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三井住友銀行の合併。
先日の日経新聞に、三井住友銀行が、規模も小さいわかしお銀行に吸収合併されたと書いてありました。狙いは会計上の合併差益を大きくして不良債権処理に当てる、と有りましたがどういうことなのか良く分かりません。分かり易く御説明頂けますでしょうか。宜しくお願い致します。 またこの件に関して詳しく記載されているページ等がありましたら教えて下さい。
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まず肝腎なのは、合併差益というのは単に会計上の話であって、それ自身がキャッシュを生んだりするわけではない、という事です。例えば、自己資本10億円、総資産100億円(つまり負債は90億円)の会社と、自己資本20億円、総資産200億円(つまり負債は180億円)の会社が合併すれば、どちらがどちらを吸収しようが、できあがった会社は、自己資本30億円、総資産300億円の会社にしか、なりようがありません。キャッシュを手に入れるには、外部との取引で儲けるか、あるいは資産を外部に売るか、金を外部から借りるか、どれかをする必要がありますが、合併は言うまでも無く、このどれでもありません。(合併に伴って、被合併会社の株主にキャッシュを払ったりする場合は勿論別です。あくまで『合併』という事実のみについてです。) 合併差益と言うのは、吸収される方の会社が例えば自己資本20億円の会社だったとすると、吸収する会社が、その20億円を、10億円の資本金と10億円の利益(=合併差益)にわけて受け入れる、という事です。(会計上の厳密な用語は使っていません。) No.1の方が、末尾に参考URLとしてリンクを入れたページが、一番判りやすい説明だと私も思います。 三井住友銀行のやった事は、「準国有化」を避ける為の『会計操作』といって良いと思います。銀行の規模が圧倒的に違うので、合併前と後で実態としてはほとんど違いが無いと言えますが、三井住友銀行を被合併会社にする事で、先程の例のように、今の自己資本を、「資本金」と利益の累積である「剰余金」にわける事ができます。ご存知かと思いますが、自己資本には配当に回せない資本金や資本準備金といった部分があり、大雑把に言えば「剰余金」しか配当に回せません。三井住友銀行のみならず日本の銀行は、多額の不良債権処理、株式評価損・売却損などで、配当に回せる部分がどんどん減ってきています。しかし無配になると、公的資金が買った優先株が普通株に転換され「準国有化」されてしまいます。今回の吸収合併で、三井住友銀行は、自己資本比率は変えずに、自己資本の中の資本金・資本準備金部分の比率を下げる事で、不足していた配当原資を積みます事ができます。
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- imeruchan
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資本金の小さなわかしお銀行を存続会社として合併する際に、三井住友銀はわかしお銀と同程度まで、資本の圧縮を行ないます。 実質的に減資ということになりますから、一時的に潤沢なキャッシュフローを得ることができます。 報道にある合併差益を不良債権処理に、というのは、ここで生まれたキャッシュフローを引き当てることを指しています。 合併せず単独で減資を行なうと、自己資本比率が下がり海外業務などが行えなくなってしまいますから、規模は小さくとも安定性のあるわかしお銀との合併により事業の縮小を回避しつつキャッシュフローを得ようという、荒技ですね。 企業会計の専門家ではないので表現に誤りはあるかもしれませんが、大筋はこんな感じです(^-^;
- taknt
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お礼
御礼が遅くなって済みません。詳しい説明有難う御座いました。