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兵数の実態
古代史の戦争ではよく兵力などが語られています。 磐井の乱や壬申の乱では6万の朝廷軍とか、更に中国では韓信率いる120万の漢軍とか長平での趙軍40万とか秦の征楚軍の数60万とか出てきます。これはよく誇張された数字といわれますね。 確かに日本古代史の6万は100歩譲ったとしても、中国のこの兵力は1回の戦闘では食料調達や指揮系統からみても大げさすぎるようには思えます。このような数字は本当に誇張なのでしょうか。 何を根拠に誇張だとされるのでしょうか。また、誇張だとすると何を元にこのような数字が記されるのでしょうか。何か誇張の法則のようなものがあってそれを割り引くと真実に近いものがでてくるものなのでしょうか。
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- bismarks05
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誇張と判断される理由は様々ですが、もっとも標準的なのが、国力から勘案した動員兵力限界からです。 ・一人当たりの兵員動員経費を考えるケースです。 人口当たり10人に1人しか兵力が動員できないなど・・・と考える方法です。 これらは国の生産力の動向によって左右されますから、気候・生産性などから考えられます。 もう一方では、兵力主体である農村・惣村からの兵力動員の申請書などから兵力限界を考えるケースが多いようです。 例えば、「A村は1000石で10人の兵力動員が請求されたが、7人しか動員できなかった」などの文献などです。 兵力の主体たる農村庶民は地方自治体が徴兵を請け負うことになるので、請け負った側が兵員の水増しをしている可能性もあるでしょう。 誇張の法則というのは分かりかねますが、軍団規模を縮小しながらも、軍団数を増やして、多く見せるなどの作為が行われた背景もあるでしょう。 つまり、1000人で創るべき軍団を便宜上、400人で構成して軍団数を水増ししてしまうケースは多々あります。 そこで、軍団数だけで総兵員を計算してしまうなどの間違いはあるようです。 私が好き好んで研究しているモンゴル帝国では、軍団数の水増しは日常茶飯事ですし、意図的に水増し情報を喧伝して、示威した部分が多いようです・・・・ もっとも、示威的な軍事情報が歴史書に残されるのは、仕方ないことでしょう・・・・・ このような事例に関して 「アンリ・ジョミニ」が面白いことを言っていましたが・・・やめておきます。
- Pinhole-09
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古代史の兵数は難しい問題です。 動員兵力を推定する良い方法は、領土の人口から計算する事です。 江戸時代幕府は諸大名、旗本に50石当たり1人の軍役を課しました。 当時の無理のない動員数です。 50石当たりの人口はどうか。 幕府は全国の石高と人口の調査を代々行いました。 このうち正確なものは米将軍吉宗が行った、享保の調査が最初です。 この調査で全国平均で1000石当たりの人口は1010人でした。 1石は1人相当で50人あたり1人の軍役です。 秀吉の文禄の役では25石当たり1人にされた大名もあり、これが最大徴発人数でしょう。 古代中国の1例で4世紀の「燕」は157郡、998万人と言われ、40万の大軍を出したとと書かれています。 25人に1人の徴発で合う兵力ですが、実際全徴発は困難で、また全兵力を出陣させるのも、留守の防衛がおろそかになり無理で、実際は多く見ても半数の20万と思われます。 歴史の編者は軍役には詳しくないので、言われた数字をそのまま書くので、為政者のいう過大な数字になるのです。
お礼
ありがとうございます。 4世紀の燕って南北朝の前燕のことでしょうか。 中国は比較的古代から人口統計がよくなされていたようなので信頼できる数字なのでしょうか。998万に対する40万の兵力は三国時代の魏とほぼ同じですね。 これでいくと曹操軍の外征兵力10万余というのは頷けますが、長平の趙軍40万は全軍を投入(ありえませんね)したとしても趙の人口が1000万以上いないとだめですね。 やはり誇張に一定の法則原理はないのでしょうか。為政者がこうだというのを記録するのが記録者の役目ですから。今の教科書もそうですし‥‥
- nicoco120
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自分の記憶ではそんなに多くなかった気がしますが……。 当時、威圧行為として多く偽った可能性は高いです。 また、実際には非戦闘員も多くいたりしますので正確な兵力じゃない場合もあります。 後世に作者がドラマ性を生み出すために多く偽っているものも多いです。 今ある小説なんかも、ほとんどが作者の世界観を混ぜて作っているので正確ではないでしょう。 ドラマ、映画、マンガ、アニメなんかになるとなおさらです。 実際の正史と見比べるとぜんぜん違いますしね。
お礼
ありがとうございます。 過去に下るほど小説と史実(歴史書も事実を記しているともいえないようですが)の区別がつかなくなるようですね。 当方も混同しているようです。 記紀などの年代表記には干支などにかかわる一定の法則があると聞きました。 兵力表示にも何か一定の法則があるのかなと思った次第です。 ただ単にとても多い兵力を単純に100万と表記するのが後世の作家が更に尾ひれがつけるようなものなのですね。 御礼遅れて申し訳ありませんでした。
お礼
ありがとうございます。 やはり人口・石高から真相を推定するのですね。 当時の人口が記録に残っているものについては、そこから実兵力に近いものが推測できるのでしょう。ただしその実数と誇張された数値の関連性から法則のようなものが見出せるとも限らないようですね。 アンリジェミニをネットで調べてみましたが、よくわかりませんでした。