• ベストアンサー

現代中国の簡体字と書道

現行の中国簡体字は楷書になじむものなのでしょうか。中国の書道家は簡体字を積極的に自分の作品として取り入れているのでしょうか。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • jayoosan
  • ベストアンサー率28% (929/3259)
回答No.2

書道は小学校のときの習い事以来やっていないので、よくわかりません。 簡体字導入に際しては、書道家や歴史関係者、教育関係者などから反対する声が多かったことは読んだことがあります。ただ政治的な判断が優先される共産党の中国ですので、抗うことはできなかったのだと思います。特に文革時に入ると、共産党が決めたことに反対する活動はさらに人目につかなくなったと思います。 (中国は人権が理屈の上でも事実上も存在しないといわれます。共産党(党員ら含む)の権利は認められており、軍隊も中国の国軍ではなく共産党を守るための人民解放軍であることを記述されています。これらは一般市民の人権の上にあると考えられているそうです) 数年前に簡体字で書道をやろうという運動が起こったとニュースで読んだことがあります。ということは、簡体字の書道が当たり前ではなかった可能性もあります。 また書道自体が、日本もそうですが、篆書とか隷書とか、「書体」を楽しむ芸術でもあるので、「字体」である簡体字にこだわる必要はないのかもしれません。 中国の書道を表す「書法」で検索すると、やはり簡体字を当たり前に採用しているものは少ないような気がします。 http://images.google.com/images?um=1&hl=en&q=%E4%B9%A6%E6%B3%95&btnG=Search+Images http://image.baidu.com/i?ct=201326592&cl=2&lm=-1&tn=baiduimage&pv=&word=%CA%E9%B7%A8&z=0 なお簡体字に「字体」とかっこをつけたのは、中国人も書体の体と字体の体は、違う認識をしていることが中国にいたときわかったからです。 すなわち書体は、書のスタイルですが、簡体字/繁体字は字のスタイルです。 私と香港人が簡体字と繁体字(香港/日本の漢字)を混在させて文字を書きながら話していると(会議でホワイトボードなどを使って)、彼らは「これは簡体」「こちらは繁体」という言い方をよくしていました。 つまり字はたしかに簡体字/繁体字なのですが、字を省いていて、わざわざ「これは○○字」というのはくどいみたいで、「簡体」「繁体」と字のスタイルの違いとして指摘してきたものです。 彼らは篆書、隷書などの書のスタイルと、簡体/繁体の字のスタイルをちゃんとわけて認識していました。 たしかに書体なのに「篆書体」とは、あちらもあまりいわないですよね。 中国で銀行口座やアパートの契約などをいろいろしましたが、日本みたいに「楷書ではっきりと」と指示やアドバイスが書いてあるものは出会ったことがありませんでした。ただ、1つだけ「読みやすく書くように」と書かれているものはありました(何の書式だったか忘れましたが)。

noname#194289
質問者

お礼

ご丁寧にご体験を交えて説明していただき、誠にありがとうございました。大変為になる御はなしでした。

その他の回答 (1)

  • jayoosan
  • ベストアンサー率28% (929/3259)
回答No.1

簡体字は、戦後施行された字体ではあるのですが、もともと草書をベースに(参考に)しています。ですので、楷書とはもともとの書に対する発想が異なります。 楷書は正書ともいわれますが、一画一画を続けず、筆を離し、方形に近い。草書は、速く書くことができるように省略が起きていますが、これは簡体字も同じ。 書体(フォントの意味ではなく、書のスタイル)が異なります。 また草書自体は戦前の日本人も、達筆な方は手紙などにその流れるような書体を残しています。 たとえば内地(日本から)満州の関東軍へ当てた手紙とか、東条秀樹が残した手紙でみたことがありますが、そこでの「東」という時は、現在の中国簡体字の「東」(东)そっくりです。 さすがにネットには彼らの手紙の写真はありませんでしたが、下記サイトに草書の「東」があります。 http://plaza.rakuten.co.jp/hirofox6204/diary/200805150003/

noname#194289
質問者

補足

御回答は大変参考になりました。私が知りたかったのは現代中国の書道家が正字とされる簡体字をどのようにして自分の作品として取り上げているかどうかということだったのですが、そういうことは楷書と行書の違いから考えればあり得ないということでしょうか。

関連するQ&A