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数演算子と生成消滅演算子
[n,a]=-a 数演算子と消滅演算子は可換でない(生成演算子についても同様) この式の物理的意味は何でしょうか? 交換関係のイメージがつかめなくて困っています。 よろしくお願いします。
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[N,a]=-a もしくは、[N,a†]=a† は生成消滅演算子の基礎的な関係というだけではありません。この関係式から a|0> = 0 となる真空の存在を仮定すると dim ker a†a - dim ker aa†= 1 これから Tr[exp(-a†a)] - Tr[exp(-aa†)] = 1 しかしaが有限次元行列であれば Tr[exp(-a†a)] - Tr[exp(-aa†)] = 0 となるはずです。このことから位相演算子の異常な振る舞いは避けることができないことが分かります。このように正しい指数が切断を有限にしたときと異なる現象は物理的には量子異常、数学的には指数定理と呼ばれ、非常に重要です。
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- grothendieck
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数演算子と消滅演算子が可換でないことは、粒子の個数と位相の不確定性(同時観測可能でない)を意味します。消滅演算子を振幅部分と位相に分けて a = √N exp(iφ) とすると、[N,a]=-a は[N,φ]=i を意味し、個数と位相の不確定性 ΔnΔφ≧1/2 が導かれるとかっては考えられていました。これは厳密には正しくなく現在は上の関係式はnが大きい極限で成立すると考えられています。位相の演算子は簡単には定義できないのです。 Lynch,R.;Phys. Rep. 256 (1995), 367 http://arxiv.org/abs/quant-ph/0307156 しかし数演算子と消滅演算子の非可換性は、個数と位相の不確定性を表すこと自体は間違いではないと思います。 消滅演算子の固有状態はコヒーレント状態と呼ばれ、量子光学などで重要です。
- rnakamra
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普通、可換でないということは同時観測が可能でないとかの議論になるのですが、そもそも消滅演算子"a"はエルミート演算子ではないため観測可能な物理量演算子ではない。 可換では無いということは、数演算子"n"(これは観測可能な物理量演算子)の固有状態に働かせると元の状態とは異なる状態が得られることを意味します。(これは何らかの物理操作で状態が変化するということに必ずしも対応していない) nの固有値αの固有状態を|α>とすると、|α>に消滅演算子aを働かせたa|α>に数演算子nを働かせると na|α>=(na-an+an)|α>=([n,a]+an)|α>=-a|α>+an|α>=-a|α>+αa|α>=(α-1)a|α> となります。つまり、a|α>はnの固有値(α-1)の固有状態であることがわかります。 このことから、消滅演算子aはnの固有状態に働きかけることで固有値が1小さい固有状態を作り出す演算子であることがわかります。 条件次第で、有限個の固有状態を導き出したり(回転数演算子、スピン量子数演算子の場合)、無限個の状態を導き出したり(調和振動子の場合)することが可能です。