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ロンドンのタウンハウス

一戸建てというと日本人はイギリスでいうデタッチトハウスをイメージするのですが、実際のロンドンでは、セミデタッチトハウスかタウンハウスが多いですよね。 日本でもタウンハウスはあって、関西では文化住宅と呼ばれることもあるそうですが、日本人は建て替える時に両隣の家と切り離して、自分の部分だけどんなに小さくても独立した一戸建てにしてしまいますね。 ところがロンドンでは古くなってとなりが荒れ果てていても、切り離さずに自分の家だけは奇麗にリフォームしています。 日本だと隣との間でいろいろもめたりするので、共有にしたくないという気持ちが強いと思いますが、イギリスでは家がつながっていることでトラブルになったりしないのでしょうか? 何で一家族だけの一戸建てにせずに、わざわざセミデタッチトのような二戸続きの家にするのでしょうか? ビクトリア時代に今のタウンハウスの形態でロンドンの土地開発がおこなわれているのですが、どういう考えでああいうウナギのようなつながった長い住居を作ったのですか?

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  • blackhill
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回答No.1

 本が1冊書けるぐらいの質問ですね。  まず、タウンハウスとは、17世紀後半から19世紀にかけて、大地主や富裕な商人が住むために広壮な広場を囲んで建てられた地下室、屋根裏つきの3~4階建てのテラス(連棟式)住宅のことで、日本のタウンハウスとはまったくの別物です。(ロンドンの郊外にも、60年代に簡便なタウンハウスが出現しました)  一方、インナーシティに多い2階建てテラス住宅は、別名bye-law住宅といわれ、労働者向けの住宅です。上下2間ずつなので、2up 2downともいいます。1875年の公衆衛生法で、初めて条例による建築基準が適用されました。それ以前の不潔で危険な労働者住宅は次第に取り壊され、第2次大戦の戦災とその後の復興ですべて姿を消しました。  さて、イギリスでは、都市計画法により、住宅の増改築はまずできません。したがって、建てた時そのままの姿が残っています。また、注文住宅はごく例外的で、ほとんどが建売住宅で、通りの端から端まで、同じデザインの家がならんでいます。  連等式なので、隣家とは壁を共有することになりますが、2重のレンガで仕切られているので、騒音はかなり抑えられています。なお、日本の最近の連等式住宅は、見掛けはつながっていますが、それぞれ独立した壁で仕切られていて、共有部分は少ないと思います。  セミデタッチト(2戸1住宅)が好まれた理由は、やはり見かけがいいからでしょう。増改築や建替えが事実上不可能なので、壁を共有しても問題は起こりません。  もう少し詳しく学ぶのであれば、 マーガレット/アレクサンダー・ポーター著『絵でみるイギリス人の住まい 1』(相模書房)が楽しく面白い。アマゾンの古書で500円。ただし、翻訳に少々難あり。  また、簡単ながら写真が役立つ佐藤健正さんの紹介もお勧めです。 http://www.ichiura.co.jp/e_housing/top01.htm#

kateliz
質問者

お礼

ありがとうございます。 ご紹介いただいたサイトの開設は大変参考になりました。 第一次大戦後にロンドンに新築される戸建はテラスハウスかセミデタッチトのみと政策で決められた時期もあったんですね。 確かに隣との間がくっついていればたくさんの住宅を供給できますが、しかし、ロンドンのタウンハウスやセミデタッチトは表通りは間口が狭いですが、多くは広いバックヤードが付いているので縦に長いですよね。そんなに住宅が足りなければ庭を削れば多くの家を建てられるじゃないか、とも思ってしまうのです。イギリス人にとっては「庭がない家なんて戸建じゃない!!」というものなんでしょうか? 佐藤さんのサイトを見て、タウンハウスの成り立ちもいろいろとわかりましたが、日本の住宅イメージではイギリスのタウンハウスをそのまま理解できないなとも感じました。 黒川紀章さんがデザインしたタウンハウスも現存していますが、あまり一般的ではないですよね。

その他の回答 (3)

  • blackhill
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回答No.4

追加質問への回答です。  1875年の公衆衛生法の施行で、都市当局は住宅建築基準を条例で定めることができるようになりました。  従来の労働者住宅は、北部に多いback-to-backにせよ、大都市に多いコート(中庭)住宅にせよ、日照と通風に大きな難点がありました。  このため、正面お向かいの住宅、および裏側の住宅相互の間隔を十分に取るよう条例で定めました。もちろん、表側は歩道と道路、裏側はそれぞれの庭として使われます。  このため、一定の敷地にできるだけ多くの住宅を建てたい開発業者は、間口を狭く、奥行きの長い敷地に区分して住宅を建てました。つまり、うなぎの寝床です。  こうした住宅は、間口の幅に応じて税金が掛かる中世ヨーロッパでは、ごく普通でした。また、京都をはじめ、いわゆる町家の形成も同じ原理です。  20世紀にはいると、都市計画法が施行され、面積あたりの戸数を(住宅密度)制限する方向に変わりました。このため、うなぎの寝床は姿を消すことになります。

kateliz
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 生活環境のために、日照や通風の確保を定めていたんですね。 道路から見ると細長く狭い家に見えるのに、グーグルで空中からの画面を見ると、たっぷりとした庭があってうらやましいです。 大体の家は庭側の一階かロウアーグラウンドフロアーに台所があって、 野菜や果樹を栽培していて素敵ですよね。 都市の中心でも植物に触れて生活できるのは、日常生活を豊かにしてくれるような気がします。 あの細長い家と庭はいろいろ考えて作り出されたものなんですね。 京都の町屋も都市住宅として素晴らしいと思いますが、ロンドンと違って消滅の一途をたどっているので悲しいですね。 東京では都市部の狭小住宅としてミニ戸がありますが、ロンドンのようにガーデンがあればいいんですけどね。 >>20世紀にはいると、都市計画法が施行され~うなぎの寝床は姿を消す ということはロンドンでもここ数十年は好きな家を建てられるんですか?(家を建てる土地があればの話でしょうが)

  • shotax1
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回答No.3

大体、同じ地域に住んでいる人たちは、日本より似たような生活水準の人同士が集まってますので綺麗な地域は全体的に綺麗で、そうじゃ無い地域は全体的にそうじゃない為、あまり問題が起こらないと思います。近所付合いについては、日本のマンションと同じで隣人がどんな人かは運ですね。私がお世話になっていた家は外壁の洗浄も屋根の修理も地域で一斉にやるって事は無く、占有部分だけをしてました。隣が同じように綺麗にしていなくても、不衛生でなければ気にしないと思います。衛生的に問題があってラット(クマネズミ?)などの害獣発生の原因になってたりすればカウンシル(行政機関?)が動いてくれます。二十日ネズミはダメだそうです。ちなみにゴキブリは一度も見たことがないです。 古い木については共有資産とまでは思ってないでしょうが、枝が自分の敷地を侵してるからと気にする人は多くないと思います。そもそも新築の家を買う人は稀ですので、引っ越してくる前から枝が飛び出してれば、それも条件の一つとして受け入れてるんじゃ無いでしょうか?どうしても気になれば隣人と相談するような感じでしょうかね。相談してもダメなら勝手に枝を切ると思いますが、リスが生息してる事が多いので、リスに迷惑を掛けてまで枝をどうにかしようとする人は少ないかもしれません。

kateliz
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >>似たような生活水準の人同士が集まってます 日本よりもイギリスのほうが階級社会だそうですね。 ドイツでは隣の家が汚かったり庭の手入れを怠っていると近隣住民から注意を受ける、といわれてますが、イギリスはそこまで干渉しないんでしょうか。

  • shotax1
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回答No.2

詳しいことは分かりませんが、改装する時の騒音でトラブルが起きる事は少ないと思います。隣の家の防犯アラームが鳴ってても、隣人は心配しますがクレームをする人は聞きませんね。基本的に大らかな人が多いと思います。私は過去に朝っぱらから余りにも工事で煩かったので、一度文句を直接言ってやりましたが返り討ちにあって撃沈しました。 ロンドンでも一軒家もありますけど、都心から少し離れた高級住宅地って感じですよね。隣の家と繋がってて起こるトラブルですが、柄が悪い地域だと、近所の悪ガキが庭伝いにハシゴして盗みに入ったりとか…ですかね。

kateliz
質問者

お礼

ありがとうございます。 セミデタッチトで同じ屋根の下にいるのに、となりと仲が悪くなったらどうする?とか、自分の家だけきれいに改造しても、となりが雨漏りして小汚くしてたらどうするの?とか、いろいろ想像してしまいます。 写真やビデオを見ると、庭木は隣の家に枝を伸ばしててもお構いなしみたいですね。 その辺はおおらかですね。 古い木は近所の共有財産という意識なんでしょうか?

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