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シュミレーションと現実のギャップについて
現在数値解析法(主に固体材料)の研究をしている院生です。経験ある方のアドバイスを頂ければと思い投稿しました。 私は企業で機械設計や生産技術者として働き、設計段階での誤った方針が後工程(部品加工業者や社内後工程)で大きなロスを生む事を身をもって体験してきました。そこで仕様を満足する為の正しい工学上の方向性を出す道具として、CAEは有効だと体感しそれを学ぶ為に院へ戻りました。目的は新しい解析技術を提供し、社会の設計者と後工程の方の苦労を少しでも軽減し、日本の物作りに貢献したいと思ったからです。 しかし、現在所属する研究室は数値解析の専門家のラボですが、少し違和感を覚えているのが正直なところです。理由は支配方程式を構築し、それを解く手法に重点を置き、実際の現場(現象)を見る事無く数式だけで研究を進めている点です。せめて実験等で見れる物は現場で見る事で得るものは多いと思いますが、そうはしません。実験屋と理論屋は別れています。それがアカデミックな世界では当然なのかもしれませんし、現物が見れない場合(原子レベル等)は仕方がありませんが、実際の現象を見ずに「らしい解」を得る解析手法の研究に近い印象を現在は受けています。 私が企業で現場主義だった為かもしれませんが、大学での数値解析手法とはやはり現象を実際見ずに進めたりする物なのでしょうか?現場の方や研究者の方のアドバイス宜しくお願いします。
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質問は判るような気もしますが、逆に問いたいのは、質問者はシミュレーションに何を期待しているのかということです。御存じのように計算するということは計算条件、入力条件によって多分どんな値でも出してくれるでしょう。従ってこれらの条件は厳密な根拠を持っていなければ意味がないと思われます。質問者のいう現場というものを厳密に数式化、数値化すれば計算条件として計算の中に入ると思います。安易な「現場主義」はごまかしになる可能性を有しています。質問者のいう「大学での数値解析手法とはやはり現象を実際見ずに進めたりする」というのは誤解です。質問者が希望するのであれば「現象を実際にみて」、それを反映する計算プログラムを作成して結果を出すべしというのが計算科学上の要請だと思われます。 最近の数値解析をやる人を見ていると計算原理は「ありき」で出発して、ひたすら使う技術をおさめているような気がします。個体力学で例えば有限要素法の原理を把握して、その枠組みに乗る形で質問者は自分の希望を実現されるべきです。
お礼
回答ありがとうございました。 まず >。質問者が希望するのであれば「現象を実際にみて」、それを反映する計算プログラムを作成して結果を出すべしというのが計算科学上の要請だと思われます。最近の数値解析をやる人を見ていると計算原理は「ありき」で出発して、ひたすら使う技術をおさめているような気がします。 このご指摘を頂きたかったのかと思います。自分ではそう思って研究を始めましたが、周囲は解析技術にのみに注力している感がしたためです。 >逆に問いたいのは、質問者はシミュレーションに何を期待しているのかということです。 例えば大変形問題、亀裂伝播等の現象を部品形状で考える場合、正確でなくてもこの形状で方向的には問題を防げるというのを知る技術開発を期待しています。正確であればそれに越した事ありませんが、指摘のように現物の境界条件は複雑で、単純化したモデルで近似解放の有限要素法等に厳密解は求めていません。 >個体力学で例えば有限要素法の原理を把握して、その枠組みに乗る形で質問者は自分の希望を実現されるべきです。 ご指摘どおりです。現在有限要素法をベースにした新しい解析法を研究しているので、それを有限要素法が適用できないモデルに適用し、実際の現象の「近似と同じ方向性」が出せるアプローチをしたいと思います。