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美術史について

 大学で美術史(絵画の歴史)についてを勉強しています。  それで最近、ふと、思うのですが、絵画に暗示された意味みたいなものについて「本当にそんな意味があるのか?」と疑念を抱きます。  例えば、西洋の絵を例にあげます。男女が描かれた画中に子犬が描いてあると、「子犬は貞節を意味する」と教授はいいます。ですが、どこにそんな根拠があるのですか?画家がそんな意味を持たせるためにその子犬を描いたという証拠は?単に画中の男女が飼っていた子犬かもしれないじゃないか、とか思うのは私だけなのでしょうか。画家自身が残した文献などに「子犬=貞節」としるされているならなるほど、と納得できるのですが。最近の学者が勝手に描かれたモチーフに意味づけして、「隠された謎」と銘打って、「こんな意味が隠されていれば良いな」「そんな意味が隠されていればおもしろそう」としているだけ、ということは考えられないでしょうか。こんなことを同じ学科の友人に話したら、「そんな夢のないこと言うなら大学やめれば?」と言われました。大学の講義自体はとても面白いと思います。なので、大学を辞める気は毛頭ありません。勉強も続けます。  こんなこと考えている私がひねくれているのでしょうか?  こんなことなので、専門にしている教授陣には怖くて聞けません。  みなさんはどう考えますか?

質問者が選んだベストアンサー

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  • m-tahara
  • ベストアンサー率38% (383/983)
回答No.1

 一般の方ならともかく、美術を研究される方からこのような質問が出ることに驚きを禁じ得ません。  果たして21世紀はどういう時代になっていくのでしょうか。  嫌味はさておき。  御質問の内容は「図像学」という一つの学問領域をなしており、決して「教授の思いつき」などではありません。  この基になっている「アトリビュート」は既に16世紀末には文献化されているようですので、起源はそれよりも遡ることは間違いありません。  また、中世~近代以前における西洋絵画において、何故ほぼ同じような主題の絵が繰り返し書かれるのか、そしてある主題の絵には何故同じモチーフが執拗に、と言ってよい程描き混まれているのか、ということを、専門学生として研究されるなら真剣に考え、実作品を出来る限り目にされることをお薦めします。  そうすれば、それが決してたまたまではないことが判ってくるのではないでしょうか。  もしそれでもそんなことはない、自分が正しい、と思われるとしたら、それは「図像学」に新しい学説を提起されることになりますので、是非学会、専門誌などで発表されることをお考えになってはいかがでしょう。  ごく簡単にではありますけれど、参考URLでもこの辺りを解説してくれています。  また、朽木ゆり子「フェルメール全点踏破の旅」(集英社新書)では比較的図像学的解釈に否定的であった著者がフェールメール作品を求めて逍遙するうち、ある程度それを肯定する立場に転じざるを得なかった、という実感を吐露されています。これも参考になる御意見かと思います。

参考URL:
http://www.paintweb.jp/text/icon.html
a-lily
質問者

お礼

 とても参考になるご回答をありがとうございます。  「図像学」という学問があることを全く知りませんでした。勉強不足な上、否定してかかるなど言語道断、お恥かしいです…(苦笑)  参考URLを閲覧いたしました。とても興味深かったです。  これからは、今までの疑惑を打ち払い、素直に講義を聞くことが出来ます。  是非また疑問を持った際、こちらに質問を掲載いたしますので、そのときもまた是非よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

その他の回答 (2)

noname#80753
noname#80753
回答No.3

図像学的解釈が必要な場合とそうではない場合が当然あります。

noname#78143
noname#78143
回答No.2

子犬と男女が描かれた絵を例にあげられてますが、はたしてそのような 意味があるのか?との疑問に私なりに答えたとするなら西洋の慣用句や 寓意などを知らないまたは、聖書における象徴物をよく知らないために そのような意見になるのではないかと推測します。 日本画でも外国の方は季語や旬の物や漢詩や仏教の説話をしらない ためによく質問されるそうです。お釈迦さまの弟子の話の日本画に 描かれた象徴的なシーンの教訓は外国人には何のことやらわからないと 思うのです。たとえばはなさか爺さんが枯れ木に灰を振りかけている シーンの絵があったとしても外国人は次のシーンで花が咲くと思わない だろうし、その灰がポチの灰とは知らないでしょうし、なんでイヌの名前がポチなんだっていうかもしれませんし。 まああなたは外国人のその逆じゃないかな。 わたしは全然ひねくれているとは思わないですね。実際その作家は犬が 好きでその教訓と犬好きとを両方満足させている絵かもしれないですし、 その作家が犬好きかも知れないと調べて新しい考えを持つのは悪いこと ではないと思います。またその犬好きかどうかの根拠を調べるのが 研究者でしょ? ただ、図像学に関しては何百年も常識として西洋絵画で用いられた、 インテリや信心深い人なら知ってて当たり前のことなので勝手な解釈 とは違いますね。アナタも花札や百人一首とかの絵にある季語とかの 知識は常識として知ってるでしょ?ソレと同じです。 あなたが思っているような暗号とはまるっきり性格がちがいますね。 ただ最近絵などに普通に見ただけでは分からない暗号が隠されている。 というような手合いのものがあるようですが私はそれには否定的ですね。 作家の性格や理念や世界を真面目に理解しようとするには障害になるの ではと心配になります。 でも犬好きかも知れないって言うのには正直驚きました。私から言わせ ればあなたのほうが夢があると真面目考えてそう思えます。 たしかに、作家の好みは作品に影響を与えますからね。 ですからその図像学の根拠にたどり着くのはどのような書籍を当たれば よいですか?と教授に質問するべきですね。犬好きかもしれないという 話も冗談みたいに織り交ぜて。 よっぽど頭の固い教授でなければ怒りもしないし、親切に解説して もらえるのではないかと思います。 夢を持って探求するのもよいのですが、時には理性的に考えて根拠を考 えるのも研究者の勤めではないかと思いますから何故だろう?と思う 気持ちは捨てずに取っておきましょう。 自信を無くさずに勉強を頑張ってください。ではでは。

a-lily
質問者

お礼

 丁寧なご回答、ありがとうございます。  「図像学」というものがとても興味深いです。このような学問があるなんて全く知りませんでした。  私事なのですが、来年から今年よりさらに講義が専門的な内容になると聞きました。私は何を履修したいのか、全く分かっていなかったので、「図像学」というもの真剣に考えてみようと思いました。  また、機会がありましたらこちらのほうで質問いたしますので、そのときはよろしくお願いいたします。ありがとうございました。  

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