ある代数系で 0^0=1 とすることについて
体と言われる代数系においては、0に逆元0^-1はありません。
従って、0^0=0^-1*0^1=1 とはされていません。
逆に言えば、体でなければ、0に逆元が存在し、0^0=1 とすることができるだろうと予想されます。
次のような代数系を定義します。
-- ここから --
集合X = {0, 1} とする。
加法を以下のように定義する。
0+0=0, 0+1=1
1+0=1, 1+1=0
乗法を以下のように定義する。
0*0=1, 0*1=0
1*0=0, 1*1=1
この代数系では、体での基本法則は以下のようになる。
・交換法則と結合法則は、加法と乗法で成立する。
・加法単位元は0で、-0=0, -1=1 となる。
・乗法単位元は1で、1/0=0, 1/1=1 となる。
・0≠1。
・分配法則は成立しない。
-- ここまで --
この代数系で、べき乗を定義します。
べき乗:a^1=a, a^(n+1)=a^n*a より
0^1=0, 0^2=1, 0^3=0, …
1^1=1, 1^2=1, 1^3=1, …
さらに a^-1=1/a, a^-n=(a^-1)^n より
0^-1=0, 0^-2=1, 0^-3=0, …
1^-1=1, 1^-2=1, 1^-3=1, …
そして a^0=a^-1*a より
0^0=1
1^0=1
となります。
以上の結果から、次のことが分かります。
加法の単位元を0で表し、乗法の単位元を1で表すとき、0^0=1となる。
…という例が存在する。
つまり、0^0が未定義なのは、体に固有の問題であり、
分配法則が成立しない代数系では、0^0=1となることがある。
ここまでの計算とこの結論は妥当ですか?