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公務員の業務中の不法行為は?

会社員が業務時間中に第三者に対して不法行為をした場合は、当該会社員に民法709条に基づく損害賠償責任と、その使用者の両方に対して使用者責任を問うことができ、当該会社員のみ、もしくは使用者のみのどちらかのみに対して損害賠償請求ができると思うのですが、 公務員が第三者に対して不法行為をなした場合は、何を理由に損害賠償責任を問うことができるのでしょう?民法709条は関係なく、国家賠償法1条1項のみに基づき、賠償責任が問われることになるのですか? 国家賠償法1条1項は、「国又は公共団体の公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と規定していますが、公務員が職務上第三者に対して損害を与えた行為は、そもそも「不法行為」とは呼ばないのでしょうか? どなたか教えていただけましたらありがたいです。

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  • ベストアンサー
  • chimney
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回答No.5

実は国家賠償法において国や地方公共団体が責任を負うとされた場合、 公務員自身も被害者に対して直接責任を負うかどうかは法律に明示されていません。 故に学説は多数の否定説、少数の肯定説に分かれています。 個人に負わせるべきではないとする否定説 ・国家賠償法は国が賠償責任を負うことで被害者の救済を全うするものであり、 個人に責任を負わせることは被害者の復讐心を満足させる以外に実益がない ・直接責任を認めると、公務員の職務執行を萎縮させる恐れがある 個人に負わせるべきとする肯定説 ・国家賠償法は従来認められていなかった国の責任を明示したものであり、公務員個人の責任を否定したものではない ・求償権は国と公務員との内部関係の問題であって被害者との対外関係を拘束するものではない ・故意、重過失の場合であっても求償はできるとしても、公務員の責任をとえないとするのは、公務員を必要以上に保護し、責任意識を薄くする恐れがある という説があるのですが、 現在は最高裁判決により否定説が定説となっています。 実際問題としても公務員個人を相手に訴訟を起こしたとしても、額が大きいだけに支払能力がない場合がほとんどですので、被害者も訴える利益がないことが多いということもあります。

noname#8557
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 おっしゃるとおりですね。 実際に、それでも公務員個人も相手どって訴訟をされる人は、おそらく心情的な問題が絡んでいるんじゃないかと思いますが、個人的な恨みや本人も訴訟に関与させることで間接的に被害感情がいくらかましになるといった間接効果をねらったもの(そういう理由が法的にいいのかどうかは知りませんが)でもなければ、そもそも個人を相手取る必要性がないと思います。

noname#8557
質問者

補足

ちなみに、普通は、「不当に他人に損害を与える行為」=「不法行為」ですが、公務員自身が責任を問われないとすると、「不法行為」という言葉は使えないのでしょうか?

その他の回答 (4)

  • jazz04
  • ベストアンサー率34% (43/123)
回答No.4

損害賠償の相手としては、民間と公務員とでは対象が異なります。 公務員が公務を行う際に、民間に損害を与えた場合は、国や公共団体が賠償する事になっています。公務員個人が民間に損害を賠償する事は原則としてありません。 しかし、公務とはいってもその公務員の行った不法行為が常軌を逸脱しているほど大きな場合には、国や公共団体は民間へ支払った賠償金をその公務員本人へ弁償するよう求める権利(求償権)があることになっています。 なので、賠償請求は公務員を所管する官庁が対象になります。公務員個人へは請求できません。 公務員の公務はかなり広い意味で捉えるられます。それで法律の専門家へ個別の事情を相談される事をお勧めします。

noname#8557
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >公務員が公務を行う際に、民間に損害を与えた場合は、国や公共団体が賠償する事になっています。公務員個人が民間に損害を賠償する事は原則としてありません。 私もそう理解しておりました。 たまに公務員個人も被告として相手どってる訴訟もあるようですが、公務員個人に対する請求は原則却下されてますよね。 >賠償請求は公務員を所管する官庁が対象になります。 これは結局「国」ということでよいのですよね? >公務員の公務はかなり広い意味で捉えるられます。それで法律の専門家へ個別の事情を相談される事をお勧めします。 類似する事件の判決を見たことがあるので、大体の法律構成はわかるのです。私が見た事件においては、公務員個人に対する請求は却下、国の賠償責任は、違法性を有する程度とは認められず棄却でした。結局の論点は、請求の原因となった公務員の行為が違法性が認められるほどひどいものであるかということだと思うのですが、それは裁判所の判断だと思うのです。 ただ、公務員個人の責任が問えない場合、公務員個人の行為について国の責任があるという論理をどのようにすればいいのか、「公務員個人が職務を遂行するうえで、故意または過失により不当に第三者に損害を与える行為をなしたから、国は当該損害について賠償責任を負う」というだけでいいものなのかと思いまして。

  • utama
  • ベストアンサー率59% (977/1638)
回答No.3

国賠法1条1項も、民法の使用者責任も要件・効果は同じです。 戦前は、民法と言うのは、私人対私人の関係を規定したもので、国家対私人には適用されないというような考えにより、国家は原則として不法行為責任を負わないという考え方がありました。 今では、国家もある程度は、当然に民法の適用を受けると考えられていますが、公法と私法を峻別するという精神は依然として残っているため、理論的に考えると、本当に国家に、一般の会社と同じような使用者責任が認められるかという点に疑問が残らないわけではありません。 このような事情によって、国家にも私人と同様の不法行為責任があるということを明らかにするため、民法とは別個の規定がおかれていると考えられます。

noname#8557
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 A氏がC社に勤務する会社員(B氏)の不法行為について損害賠償請求する場合、おおまかにいって「Bの行為は不法行為であるので、BはAに対して民法709条に基づく損害賠償債務を負う。CはBの行為について使用者責任を負う。」と書きますよね。 B氏を公務員X氏と置き換えたとすると、判例では公務員個人は職務上の行為に対して損害賠償責任を負わないとされていると聞きましたので、どう書けばいいのかと思ったのです。実際、公務員の職務上の行為について損害賠償請求をする場合、弁護士が代理人としてついている事件でも、公務員Xに民法上の不法行為を問い、国に国賠法に基づく債務を請求していることもしばしばあるようなのですが、どうせ公務員個人に対しては損害賠償請求が法律上原則としてできないのであれば、最初から公務員個人は被告とせずに、国賠法に基づき国だけ被告とすればよいと思うのです。 そうすると、請求の趣旨として、「XはAに対して(かくかくしかじかの経緯でかくかくしかじかの)損害を与えた。よって国は国賠法1条1項に基づきXに対して○○円の損害賠償責任を負う」とするのかなあ、なんか文章としてしっくりこないなあ、と思いまして。 >理論的に考えると、本当に国家に、一般の会社と同じような使用者責任が認められるかという点に疑問が残らないわけではありません。 そういう意見もあるというのは私も存じ上げていますが、そうすると、公務員個人は職務上どれだけ馬鹿なことをして他人に損害を与えても、被害者は誰にも責任を問えずに、被害者が救済されないことになってしまいますので、それはむしろ少数意見だと聞いたことがあります。

  • chimney
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回答No.2

飛躍はしていない気がします。 そもそも憲法では17条において公務員の不法行為に対する賠償請求を認めています。 その内容を具体化しているのが国家賠償法です。 加えて国家賠償法は国や地方公共団体に賠償責任に関する一般法ですので5条では他の法律の適用を認めています。 国税徴収法112条1項・消防法6条3項・郵便法68条などなど。 ちなみに実際は国賠法1条1項よりも2条1項のほうが多く使われています。 1条1項は「故意又は過失」を証明しなければなりませんが、2条1項は「設置又は管理の瑕疵」であれば良く、無過失責任とされているからです。 何かしらの理由をつけて2条1項で請求している場合が多々あります。

noname#41546
noname#41546
回答No.1

具体的な事情を書いてもらわないと正確な判断ができませんが…、一般に、公務員の違法な職務執行で損害をこうむれば、国家賠償法に基いて国などに損害賠償請求できます。 本件での問題はおそらく違法性でしょうね。適法な職務執行であれば賠償請求できません。

noname#8557
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >適法な職務執行であれば賠償請求できません。 それはごもっともですけれど、それを判断するのは裁判所になると思いますので、ここでその判断をお聞きするつもりはありません。 むしろ、「適法な職務執行でない」と仮定した場合に、技術的に、何を根拠に損害賠償請求できるといえるのかをお聞きしたかったのです。 公務員AはBに対して(かくかくしかじかの経緯で)損害を与えた。よってBは国に対して国家賠償法1条1項に基づき損害賠償請求する、といくぶん飛躍した言い方でいいのかお聞きしたかったのです。

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