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俳句:木にのぼり 鬼になるなり 夕??
この俳句をご存じないでしょうか? 「木にのぼり 鬼になるなり 夕??」 この俳句は中学か高校の教科書で出会ったものです。初めて見たときのゾクッとする感じが忘れられず、ときたま思い出しています。なお、夕??は人の名前(女性)であったように記憶しています。 宜しくお願いします。
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この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉 三橋鷹女 夕紅葉の血の騒ぐような赤さに、女のうちの「鬼女」が呼びさまされる感覚を詠むが、謡曲「紅葉狩」からの暗示もあるか。(『続折々のうた』P.136) ぞっとするような妖しさがあって念頭においてる俳句と同じものかもしれません。 それにしても、紅葉の鮮烈さと女の妖しさと、お互いがお互いを際立たせていて見事な出来映えですね。漱石が王維の詩を評した言い回しを借りれば、只「十六」字のうちに優に別乾坤(別世界)を建立している、といったところじゃないでしょうか。 ちなみこの人、「女であることの宿命に終生いどみつづけて句を作り」、「女性的な情念や自意識を詠み抜いた」そうで、「多少の誇張癖」もあるそうです。この句にもその色が出てますね。 以下はいずれもネットで見かけたものです。 http://www.chikumashobo.co.jp/kyoukasho/tsuushin/rensai/jugyou/003-02-01.html Climbing this maple tree leaves burning red in the setting sun I must become a female demon Climbing this tree I’ll surely be a female demon maple in the evening sun
お礼
まさにこの俳句です。ありがとうございました。 記憶の中でだいぶ変形していまっていたのに、よくぞ気づいてくださいました。 実のところ、何度も思い出すうちわたしの記憶ではだいぶ違う解釈になっていました。 「夕??という女性が(何かの恨みか狂気で)木にのぼり鬼に成る」という、だいぶオドロオドロしい話になってしまってました。お恥ずかしいです。 ご紹介のURL先の解説を読むことで、確かに当時の授業でもそんな説明だったかもしれないとやっと思い出すことができました。 >別乾坤(別世界)を建立している これは最初にこの句を目にしたときの感覚に重なります。 当時はぼんやりと授業を聞いていたので大抵の句は忘れてしまったのですが、その中でこの句は「~登らば~なるべし~―。」というリズムに軽い衝撃をうけて、そのイメージだけをずっと覚えていたのだと思います。