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イギリス英語の r
方言にもよるのでしょうが、RPなどでは語尾のrの音は発音されませんよね。例えば There are a thousand ways to cook のような文章の場合、アメリカ英語だと自然に there と are と a の間にrの音が挟まりますが、イギリス式では意識しないとゼアラーという発音にならないと思います。実際にはこういうのはどういう風に読まれているのでしょうか。
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>イギリス式では意識しないとゼアラーという発音にならないと思います いや,逆に,無意識に入れてしまうようです。 とにかく母音が連続すると発音しにくくて仕方がないのです。 私が言っても説得力がないので,イギリス英語の専門書にご登場願いましょう。以下, A. C. Gimson(著),Alan Cruttenden (改訂)(2001) Gimson's Pronunciation of English (6版) Arnold Publishers の 288-289ページより,一部引用します。ここでは発音記号が表示できないので,読みにくい所はご勘弁ください。 まず,母音挟まれたときに現れる /r/ を Linking r と呼びます。 RP introduces word-final post-vocalic /r/ as a linking form when the following word begins with a vowel. (...) e.g. in far off, four aces, answer it, fur inside, near it, wear out, secure everything. 規範にうるさい人は,綴り字にないときには /r/ を入れるなと言いますが,実際にはよく使われ,嵌入(かんにゅう)の /r/(intrusive r)と呼ばれます。 Prescrivists seek to limit the allowability of linking /r/ to those cases where there is an <r> in the spelling; nevertheless many exaples of linking /r/ occur where there is no <r> in the spelling, such /r/'s being labelles as 'intrusive'. (...) e.g. Russia [r]and China, drama [r]and music, idea [r]of it, India [r]and Pakista, area [r]of agreement. ただし,「アー」や「オー」の後では頻度が落ちます。 (...) and rather less freuently after final [A:,O:] e.g. law [r]and order, awe-[r]inspiring, raw [r]onion. /r/ を入れないようにすることは,かえって綴りを意識して努力することなのです。 [T]hus I saw [r]it, draw[r]ing, are generally disapproved of, though those who avoid such pronunciation have to make a conscious effort to do so. これが高じると,綴りに /r/ があっても発音しなくなり,でも母音連続はやっぱりいやなので,半母音や声門閉鎖音を使うようになります。 I'm sure [?]it does, War [?]and Peace
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- tjhiroko
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こちらに論文がありました。 http://www.yek.me.uk/linkr.html 初めの方だけ斜め読みしましたが、後ろに続く語にもよるようですし、個人差もあるようですし、なおかつ同じ人が両方のやり方をすることもあるようですね。
お礼
参考になりました。もともとRPを習得する意気込みもありませんでしたが、論文の中の「Linking r をはなから無視する方がたやすく思えるなら、外国人学習者はそうしても問題ない」という引用を読んで、その通りにして深入りはよそうと思いました。
- harepanda
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語尾のRについてはアメリカ英語のほうが保守的であり、子音の名残を示しているのに対し、イギリス語では完全に母音化し、単にあーと伸ばすだけです。
補足
米語が英語の古い発音を保持しているってことですよね。 ただ、rで終わる語の後に母音で始まる語が来る場合、フランス語でいうリエゾンのような現象が起こって、rが発音されるんじゃないかと思ったんですが、どうなんでしょう。
お礼
たいへんわかりやすいご説明をありがとうございました。それにしても綴りさえも関係なくなるだなんて、思ってもみませんでした。綴りにrがあっても発音しなくなり、でも母音連続は嫌…って、裏の裏のそのまた裏をかかれました。いやはや、実に興味深いことです。