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求核剤の反応性の強さの指標について
塩基性については、電子の共鳴などでどの塩基が強いなどはわかるのですが、求核性に関してはよくわかりません。 塩基性と求核性には、関連性がないみたいなのですが、求核性に関して、強さの理由みたいなものはないのでしょうか?
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求核性に関しては、通常、求核置換反応の速度によって比較します。 一般論として、求核性を判断する際の検討要因はいくつかあります。 まず、同一族の元素(たとえば、I-とBr-とCl-など)の比較であれば、原子番号の大きい方が求核性が大きくなります。 すなわち、I->Br->Cl->F-あるいはHS->OH-などです。 次に、同種の原子が求核性を示す場合には、より大きな負電荷を有するものの方が求核性は大きくなります。たとえば、OH-はH2Oよりも強い求核剤です。それは酸素原子上の電荷の違いによるものと説明出来ます。 また、ご質問にある塩基性に関しては、同じ種類の原子の求核性を比較するのであれば、強塩基であるほど求核性も大きくなります。たとえば、アルコキシドはフェノキシドよりも強い求核剤であり、フェノキシドはカルボキシラートよりも強い求核剤です。上述の、H2OとOH-の求核性の違いについても同じ考え方が適用できます。 また、これら以外に立体的な要因で求核性が小さくなる場合もあります。たとえば、tert-ブトキシドなどはその例です。 現実問題として上述以外の比較であれば、データ集を見るなどのことをする必要はありますが、こうした内容だけでもかなりのことがわかります。 ついでにHSAB則のことですが、これに関して過大に意識することは無意味です。反応点が2カ所あるものの反応であれば、HSAB則の考え方は重要ですが、そういう事態は一般的とはいえないでしょうし、ご質問の主旨からも外れてるでしょう。
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求核剤の強さというものはあまり考えない方が良いでしょう。 なぜなら例のHSAB(hard soft acid and base)の問題があるからです。 ハードな反応にはハードな求核剤が、そして逆もまた真。 ハード・ソフトには炭素だけなら共役状態と脱離基のハード・ソフトが、中心原子が炭素でなく第三周期以降の元素だとソフトがだんだん有利になってきます。
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回答ありがとうございます。 HSAB則という考え方があるのですね。
お礼
回答ありがとうございます。 大変よく理解することができました。