和訳先渡しを実践している高校教師です。
和訳先渡し、という方法自体に特定の効能があるのではない。
それを教師と生徒が授業にどのように利用するか、しないか、に
効果の違いがあるのだと思います。
訳が手元にあるから安心だと思って
予習も復習もしないで漫然と授業を焚き火にあたるように聞いても
あっぷるさんのあげたいずれの力もつくことはない。
予習をする段階で自分の理解の確認に使う。
その段階で配られて訳に疑問を持つ。
授業の内容と配られた訳の一致不一致を確認する。
復習で語彙、構造、意味のつながりを自分で訳を完成しながら確認する。
といった、かなり手間のかかる学習を生徒がして
はじめて効果のある方法になりうる。
その手間をネグればどんな方法を使っても効果はないでしょう。
そもそも先渡しの和訳ですが、どこから手に入れるのでしょう。
三省堂Crown Readingの教科書についている
教師用のマニュアルの訳(データCDの訳の印刷したもの)を
配布していますが、
誤訳、不明瞭な訳、理解に役に立たない訳
などが多くて辟易しました。
ご自分で訳して配布するなら授業と一致した訳になるでしょうが、
ひどく手がかかりすぎて、続かなくなります。
意訳をするときも、
予習も復習もしない生徒の顔が脳裏にちらついて手がすくみ、
英文構造を残した生硬な訳になってしまうこともあります。
いずれにしても熱心に勉強する気のない生徒を相手に
特効薬はないということでしょう。
お礼
なるほど。 使い方が結構むずかしいとようですね。 うまく使わないとただ楽させてしまう、というのは何となく想像できましたが、詳しく説明してくださって、いっそうよく分かりました。 ありがとうございました。