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古文で「~とは、思ひ給へたりつるを、」は、
古文で「としごろ~とは、思ひ給へたりつるを、」 は、 「長年~とは、思っておりましたが、」 という意味になるでしょうか。 また、「たりつ」と「たりき」(継続+完了、継続+過去)では、 とちらも「~ていた」という訳になるように思うのですが、 どんな違いがあるのでしょうか。 初学者で恥ずかしいのですが、 お知恵を拝借できれば有難いです。 よろしくお願い致します。
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>「長年~とは、思っておりましたが、」 >という意味になるでしょうか。 なります。 ここの「給へ」は、ハ下二の活用を起こす謙譲語の「給ふ」の連用形ですので、「いる」の謙譲語として「おる」の訳は当たります。 古文中に丁寧語は含まれていないので、厳密に言うと、「ます」を入れて訳すのは疑問なのですが、こういう言い回しは、まずどんな訳文を見ても「おります」と丁寧込みで訳されていますから、これで構いません。 「つる」を存続で(質問者様は「継続」という文法用語をお使いのようですが)、「を」を接続助詞で扱っているのも、この後の文脈を見なければはっきりしたことは言えませんが、まず慣例的に見てこの訳で間違いないと思います。 >また、「たりつ」と「たりき」(継続+完了、継続+過去)では、 >とちらも「~ていた」という訳になるように思うのですが、 完了と過去は、日本語の場合、ほぼ同じととらえて構わないと思います。 「完了」というと、英語文法の「完了用法」と混同して、時制の支配を受けたり、過去完了や現在完了、未来完了の用法があるように錯覚しがちですが、日本語文法の場合は、そういうことはありません。 ただ、「たりつ」「たりき」が常に「~ていた」と訳すかというと、これは違います。 「たり」が、「存続」ではなく、「完了」の意味をもつ場合もあるので、「~ていた」ではなく、「~てしまった」と訳さなければおかしい文脈もあります。 非常に厳密に言うと、過去の助動詞「き」は、直接過去、または体験過去などと呼ばれ、筆者や発言者自身の極めて身近な体験の場合に用いる助動詞です。 (間接過去、伝聞過去などと呼ばれる「けり」と違います) そして、完了の助動詞「つ」は、何らかの意思を持って人為的に行ったことについて述べる助動詞です。 (自然的、無作為的な動作に用いる「ぬ」と違います) ですから、「き」と「つ」を比較するということは、体系的に考えてあまりないことなのですが、強いて言えば、意思の介入があるかないか、というところに議論の余地があるかもしれません。 勝手に起こったが語り手の直接知っている範囲の過去については「き」、語り手の意思によって人為的に行なった行為の過去については「つ」、ということです・・・が、用例の全てが全て、このような文法的原則に当てはまるわけではないし、訳文をこしらえるに当たって訳し分けが必要ということではありません。
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- suunan
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○「たりつ」と「たりき」(継続+完了、継続+過去)では、 とちらも「~ていた」という訳になるように思うのですが、 どんな違いがあるのでしょうか。○ 訳文の字面は同じになり、現代語だけ読んだら同じです。 これは口語の方が表現が貧しくなっているのでしかたありません。 完了と過去の違いはご存知でしょうが、 ほかにもたとえば 同じ過去の「けり」と「き」も微妙に違います。 「けり」には動的な音Liがあるし 一音の「き」の方がカチッと止まっている語感ですよね。 「けり」では頭の中で記憶の動画を流して或るできごとを 特に認識する、としたら「き」ならその瞬間の静止画が 分離して薄れてゆく、みたいな感覚の違いがあると思います。 ここまでくるともう文法の話ではなくなりますが、 口語では失われてしまった時的感覚をあらわすために 多くの助動詞が存在したのだから、感覚と結びつけると 文法的判断も効率が上がると思います。 「つつ」はドラッグで「たり」はその終点が黒丸に膨らむみたいな。 余談になりますが 古典芸能にスローモーションが多いこととあわせて、 「時間そのもの」を見つめるのは日本人の特質のひとつですね。
お礼
ご回答ありがとうございました。 完了と過去、文法の本や辞書で見ていて、 一応分かったつもりになっているのですが、 「どうしてここは完了を使っているのかな?」とか、 時々考えてしまいます。。 「思へ給へたりしを」だったら意味がどう違うのか、 とか・・・。 時間の感覚にはよく戸惑ってしまっていますので、 参考にさせて頂きたいと思います。
お礼
丁寧なご回答、本当にありがとうございました。 しばしば、「ここはなぜ完了なんだろう?」「ここは過去だなぁ」 と不思議に思うことがあるのですが、 参考にさせていただこうと思います。 ありがとうございました!