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決定したパラメータの熱電圧nVtの桁が少しおかしい?
- 前回の質問で求めたパラメータの熱電圧nVtの桁が少し異常な値になっています。
- 求められたパラメータの解釈に関して質問があります。
- 実験データを含めて相談させてください。
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実験データを読み込んでこちらでもやってみました。添付図にその結果を載せましたが、理論特性の形は qwe1232 さんと同じですからソルバーの使い方は問題ないと思います。こちらでの近似結果は以下のようになりました Iph = 0.158A Rsh = 1046.3Ω Rs = 0.677Ω Is = 2.68nA nVt = 232.5mV nVt が大きい原因は以下の3つが考えられます。 (1) 測定した太陽電池が、単接合セルを複数直列接続したものか、あるいはマルチバンドギャップ(タンデム型)構造になっている (2) 単接合セル自身のダイオードファクタ(n値)が大きい (3) 電極のオーミック性が悪く、接触抵抗が印加電圧によって大きく変化している Vt というのは熱電圧と呼ばれるもので(添字の t は thermal の頭文字)、その値は k*T/q ( k はボルツマン定数、T は絶対温度、q は電子の電荷)ということはお分かりだと思います。単接合セルでは、この値は室温(T=300K)で 26mV くらいの値です。また、単接合セルの開放電圧は 0.6V くらいになります。測定した太陽電池の nVt と開放電圧がこの数倍と大きいことから、測定したセルが単接合セルを直列接続したものか、あるいはマルチバンドギャップ構造と思われます(その場合、nVt と開放電圧は、単接合セルの直列接続数倍、あるいはタンデム数倍になります)。最小2乗近似の結果、n*Vt が 232mV となったことから単純計算すると、n は 9 程度になりますが、もし直列接続した数がこれくらいであれば辻褄が合います(タンデム型で9接合というのはまずないでしょう)。 直列接続数が9より小さいのなら、 nVt が大きい原因は(2)または(3)になります。(2)の場合、pn接合を流れる電流が拡散電流によるものなら n = 1、再結合電流によるものなら n = 2 となりますが、現実にはこの両方の寄与があるので、n の値は通常 1 と 2 の間の数値になります。n = 1.5 の単接合セルを6個直列接続すれば nVt が 9 くらいになってもおかしくはありません。 (2)と(3)が複合している場合は、単接合であっても n値は 2 を超えます。電極(アノード)とセルのオーミックコンタクトが不十分で、この界面に寄生ダイオードができてしまっている場合、その寄生ダイオードの n値が加算されるので、デバイス全体の電圧-電流特性の nVt の n の値は2 より大きくなります(単接合で n = 4~6 というのもあり得ます)。 >式を " I = " の形にすることができず この式は I = の形にはできません。この式は初等関数では解の形を表わすことができない方程式なので、マクロのプログラムでは、その式が成り立つ I の値を x0 からx1 の範囲で数値的に求めています(2分法という方法を使っています)。
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- inara
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お礼
分かりやすい回答ありがとうございました。 何度も対応していただき感謝しています。 本当にありがとうございました。