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姦通と文学
姦通、不義密通などに関する小説・神話・文学・物語を探しています。もしくは人妻に恋をしてしまう話でも構いません。 例として、アンナカレーニナ、ボヴァリー夫人、クロイツェルソナタ、新エロイーズ、親和力、緋文字、金瓶梅、源氏物語、少将滋幹の母、谷間の百合、チャタレイ夫人の恋人、赤と黒を挙げておきます。 上記以外の作品を何かご存知でしたらぜひ教えてください。
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この男女の組みあわせ、永遠のテーマの一つでしょうね。 「イリアス」トロイ戦争も人妻ヘレネをパリスがかっさらったのが原因だし、 「オデュッセイア」では最後、彼の妻ペネロペに言い寄る者どもを殲滅するので、 まったく無罪(無関係)ではない(笑) 旧約聖書でこれに関し、まっさきに思い出すのは、バテシバ(バト・シェバ)のくだり。 人妻の魅力に、賢王ダビデも誤る。「サムエル記下」 絵画の題材にもよくなってると思います。 ほかでは当方の思いつけるところはほとんど出てるので、 「ドン・ジュアン」モリエール 「犬を連れた奥さん」「ともしび」「決闘」チェーホフ 「ロベルトは今夜」ピエール・クロソウスキー あたりでお茶を濁しておき、本邦では、 「寝園」横光利一 プロテスタンティズムからの影響なのか、 心理的な姦通がテーマで、なにやら高尚で微妙です。 不運にも姦通罪で告訴されたのが北原白秋。 名歌集「桐の花」でもそのあたりの心境をうかがうことができます。 また、柳原白蓮は前夫のもとを出奔、公の場で絶縁状をたたきつけ、 富豪の秀麗な歌人であったこともあいまって大正期の話題をさらったようです。 ・寂しさのありのすさびに唯ひとり狂乱を舞ふ冷たき部屋に ・摩訶不思議噂の生みし我といふ魔性の女いくたりか棲む 姦通罪が日本の法律で廃止されるのが1947年のことだそうで、 この寸前ぎりぎりがすでにお答えあがってる「武蔵野夫人」の時代設定ではなかったでしょうか。 以後、作家は書きにくくなった(笑) あと、「盲目物語」に便乗させてもらって 「瘋癲老人日記」谷崎潤一郎
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すみません!! とんでもない誤答をしてしまいました。 ボイル夫人じゃなくてシャルル夫人です↓
#4です。 お返事、ありがとうございます。 調子に乗ってまた来てしまいました。 ロレンス・ダレル「アレクサンドリア四重奏1 ジュスティーヌ」 長らく絶版でしたが、近年改訳が出版されました。出だしのかったるさは格別ですが、それを乗り越えるとハラハラドキドキできます。 ユージン・オニール「楡の木陰の欲望」 こちらは有名戯曲です。岩波文庫が絶版らしいのが残念。図書館にはあると思います。Webで見たら寺島しのぶさんが演じていらっしゃいました。 マルグリット・デュラス「モデラート・カンタービレ」 夢野久作「押絵の奇蹟」 純文学に含まれるのかどうか微妙ですが、姦通小説の特異な変化形だと思います。 それから「瘋癲老人日記」が出たので、私も便乗して嫁舅つながりで 川端康成「山の音」 あと、詩の分野だと、ラマルティーヌがジュリー・ボイル夫人(ボイル=シャルルの法則のボイル氏夫人)と恋に落ちるが夫人がまもなく死去、その思いを歌った「瞑想詩集」というものがあります。「湖」が有名なのでアンソロジーあたりに含まれているかもしれません。
お礼
こういう言い方は少しおかしいかもしれませんが、調子に乗って頂いて大いに結構です! 姦通の作品を知れば知るほど私は嬉しいです。ありがとうございます。 アレクサンドリア四重奏は検索してみたら装丁がとても綺麗ですね。面白そうです。 年末に時間をとってまとめて読んでいきたいと思います。
私小説的なもので、島尾敏雄の「死の棘」、萩原葉子の「蕁麻の家」。 後者は不倫の当事者ではなく、それが原因で崩壊した家(萩原朔太郎家)の長女が書いたものです。完全なフィクションに比べると陰鬱感があり、重たく感じられますね。
お礼
ありがとうございます。 自分の無知が嫌になりますが、二人ともまったく知りませんでした。ああ恥ずかしい。 こうして質問してみると、自分が思っても見なかった世界(小説)を知ることができて楽しいです。感謝。
- kadowaki
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No.2ですが、訂正と補足をさせていただきます。 (誤)「ヒュポリトス」⇒(正)「ヒッポリトス」 なお、「マノン・レスコー」、「悲しみよこんにちは」も加えておいて下さい。 それにしても、人類がいつ頃から「姦通、不義密通」を咎めるようになったかと考えるに、おそらく男が自分の妻が他の男と肉体関係を持てば、間男の子をわが子と信じ込んで愛情を注ぐことになりかねないと気付いて以降のことでしょうね。
お礼
「マノン、きみは神さまの創った作品としては、あまりにも美しい」という台詞は感嘆と畏れがあって素晴らしいですね。 私は姦通の罪自体についてはあまり知らないんですが、各国の宗教で姦通についても色々違うみたいですね。難しいです。 返事が遅くなりましたがありがとうございます。
チェーホフ『浮気な女』 あと、正妻ではないけれど年上の貴族の愛人との情愛を描いた コンスタン『アドルフ』 個人的にはこの本よりかはイザベル・アジャーニ主演の映画のほうが断然好きです♪ あとはギリシア神話はいかがでしょう。 例えば「クマにかえられたカリスト」。 「カリストは、とても美しいニンフでした。そのため、大神ゼウスの目にとまり、深く愛されるようになりました。まもなくふたりのあいだには玉のようなむすこが生まれました。 ところが、ゼウスの妻ヘラが、このことを知ってしまったから大変です。ヘラは(いくら美しいからって、ずうずうしいにもほどがあるわ。そうだ、カリストを、みにくいクマにかえてしまいましょう)と考え、カリストをよびつけました。 「あなたの美しさを、うばってしまいましょう。ゼウスは、それにひきつけられてしまったのですから。」 カリストは、たちまちみにくい動物(クマ)にされてしまいました。 ちなみにこれ、小学2年の娘用の『子どものための世界文学の森28ギリシア神話』なんです(笑)。 そして熊になった母を知らず弓で射ようとした息子もろとも熊にして天空へゼウスが放り投げて「おおくま座」「こぐま座」になったのは周知のことかと思われます。 夫婦カテであれば非難ごうごうであろうはずのゼウスはお咎めなし?(笑) 子供たちが「姦通による悲劇」を「何ら違和感」なく許容できるというのは、ストーリーがダントツに面白いのか、はたまた神話という現実離れした世界におけるお話だからでしょうか。 肝心の読者たる娘でなく、この私が胃がキリキリ痛くなる思いで読まざるを得ないというのが何とも可笑しい話です(笑)。 う~ん、ギリシア神話、侮るべからず♪
お礼
ゼウスってほんと不倫ばかりしてますよね。 神話や寓話はストーリーの原型としてエッセンスが凝縮されている分、結構残酷だったりしますが、実際の所子供たちはどう受け取っているんでしょうね。 私が子供だった時は物語の善悪についてあまり考えていなかったような気がします。 映画はあまり見ない方なんですが、「アドルフ」はビデオ屋で探してみたいと思います。 ありがとうございました。
こんにちは。 古典文学がお好きなんですね。 私が思い出せたのは、まず「トリスタンとイズー」、「ランスロットとグィネヴィーア(アーサー王伝説)」です。 その後はずっと時代が下ってしまいますが、もし未読でいらっしゃったらネタバレしてしまうので姦通も人妻への恋もまぜこぜにして、思いつくまま書きますと・・・。 エミール・ゾラ「テレーズ・ラカン」 ラファイエット夫人「クレーヴの奥方」 ラディゲ「肉体の悪魔」 グレアム・グリーン「情事の終り」 大岡昇平「武蔵野夫人」 (ちょっと通俗小説っぽいけれど)三島由紀夫「獣の戯れ」「沈める滝」 谷崎潤一郎の「盲目物語」は片思いすぎてだめでしょうか? オマケ:ノンフィクションですが民俗学の古典、宮本常一「忘れられた日本人」のなかの「土佐源氏」。あ、チャタレー夫人!と思う部分がありました。
お礼
古典文学というか、恋愛話や美女が出てくるものが好きなんです。軟弱です。 「肉体の悪魔」は気の狂った召使が屋根で暴れているシーンがなんとなく印象的で、とても面白く読めました。 「土佐源氏」はチャタレー夫人に通じる所があるということで、読むときに探してみようと思います。 片思いでも横恋慕でも全然構いませんのでどんどん教えて下さるとうれしいです。 ありがとうございました。
- nomori
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姦通という概念が法令化されるのはたしか近世に入ってからなのでそれ以前を姦通と捉えるかどうか、私にはとてもおぼつかないのですが…(現代から見たら光源氏と藤壺との関係は姦通ですが、これを姦通とすると王者の女に手を出す臣下というモティーフは百人一首で有名な元良親王などにも見られますし、他人の妻と寝ても世間的に評判が落ちようとも殺されるとかはないからいかんとも言いがたいです…) 近世以降は姦通は武士の場合その場で妻と密夫を殺せますからね…。 やっぱり一番有名なのは好色五人女でしょう。 キリスト教圏とちがい、仏教圏は俗人の性行為に関してある種とても寛容なので、姦通が悪意を持って捉えられることは少なく、よってその種の文学というモノもあまりスキャンダル性を帯びませんね。 あ、近世以前で姦通しまくっている物語がひとつあった…『とはずがたり』だ…。けっこう姦通してますよ。
お礼
法令については全然考えていませんでした。 そういえばイヌイットやなんとか族なんかには妻を他人に貸したりする文化があるわけで、姦通という考え方が存在しない空間もあるんですよね。法令化されたから姦通が文学になり得たということでしょうか。 百人一首は全く覚えていないので少し調べてみたいと思います。 ありがとうございました。
- kadowaki
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すでに挙げられた以外の作品となると、すぐにエウリピデス「ヒュポリトス」、それを典拠にしたラシーヌ「フェードル」、それを典拠にした三島由紀夫「芙蓉露大内実記」(歌舞伎)、同じく三島の「美徳のよろめき」、「春の雪」などが思い浮かびます。 その他の名作となると、谷崎潤一郎「痴人の愛」、芥川龍之介「袈裟と盛遠」、志賀直哉「暗夜行路」、村上春樹「ネジマキ鳥クロニクル」といったところでしょうか。 通俗(大衆)小説まで含めるなら、まだまだありますが、割愛します。 外国文学では、他に「ハムレット」、ラクロ「危険な関係」、ラディゲ「ドルジェル泊の舞踏会」、ケッセル「昼顔」などが挙がってきます。
お礼
大変助かります。 村上春樹は姦通文学としてはチェックしていませんでした。盲点です。そういえば国境の南とかでも不倫してましたね。 それ以外の作品も知らないものばかりで参考になりました。 ありがとうございます。昼顔は大好きです(その割に例として思いつきませんでしたが)。
- gaikokusum
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夏目漱石の「それから」「門」があります
お礼
ありがとうございます。 夏目漱石は読んだ筈なのですが忘れていました。 もう一度読み直してみようと思います。
お礼
たくさん紹介頂いてありがとうございます。 モリエールは孤客だけで止まっていたのでこれを機に他の作品も読んでみたいと思います。 昼顔から吉原幸子の昼顔反歌を読んで、短文の中に溢れる余情に悶えた口なので、柳原白蓮の「寂しさの~」という短歌は大変興味深かったです。小説ばかりでなく詩や和歌の類も良いものですね。