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水は強酸?
HClは容易にH+を放出する強酸であることが広く知られています。 これはClがH中の電子を強く吸引するために起こる現象であると聞きました。 しかしながら、H2Oは電気陰性度の大きく異なるOとHから成り立っているにも関らず、H+を容易には放出せず(?)極めて安定な分子であることも習いました。 これって矛盾していませんか?
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既に#1、#2のお答えで適切な示唆がされていますが、簡単にまとめましょう。 1)HClは気体では強固な共有結合を持つ。 2)HClは水中ではじめてH^+(正しくはH3O^+、ヒドロニウムイオン)とCl(塩化物イオン)に分かれる。 3)その理由はH2Oがヒドロニウムイオンと塩化物イオンの周りに「配位」して多層のクラスターを作り、電荷を安定化するためである。 4)水(H2O)は解離しても直ぐ隣の分子から水素ないし水酸化物イオンが供給されてしまうので、解離定数が大きくなれない。 5)水を液体純塩化水素中に入れると解離して強い塩基となる。平衡は H2O + HCl ⇔ H2Cl^+ + OH^- 逆に液体純アンモニアに入れると解離して強い酸になる。平衡は H2O + NH3 ⇔ H2N^- + OH3^+ アンモニアも塩化水素も気相では全く解離しません。解離したら「プラズマ」です。
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- Tacosan
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HCl も H2O も共有結合ですが>#7. さておき, 「HCl が強酸である」という文言は本来無意味です. #3, #4, #6 で書かれていますが何が酸で何が塩基であるかは基準とする物質を示さなければなりません. つまり HA + B ⇔ A^- + HB^+ という平衡が存在するときに HA は酸, B は塩基となります (右辺から見れば逆に A^- が塩基で HB^+ が酸). HCl + H2O ⇔ Cl^- + H3O^+ となるので水と塩化水素との間では「水が塩基で塩化水素が酸」となりますが, 他のものを持ってくると NH3 + H2O ⇔ NH4^+ + OH^- HCl + HClO4 ⇔ H2Cl^+ + ClO4^- という反応も起こる (と思う) で, 前者においては水が酸として働いていますし (対応する塩基はアンモニア), 後者では塩化水素が塩基として反応しています (過塩素酸が酸になる). これとは別に自己解離 HX + HX ⇔ H2X^+ + X^- という反応もあり, この反応定数が自己解離定数 Kap です. 水の場合には特に Kw と書いたりもしますね. で HCl の自己解離定数は調べきれていないのですが, おそらく水より大きいだろうと思います. 大きさという点では OH^- と Cl^- との間にそれほどの違いがあるとは思えないので重さと水素結合の強さによるのかなぁ. ちなみに硫酸の Kap はかなり大きいです.
- debukuro
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イオン結合と共有結合の違いじゃないの 水は中性と定義されているので中性 でも皮膚をよく溶かすよな 人間から見たら中アルカリくらいかな
- htms42
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HClは強く解離するがH2Oはほとんど解離しない という議論はHClとH2Oを比較する議論としては穴があります。 #3の回答にヒントがあります。 H2Oの解離はH2Oの中で考えています。 比較するとしたらHClの解離はHClの中で考えるベきものでしょう。 純物質の性質子混合溶液での性質を単純に比較するわけには行かないはずです。確かに性質の違いはあるでしょうが水溶液で考えるほどの大きな違いではないでしょう。 HClの純粋な液体というのは考えにくいでしょうが濃硫酸であれば学校にもあります。実験で扱う場合もあるでしょう。 学校にある濃硫酸は96%程度ですから純粋というわけではありません。それでも普通に強酸と考えているイメージとは大きく異なります。Mg片を濃硫酸に入れてもほとんど反応しません。水で薄めてやると泡を出して反応します。 硫酸は塩酸よりも強い酸だと言われています。でも濃いときは電離がものすごく弱いのです。
なかなか興味深い議論だと思います。 一つの考え方として、周期表での酸素の位置を基準として、その周辺の元素の水素との化合物について考えてみます。 まず、周期表の前後について考えると、酸性度はNH3<H2O<HFになっています。つまり、原子番号が大きく、電気陰性度の大きい元素の化合物ほど酸性が強くなっています。これは電気陰性度の大きい元素ほどアニオンが安定である考えれば説明できます。 次に周期表の上下で考えます。そうすると、HF<HCl<HBrのようになっており、また、H2O<H2Sでもあります。これに関しては#2の説明でもありますように、イオン半径の大きさで説明できます。 こういった考察をまとめれば、NH3<H2O<HF<HClという順番は説明できます。H2Sがどこにくるかと言われれば「?」ですけど。 まあ、現実問題として、アニオンの安定性に関しては電気陰性度よりもイオン半径の方が重要な要因になっていると言うことでしょう。つまり、いくら電気陰性度が大きくても、現にその位置に負電荷がある以上、その負電荷のサイズが小さい方がH+を受け取りやすくなってしまうと言うことになります。
- htms42
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#3にある反応式についてです。 ブレンステッドの定義による酸・塩基を書いておられるのだろうと思います。溶媒が変われば酸性、塩基性の判断の目安になるイオンの種類が変わります。混乱しておられるように思います。 溶媒と溶質という関係が逆になったとき解離の式はどうなるかという点です。 ブレンステッドの定義に基づいて溶媒から生じるイオンを考えます。 ・水が溶媒の時の解離の式は H2O+H2O⇔H3O^++OH^- H3O^+を生じる物質が酸、OH^-を生じる物質が塩基です。 HCl+H2O→H3O^+Cl^- (HClは酸) NH3+H2O→NH4^++OH^- (NH3は塩基) ・HClが溶媒になった時 HCl+HCl⇔H2Cl^++Cl^- H2Cl^を生じる物質は酸、Cl-を生じる物質は塩基です。 H2O+HCl→H3O^++Cl^- (H2Oは塩基) NH3+HCl→NH4^++Cl^- (NH3は塩基) ・NH3が溶媒になった時 NH3+NH3→NH4^++NH2^- NH4^+を生じる物質は酸、NH2^-を生じる物質は塩基です。 H2O+NH3→NH4^++OH^- (H2Oは酸) HCl+NH3→NH4^++Cl^- (HClは酸) こうなるのではないでしょうか。 5)に書かれている式は >水を液体純塩化水素中に入れると解離して強い塩基となる。平衡は H2O + HCl ⇔ H2Cl^+ + OH^- これだとH2OはHClに対して酸として働いたということになります。H2OからHClにH^+が移っています。HClが溶媒の時、OH^-は塩基の目安ではありません。酸をHAとした時のA^-です。 >液体純アンモニアに入れると解離して強い酸になる。平衡は H2O + NH3 ⇔ H2N^- + OH3^+ これはだとH2OがNH3に対して塩基として働いたということになります。 NH3からH2OにH+が移っています。 溶媒を変えたからと言って HCl>H2O>NH3 という順番が変わるわけではありません。 酸、塩基が相対的になるだけです。 H2O,HCl,NH3の組み合わせで考えた場合、反応式が変わるわけではありません。意味が変わるのです。
- Ichitsubo
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同様にHとFからなるHF分子も容易にH+を放出しません。 むしろ、H^+を失ったあとの安定性が寄与すると考えた方がよいと思います。 HF,HCl,HBr,HIはこの順に酸性が強くなっていきます。これは F^-、Cl^-、Br^-、I^-の順にイオン半径がおおきくなり、 電荷がより分散するために安定化しているものと思われます。
- miracle3535
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酸性は水素イオン濃度の対数で示されます。 アルカリは水酸基イオン濃度の対数で示されます。 水は非常に電離しにくいので水素イオンがほぼ0になります。 水素イオン、水酸基イオンがなければ中性ですよね。