たぶん、質問者さんの読んだ教科書に「中性刺激を条件刺激と対提示することで条件刺激に変える」と書いてあったでしょう?
高次条件づけは「条件刺激」と対提示するのであって、「無条件刺激」と対提示することではないので注意!!
復習すると、無条件刺激とは、それが提示されるだけでレスポンデント行動を誘発する刺激のことです。本来は中性刺激(それだけではレスポンデント行動を誘発しない刺激)である何らかの刺激と無条件刺激を対提示することによって、中性刺激の提示のみでレスポンデント行動を誘発するようになる。このような刺激のことを条件刺激というのでした。
No.2さんのような歯医者の例は非常に分かりやすい。例えば、歯医者に入って「キュイィィン」という音を聞くと、私は"なんだか歯が痛むような気分"になります。これは、本来は中性刺激であるはずの「キュイィィン」という音と、歯を削られることによって生じる痛み(*1)とが対提示されることによって、音を聞いただけでもそのような気分になるというわけです(これはレスポンデント条件づけ)。
【「キュイィィン」という音】(中性刺激) * 【歯の痛み】(無条件刺激) → 「キュイィィン」という音が条件刺激になる
ところで、これで私にとって「キュイィィン」という音は条件刺激として働き、その音を聞いただけで"歯が痛むような気分"に襲われるようになっています。そこで、この音(条件刺激)と100円玉を対提示してみます。100円玉を見せるたびに「キュイィィン」という音を聞かせるわけです。そうすると、おそらくは100円玉を見るだけでも"歯が痛むような気分"になるでしょう。これが高次条件づけ。
ちなみに、歯を削られることによって生じる痛みというのは、厳密にはどのような刺激なのか良く分かりません。それがある人によっては脱力感かもしれないし、涙が出る(涙腺が弛む)ことかもしれませんし、、、代表して「歯が痛むような気分」と書いたに過ぎません。