• ベストアンサー

収賄罪の考え方について

こんにちは。大学の刑法各論のレポートについて、アドバイス頂けると幸いです。 レポートの課題は、、、 甲書店から万引きの見回りの依頼を受けた警察官Aは、B女が数冊の本を自分のバックに入れているのを発見した。AはBが金銭的に余裕のある身なりとわかると、警備室に連れて行き自分が警察官であることを名乗り、Bの夫が一流企業の部長であることを聞き出すと、5万円出せば見逃すが、そうでないときはAの行状と夫の会社名と名前を出入りの週刊誌記者に洩らすと告げた。BはAに5万円支払った。Aが本を元にもどした。AとBの罪責はどうなるか。 というものです。 私の考えは、Aの在籍は収賄罪が該当すると思ったのですが、テキストと判例を読むと、「公務員がひとを畏怖させ、財物を交付させた時は、恐喝罪が成立し、収賄罪は成立しない」と書いてあります。参考書では、公務員に職務の意思があった場合は収賄罪、職務の意思がない場合は、恐喝罪と記されているものもあります。 私も質問は、 ・Aは自分の課せられた職務を無視しているのに、なぜ収賄罪が適用されないのか。 ・参考書にある職務執行の意思は関係あるのか。 の2点です。 よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • Himuca
  • ベストアンサー率70% (12/17)
回答No.3

>Aは自分の課せられた職務を無視しているのに、なぜ収賄罪が適用されないのか。  収賄罪・贈賄罪が必要的共犯であることを重視する説の場合、仮に贈賄する者に意思決定の自由があったとしても財物を脅迫により喝取されることを禁ずることとなり妥当性を欠く(被害者に対して被害者となるなと法が命ずることになる)との理由から贈賄罪の成立を否定し、必要的共犯関係にある収賄罪の成立も否定し恐喝罪のみが成立することになります。よってAに恐喝罪一罪のみが成立することになります(Bは不可罰)。 >参考書にある職務執行の意思は関係あるのか。 「職務に関」することが収賄罪の成立要件です。従って収賄罪を認めるためには職務執行の意思が必要となります。 Aは警察官の職務として甲書店の見回りをしていましたからこの時点では職務執行の意思があることがうかがえます。しかし一方で「Bが金銭的に余裕のある身なりとわかると」「週刊誌記者に洩らす」という部分からは 職務執行の意思があったかどうかが不明確です。私個人としては「週刊誌記者に洩らす」という時点で職務執行の意思は認めがたいところですが、職務執行の意思の有無により場合分けをして、 ・職務執行の意思がなかった場合  「職務に関」する行為ではないので収賄罪は成立しません。よってAに恐喝罪のみが成立し、Bは不可罰となります。 ・職務執行の意思があった場合 1)Aの恐喝罪一罪のみの成立(上記の説)。 2)Aに加重収賄罪、恐喝罪の成立を認め(観念的競合)Bは不可罰  この説ではBの財物交付行為が完全に任意であったか否かを重視し、脅迫によって財物交付がなされている以上完全な任意性が認められずBの贈賄罪成立を否定します。Aについては職務執行の意思がある以上収賄罪も成立し、恐喝罪との観念的競合となります。 3)Aに加重収賄罪、恐喝罪の成立を認め(観念的競合)、Bに贈賄罪の成立を認める  Aに関しては2)と同。Bに関しては、恐喝罪は個人に関する法益で、職務の公正を法益とする収賄罪とでは保護法益が異なり罪質を異にし、また例え脅迫による瑕疵ある意思表示であっても財物の交付に任意性が認めらる以上Bに贈賄罪が成立します。 ちなみに判例・通説は恐喝罪、贈賄罪、収賄罪の成立を認める立場です。

voda2714
質問者

お礼

私のわかりにくい質問にわかりやすく体系的にお答えいただいてありがとうございます! 職務に関する意思をどのように判断するかが、ポイントだとわかりました。

その他の回答 (2)

  • 17891917
  • ベストアンサー率75% (490/652)
回答No.2

 判例(大審院昭和2年12月8日判決)の事例は,警察官が,その意思がないのに検挙を行う旨申し向け,犯人を畏怖させて金員を提供させた場合です。  警察官がはなから職務の執行を行う意思がない場合には,「その職務に関し」(197条1項)の要件を満たさず,いわば,非番の警察官が,詐言を用いて金品を提供させたのと同じことなのです。    しかし,本件においては,警察官Aは,「甲書店から万引きの見回りの依頼を受け」て,万引きしたB女の身柄を確保したのですから,職務執行の意思があると認定しても誤りではないと考えます。  この場合,Aの行為は,恐喝(刑法249条)と賄賂要求罪(197条1項)とが観念的競合(54条)となり,賄賂の収受により,要求罪は収賄罪(197条1項)に吸収され,結局,Aには,収賄罪(又は加重収賄罪(197条の3)と恐喝罪との併合罪(45条)が成立することになります。

voda2714
質問者

お礼

アドバイスありがとうございます! なるほど。確かに職務執行の意思ありと考えてよいですね。収賄罪も加重収賄罪や単純収賄罪などいろいろあって、難しいです。(汗)

  • trajaa
  • ベストアンサー率22% (2662/11921)
回答No.1

素人ですが。 『5万円出せば見逃すが、そうでないときはAの行状と夫の会社名と名前を出入りの週刊誌記者に洩らすと告げた』 見逃さない場合に、週刊誌記者へ漏らすのは職務と何ら関連性がない。 というか、充分に『ひとを畏怖させ、財物を交付させた』状態と読めるが? これが、警察署へいって事情を聞きましょう。というような事ならば職務上の行為を行わないという事になるのだろうが・・・

voda2714
質問者

お礼

アドバイスありがとうございました!