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蛋白質の安定性について

突然質問してすみません。 少し聞きたい事があるのです。 蛋白質工学の本を読んでいて疑問に思ったのですが、 蛋白質の安定性は、圧力や温度や溶媒条件に依存すると教科書に書かれていましたが、何故、影響を受けるのですか?

質問者が選んだベストアンサー

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  • teru-arai
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回答No.2

 私は生化学が専門で、物理化学は苦手です。それで、この質問にまともに答えるすべを持たないのですが、おもしろい質問だと思ったので生化学屋がタンパク質にどのような感想を持っているかを書いてみようと思います。まともな答えは物理化学の得意な方にお願いしておきます。  確かに、鋼鉄の棒だったら、多少力を加えてもびくともしませんし、温度が少々上がってもくにゃりともなりません。しかし、残念ながら(?)タンパク質はほとんどハンダのような感じで簡単に曲がって変形するし、温度を上げりゃ溶けますね。タンパク質が安定な丈夫な物でなくこのような形が変わりやすい、不安定な素材で作られていることにどのような意味があるのでしょうか?  タンパク質工学の本を読んでいると言うことなので、生化学は学習済みかと思います。以下そのつもりで書きます。生化学でいろいろたくさんのタンパク質が出てきたと思います。それらタンパク質についてどう思われましたか?例えばアミラーゼははさみのようにデンプンをちょきちょきと端から切っていきます。あるいはリセプターにはリガンドが結合します。リセプターを質問者さんの手にたとえるなら、指には関節があります。関節のところで曲がって変形するから物をつかむことができます。これが曲がらない鉄の棒だったらつかみずらいです。はさみも同様で、ちょきちょき動くから切りやすい。タンパク質というのは形が変わるから働くといえます。  別な例ですが、グルカゴンによって肝臓でグリコーゲンの分解が促進されますが、この時にご存じの通りフォスフォリラーゼがリン酸化されて活性化します。フォスフォリラーゼは800個以上のアミノ酸からなる大きなタンパク質です。そのうちのたった一個のセリン残基がリン酸化されるだけでタンパク質全体が活性型に変化するわけです。あるいは、Cキナーゼはジアシルグリセロールが有るとCaイオンの必要濃度を千倍近く下げることができます。ジアシルグリセロール存在という周りの環境変化によってタンパク質の性質や形を簡単に変化させられます。  多少条件を変えただけで大きく形や性質を変えることができるためには、形が変わりやすい不安定なくにゃくにゃしたものであることが必要なのだろうと思います。常温で非常に安定で堅い鉄の棒のような物で“タンパク質”を作ることは可能だったろうとは思います。しかし、その様な”タンパク質”から生命の誕生はなかったと思います。

その他の回答 (1)

回答No.1

高次構造をもつネイティブなタンパク質は、加熱や有機溶媒の添加などにより、ペプチド結合は影響されないものの、二次および三次構造のフォールディングが解かれ破壊されてしまい、変性していまいます。変性タンパク質は無秩序な構造を取り、凝集するなどして不可逆的に機能を失います。変性は、加熱・凍結・強い撹拌・超音波などの物理的要因や有機溶媒・強い酸・強いアルカリ・界面活性剤・重金属イオンの作用などの化学的要因によって起こることが知られています。タンパク質の高次構造はアミノ酸側鎖間の相互作用に大きく依存していますので、上記要因により相互作用が解消され、変性してしまうと考えられます。

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