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塩化水素と水
HClやH2O(2は下付き)がイオン結合でなく共有結合である理由は何でしょうか? 参考書には共有結合の特徴として融点が非常に高いこととありますがどちらも高くないです。そもそも高い低いというのは相対的な関係なので何を持って高いというのかよくわかりません。 H+とCl-、H+が2個とO2-が1個と見てはいけないのはなぜでしょうか(+、-、2-は上付き)?
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こんばんは。whipwhopさんがこのような疑問を持たれるということは、化学の本質的・核心的なところに触れているからだと思います。真剣に勉強に取り組まれており、まじめな方だと感じます。 >HClやH2O(2は下付き)がイオン結合でなく共有結合である理由は何でしょうか? 「完全に共有結合である」のは、水素分子(H2)、酸素分子(O2)、塩素分子(Cl2)などのように、同じ種類の原子の間の共有結合のみです。塩化水素(HCl)などのように、異なる種類の原子の間の結合は、「共有結合性が何パーセント、イオン結合性が何パーセント」のように表します。以下をご参照ください。 http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E5%85%B1%E6%9C%89%E7%B5%90%E5%90%88 「共有結合 - 薬学用語解説 - 日本薬学会」 ----------------------------------- ある結合が共有結合性であるかイオン結合性であるかは結合にかかわる原子の性質による.水素分子や塩素分子は同一の原子から構成されており,電子は均等に共有されている.したがって完全に共有結合性である.しかし異なった原子,特に電気陰性度の差が大きい原子同士から成る分子では電子は均等に共有されておらず,結合が極性をもっている.したがって,そのような分子では共有結合とイオン結合の両者の性質をもつ結合となる.一般に電気陰性度の差が2.0 以上の場合,イオン結合とみなされるが,明確に分ける区切りというわけではない.たとえば,C-Mg 結合は共有結合性が65%,イオン結合性が35%というように表現される. ----------------------------------- 上の記述では、炭素-マグネシウム結合(C-Mg結合)の場合を取り上げ、共有結合性の方がイオン結合性よりも大きくなっています。この結合は、グリニャール試薬(Grignard試薬)という有機化学でよく用いられる試薬の中に存在する結合で、大学の有機化学で出てくるのですが、大学の有機化学の教科書には、 “C-Mg+”(-、+は上付き) と書かれている場合がよくあります。これは、C-Mg結合のイオン結合性を強調した書き方ですが、「共有結合性の方が高い」という数字から言えば、「共有結合である」ということになります。しかし、大学の有機化学で上のように完全なイオン結合のように書かれているのは、有機化学で扱われるグリニャール試薬の反応(グリニャール反応)では、 「炭素がマイナスに、マグネシウムがプラスに」 帯電して、結合が切れる、という性質が重要だからです。 長々と脱線したようですが、それではご質問の、 「HClやH2O(2は下付き)がイオン結合でなく共有結合である理由は何でしょうか?」 に対する答えとしては、私は、 「イオン結合ではない」 というのは言い過ぎで、 「部分的にはイオン結合である」 と言ってもいいと思います。しかし、高校(大学受験)のレベルでHClやH2Oの結合が「共有結合である」とされている(そういう答えが求められている)のは、 ・分子を構成する(“HCl”や“H2O”など。対して、《地球表面の条件では》“NaCl”という分子は存在しない)。 ・結合に方向性がある(「水分子の結合角が109°48′」などということが分かっている)。 ということが、高校課程で重要なポイントであるからだ、と思います。 (上で、《地球表面の条件では》と書きましたが、例えば地球の中心部とか、宇宙のどこかの星の太陽の何倍もの大きな星の中心とか、圧力が何ギガパスカル、温度が何千度・何万度などというような条件下では、“NaCl分子”などというものが存在するのかもしれませんが、それは確認されていません) >参考書には共有結合の特徴として融点が非常に高いこととありますがどちらも高くないです。そもそも高い低いというのは相対的な関係なので何を持って高いというのかよくわかりません。 これは、whipwhopさんに誤解があります。「共有結合の特徴」ではなく、「共有結合結晶の特徴」なのです。「共有結合結晶」とは、「共有結合だけで構成された結晶」のことで、ダイヤモンドがそうですが、HClでは、H原子とCl原子の間の結合は共有結合ですが、HCl分子とHCl分子の間には強い結合が存在せず、分子間引力という弱い引力で引き合っているだけなので、融点が低いのです。これは、分子間引力の特徴が現れたものです。一方、ダイヤモンドは、「分子」という構成単位が存在せず、 (「巨大分子」と言われることもありますが) C-C結合のみでひたすらつながった物質だから、融点が高いのです。 上で述べましたが、「大学受験で求められる答え」というものもあり、つきつめて考えると教科書に書いてあることも、よーく考えるとおかしな、矛盾したことがある場合がありますが、「実はこういう事実があるのだが、ここではこういうことが重要で、こういう答えが求められているんだ」ととらえて、勉強を進めていってください。
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- princelilac
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HClやH2Oは分子の形で、一粒ずつの独立した粒子です。共有結合がどのような結合なのかを、教科書で確認してください。 HCl は電解質なので、水に入れるとイオンに分かれてしまいます。このことが HC lがイオン結合だとの勘違いの原因になっています。 NaCl などはイオン結合です。これは電気的に陰陽が同数のイオンが集合しているのですが、一粒ずつの粒子ではありません。個体の状態だと陰陽が交互に整列しているようです。
お礼
判断基準を示してくれてありがとうございました。
補足
HClが何結合かを知りたいのではなく、なぜHClが共有結合であると結論づけられるのかというのが質問の趣旨です。「一粒ずつの独立した粒子です。」のような文学的な理解の仕方をしたいわけではありません。
- htms42
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>参考書には共有結合の特徴として融点が非常に高いこととありますがどちらも高くないです。 参考書にそんなことが書いてありますか。 よく読んでみてください。 融点というのは物質の性質です。 結合の性質ではありません。 物質を作る原子がすべて共有結合で結びついているのであれば全体はものすごく丈夫なものになりますから少々加熱しても簡単にはバラバラになってくれません。でも一部の結合が共有結合であるというだけであれば全体としては少しの加熱ですぐにバラバラになります。 〇-〇-〇-〇-〇-〇-〇-〇-〇-〇-〇-〇 (A) 〇-〇 〇-〇 〇-〇 〇-〇 〇-〇 〇-〇 (B) 〇は原子、-は共有結合を表しているとしてください。 (A)と(B)とは違いますね。 共有結合でつながった原子のまとまりが分子です。まとまり方が異なっていれば別の分子です。 分子は簡単には壊れません。 融点、沸点が存在するということは固体、液体、気体を通じて同じまとまりが存在しているということです。 違うのはその集合状態です。H2Oのまとまりは固体、液体、気体において存在しています。水蒸気を加熱してもH2Oはそのままです。加熱だけではH2Oはほとんど壊れません。1000℃でもほとんどそのままです。 電子の共有で分子ができるというのは授業でやっているはずですね。 水はH2OであってH3Oではないというのはどうしてかというのもやっているはずです。ある水分子と隣の水分子の間には共有結合は存在しないのです。ただ集まることができるというのは何らかの力が働くからだということも言えますが弱いです。気化熱というのは分子の集合体をバラバラの分子のに必要なエネルギーです。H2OのHとOを切り離すのに必要なエネルギーではありません。 全体が共有結合でつながってできている物質の例としてダイヤモンドが教科書に載っているはずです。参考書にも載っているでしょう。
お礼
もっと勉強します。 ありがとうございました。
補足
まとまり方というのは何ですか?NaClは上、HClやH2Oは下ということですか?なぜそう分類されるということがわかるのですか? H2Oが壊れないという説明の部分は2番の人の説明と違うようにみえますがどちらが本当なのでしょうか? 融点が存在するというのはどういうことでしょうか? 参考書には以下の内容が表になっています。 種類 イオン結晶 分子結晶 共有結合の結晶 金属結晶 主な成分元素 金属元素非金属元素 非金属元素 非金属元素(C,Si,O) 金属元素 硬さや状態 硬い、もろい やわらかいもろい 非常に硬い 展性・延性に富む、光沢 融点 高い 低い 非常に高い 高いものも低いものもある 電気伝導性 結晶にはない加熱融解である ない ない ある 例 NaCl,CaO,KI CO2,I2,C12H22O11 C,Si,SiO2 Na,Fe,Al,Cu 電子の共有で分子ができるというのがそもそも理解できません。Na+とCl-の場合とH2Oの場合とで何が違うのかわかりません。電子を共有するという表現自体が言葉の遊びにしかみえないのですが何が違うのでしょうか? ダイヤモンドは載っていますがダイヤモンドとHClやH2Oは別物なのでダイヤモンドが共有結合だからといってHCLやH2Oが共有結合という結論はそこからだけでは導けないのではないでしょうか。
- ORUKA1951
- ベストアンサー率45% (5062/11036)
>参考書には共有結合の特徴として融点が非常に高いこととありますが 塩化水素や水が共有結合の固体を作ってないですよ。!!!!分子間力による結晶です。 なお、水は他の分子間結晶よりも際立って融点は高いですよ。0℃になるまで溶けない。 もう一度最初から、参考書なり教科書をしっかり読みましょう。 ・周期表で(典型元素は)族によってよく似た性質を持つのはなぜか ・金属元素と非金属元素は何が違うのか ・金属元素どおしは、固体を作るとき何結合か・・そのときの性質は? 液体のときは? ・非金属元素と金属元素は、固体を作るとき何結合か・・そのときの性質は? 液体のときは? ・非金属元素どおしは、何結合で結びつくか? そのとき、ダイヤモンドのように結びつくときと分子を作るときがある。 ・分子が固体や液体になるときは、どんな力が働くか?? もう一度、最初から「物質の成り立ち」を復習してください。上の各項目が説明できるようになったら、貴方の疑問は解消するでしょう。
お礼
水は他の分子間結晶よりも際立って融点は高いですよとありますが、なぜ0度は高いと考えるのでしょうか?高い低いは相対的なものであって比較対象がなければ意味のない表現と思います。
補足
塩化水素や水が共有結合の固体を作ってないというのはどうやってわかるのでしょうか? 参考書を最初からじっくり読んでいてわからないので質問しています。それでじっくり読みましょうといわれても困ります。 それ以下のお答えの部分には今はまだ触れたくありません。今はイオン結合と共有結合の違いを理解したいです。
- NiPdPt
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イオン結合というのはイオン結晶の中でのみ見られる結合です。 たとえば、NaClの結晶などがそうですけど、そこでNa+は1個のCl-と結合しているわけではありません。6個のCl-に囲まれていて、それらと等価な結合を形成しています。それがイオン結合です。水溶液中ではそれはなくなります。 HClや水を冷やせば固体になりますが、個々の分子はH-ClとかH-Oとかの共有結合を形成していますが、それ以外は分子間力(水素結合を含む)でつながっています。Clと結合しているHは1個だけであり、Oと結合しているHは2個だけです。 たとえば、NaClとH2Oの結晶構造の図を比較してみると、前者ではNaClが構成単位になっておらず、後者ではH2Oが構成単位になっていてH2Oの分子構造がわかります。
お礼
ありがとうございました。
補足
なぜNaClは結晶でHClやH2Oは結晶ではないのでしょうか? 共有結合と分子間力の区別はどうやってつけるのでしょうか? 構成単位とは何でしょうか?NaClは構成単位でないのでしょうか?
お礼
その奥に何があるのか興味をかきたてる回答ありがとうございました。もっと勉強したくなりました。