推測し、見かけの明るさとの乖離から計算する方法。 (C) 脈動変光星の変光周期と絶対等級との相関関係から絶対等級を推測する方法。 (D) スペクトルの赤方偏移から、相対速度を計算し、膨張宇宙モデルの適用で距離を求める方法。 [2] 上記4通りの方法(またはそれ以外の方法でも)で発生し得る測定誤差はどの程度でしょうか? 以下、私見ですが、 (A) 距離が数100光年を超えると年周視差が非常に小さくなるため、精度の高い距離測定は困難。 100光年以内の近距離でも、観測者との相対速度(固有運動)が大きければ、誤差は大きくなる? (B) 喩えるなら、身長の観測値から人間の体重を推定するのと同じぐらい無謀。(笑) 標準体重の範囲に収まらない肥満体や痩せ型の人がいれば推定値に誤差が出るのと同様、恒星の個体差を考慮すると、まるで信用できないドンブリ勘定だとと思うのですが。 (C) 上記に同様。 (D) 定説とされる、ビッグバン → 膨張宇宙のモデルが破綻することはないとは思いますが、それでも、モデルの大きな修正があれば、10~100倍程度のオーダーで誤差が出そうな気がします。 回答、アドバイス、補足、反論等、お待ちしております。 # (B)、(C)の方法で発生する測定誤差は天文学というより、統計学で論ずべきテーマでしょうか? (この点についてもアドバイス頂けると幸いです)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#108554
noname#108554
回答No.2

>個々の事例で誤差があっても、標本数が多ければ、 >全体としては一定の範囲内に収斂する、ということでしょうか? そうです。 銀河の最大光量は一応理論的に求まっているし、 観測的にもその程度であるらしいので、 ある程度以上大規模な銀河団ならそういう銀河を含んでいるだろう という推論です。 >自転速度がスペクトルにどの程度の影響を与えるか、興味深いところです。 自転速度はドップラーシフトの影響が見られるだけじゃないでしょうか・・・? 私は観測屋ではないのでスペクトルの見方は分かりませんが。 ちなみに理論的に質量の次に大きなパラメータは、 metal(業界用語でリチウムより原子番号の多きな元素全部)の 含有量だと思います。 >これは、観測する方角によるのではないでしょうか? 星間物質にも濃淡のムラがあると思いますので。 よりますよ。もちろん。 銀河系内の星の観測には「なんとかの窓」という 星間物質が少ない領域を用います。 銀河系外の観測には、Hubble Deep Fieldのような チリも、普通の星も、普通の望遠鏡では銀河さえ 見えないような領域が使われています。

noname#4564
質問者

お礼

ありがとうございます。 > ちなみに理論的に質量の次に大きなパラメータは、metal(業界用語でリチウムより原子番号の多きな元素全部)の含有量だと思います。 この「パラメータ」というのは恒星誕生の初期条件という意味でしょうか? それとも、星の加齢に伴う重元素の増加を示す指標ということでしょうか?

その他の回答 (3)

  • meineko
  • ベストアンサー率40% (22/54)
回答No.4

詳しく答えようとすると、本の1冊分くらいにはなりそうな内容なので、関連URLを1つ示しておくだけにします。 書かれている内容だけでは物足りないかもしれませんが、同様なpageは、他にもいくつかありそうなので探してみて下さい。 私の興味に近いとこだけ補足します。 Aは、HIPPRCOSなどの衛星の観測で大気の影響が減らせることから、測れる距離が伸びました。 Cは、最近、MACHO探しの副産物で、マゼラン雲の変光星のデータが沢山集まってきたので、理論が進展を見せています。 もう少し研究が進めば、誤差を減らすのにも貢献できるでしょう。 Cに関連して、I型超新星を使う方法は、最近の観測技術の発展によるサンプル数の増加(年間100から数百個前後見つかる様になりました。)および理論の発展で、観測値の補正の方法が進んだので、よい距離の指標になっています。 なお、Dは、逆で赤方変移と超新星等から求めた距離が、宇宙論に制限を与えます。結果を受けて、宇宙は閉じているのではないかという議論がすすめられているのはご存じと思います。

参考URL:
http://www.u.phys.nagoya-u.ac.jp/asca_html/sz.html
noname#4564
質問者

お礼

  コメントありがとうございます。 > Aは、HIPPRCOSなどの衛星の観測で大気の影響が減らせることから、測れる距離が伸びました。 おっしゃる通りです。800cmを超える大口径の光学望遠鏡が増え、昔はできなかった大気圏外での観測も現在では可能になっているので、将来的には更に精度が高まることが期待できそうです。 ですが、どの程度の誤差があるのか気になるのも事実なのです。(笑) (しつこい?) > 宇宙は閉じているのではないかという議論がすすめられているのはご存じと思います。 その可能性は否定できないでしょうが、この件に関しては、まだ定説とは言えないのでは?  

noname#108554
noname#108554
回答No.3

>この「パラメータ」というのは恒星誕生の初期条件という意味でしょうか? >それとも、星の加齢に伴う重元素の増加を示す指標ということでしょうか? どちらでもいいです。 恒星誕生の初期条件として、metalと質量を与えれば 何億年後かの星の状態が推定できますから。 あと、ヘリウム含有量にもよりそうな気がしますね。 あ、そうだ、以上の話は単独星の場合です。 2重星の場合、赤色巨星になったりすると、 その後の進化に大きな影響があります。 有名なのはアルゴルパラドックスです。

参考URL:
http://www.hk.airnet.ne.jp/funada/nhk/type/eclipse.html
noname#4564
質問者

お礼

  ありがとうございます。 > 有名なのはアルゴルパラドックスです。 質量比が逆転とは・・・・仰天です。 連星間で質量のやりとりがあると、光学(スペクトル)分析も、軌道計算も非常に煩雑になりそうですね。  

noname#108554
noname#108554
回答No.1

まず、[1]について。 本質的にはこれしかないです。 脈動変光星の代わりに超新星を使うとか、 銀河の光量の最大値はだいたい絶対等級でー20ぐらいなので ある程度の大きさの銀河団中の最大の銀河の明るさは その程度だろうと仮定して距離を推定するとか、 細かい方法を言えばきりがないですけど。 [2]について (A)最近のヒッパルコス衛星の観測です。 http://www.isas.ac.jp/docs/ISASnews/No.241/mission-17.html (B)(C)いや、それほど無謀な話ではなくて 恒星内部構造論はほとんど完璧に恒星の振舞を説明できます。 主系列星の場合、個体差というものは質量という1パラメータしかありません。 は、いいすぎですが。 むしろ私見では、恒星間/銀河間空間のチリによる光の吸収のほうが 誤差の要因としては大きいような気がします。(気だけです。別にそういう文献を知ってるわけではない。) また、超新星から求める場合には、 深宇宙=遠い過去を相手にしているわけですが 時間とともに物理定数が変わっている可能性もあり、 その場合は、超新星の絶対等級が時間によることになって 距離がうまく計れないという可能性もでてきます。 誤差の具体的な値までは知らないです。 私も知りたい話題です。

noname#4564
質問者

お礼

コメントありがとうございます。 > 脈動変光星の代わりに超新星を使う なるほど、それもありそうですね。以前、本で読んだ記憶があります。標本数が少ないのが難でしょうか。 > ある程度の大きさの銀河団中の最大の銀河の明るさは > その程度だろうと仮定して距離を推定する 質問文に書いた内容(統計云々)にも通ずるのですが、個々の事例で誤差があっても、標本数が多ければ、全体としては一定の範囲内に収斂する、ということでしょうか? マクロ的な理論モデル構築のための観測データとしては、それでもじゅうぶん役に立つのかもしれません。 (専門家のご意見を伺いたいところです) > 個体差というものは質量という1パラメータしかありません。 自転速度がスペクトルにどの程度の影響を与えるか、興味深いところです。 (固有運動の影響は膨張速度の大きい深宇宙以外では無視できますよね?) > 恒星間/銀河間空間のチリによる光の吸収のほうが 誤差の要因としては大きいような気がします。 これは、観測する方角によるのではないでしょうか? 星間物質にも濃淡のムラがあると思いますので。 > 誤差の具体的な値までは知らないです。 他の方のコメントを待ちたいと思います。

関連するQ&A