法学部の学生です。共同不法行為について教えて下さい
(1)絶対免除と相対免除
Aに対して、XとYが共同不法行為をした場合、
AはX,Yそれぞれに全額の損害賠償を請求できますよね。
そして、相対的免除とは、
XとAの間に和解が成立しても、Yに対してはなお損害賠償請求が可能であるということで、
また、Yが払った分をYがXに求償すると、XはAに対して不当利得に基づく返還請求をすることになるが、
それを避けるために免除の絶対効は否定される、と学びました。
そうなると、以下の判例の意味が理解できません。
・AがXに対して損害額合計4000万円を請求している訴訟の中で、Xとの間で2000万で全てを解決する和解を締結
・高裁は、Aの損害額の全体を基礎にして、Xが自身の責任範囲(負担部分)を超えて払った分(2000万-負担部分1600万=400万)についてのみ求償を認める(免除の相対効の貫徹)
・最高裁は、和解の趣旨に関して、他方加害者Yの責任も免除する意思があったとして、免除の絶対効をみとめた上で、
2000万についてXからYへの負担割合による求償(2000万-負担部分800万=1200万)を肯定
高裁判決については、Yが2000万円払い、
絶対的免除ではないからXにも求償できるということだと思うのですが、
最高裁判決に関しては、絶対的免除なら、Xはもう一銭も払わないのではないのですか?
「XからYへの負担割合による求償」というのも、意味がわかりません。
(2)相対的過失相殺
共同不法行為者をA,B、被害者をCとする。
過失割合がA:C=3:1,B:C=2:1で、Cに600の損害が生じたとき、
CはAに対して600×3/4=450,Bに対して600×2/3=400の賠償を請求できる。
AとBの責任の重複する400について、不真正連帯債務が認められる。
最終的なA,Bの負担は、両者が連帯して負うべき責任400を基礎にして、
Aは400×3/5+50=290 Bは400×2/5=160 となる。
という事例があったのですが、初めに計算した額は850なのに、
最終的には290+160=450になってしまいましたよね。
不真正連帯債務なら、それぞれ450,400を賠償するのではないのですか?
長々とすみません。
是非回答よろしくお願いしますm(_ _)m
補足
コメントありがとうございます。 説明不足との指摘をうけて、読み返したところ、私の読み込みがたらなかっただけでした。 近江幸直先生の民法講義IV(第二版)のp242には、「加害者不明の場合」の規定である719条1項後段について以下のような記述がなされています。 概略は、「この規定は、因果関係の推定規定であって、因果関係の不存在が立証されたならば、免責・減免される。すなわち分割責任となる。」 ということでした。 ご指摘ありがとうございました。