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上極限、下極限
数列の上極限、下極限はなんとなくわかるのですが、 集合列の上極限、下極限の概念がどうも理解できません。 limsup An(n→∞) = ∩(n∈N)∪(k≧n) Ak 上極限が∩∪で、下極限が∪∩となるのはなぜか? また、上極限は「無限に多くのAnに含まれている要素を集めた集合」、 下極限は「有限個のAnを除いたすべてのAnに含まれている集合」と のことですが、その解釈がどうも理解できません。 どなたか、具体例などを示していただいて、わかりやすく説明 していただけないでしょうか?
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- k_m__
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集合の記号の意味を理解する訓練をする必要があるようですね。 ∪(n∈N)∩(k≧n)Ak の意味を考える時は左側の記号から外していきます。 a∈lim inf An(n→∞)=∪(n∈N)∩(k≧n)Ak ⇔ ある n∈N が存在して,a∈∩(k≧n)Ak が成り立つ。 つまり,a は An 以降の全ての Ak に属しているということです。 ただし,An 以前の A1, A2, A3, ..., An-1 のそれぞれについて, a が属しているかどうかは不明です。 しかし,これらの n-1 個の集合の個数は有限個です。 したがって,これらの中に a を要素として持たないものがあったとしても,それらは高々有限個であり, それらを除いたすべての An に a は属していることになります。 こんな調子で集合の記号を読み解いていきましょう。
- k_m__
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実数の大小関係と集合の包含関係を関連付けて考えるのがポイントです。 まず数列の上極限,下極限についておさらいします。 limsup an の意味は次の通りです。 bn=sup(k≧n)ak とおくと,どんな k≧n に対しても,bn≧ak が成り立ち, しかも bn はこの不等式を成り立たせるような最小の数です(上限は最小上界)。 そして bn は n に関して単調に減少する(あるいは単調非増大)ので, lim(n→∞)bn=inf(n→∞)bn という書き換えることができます。 よって lim sup an=inf(n∈N) sup(k≧n) ak というように,上極限を sup と inf だけで表現することが出来ます。 次に「実数の大小関係」という順序関係を「集合の包含関係」という 順序関係にうつしかえる方法を考えます。 ただし,実数はどんな2つの実数の間にも大小関係が定まるのに対し, ある全体集合の部分集合同士については,包含関係が必ずしも 定まらないという大きな違いもあるので,注意が必要です。 集合 A,B について,A⊃B が成り立つ時,「A≧B」と仮に書くことにします。 では,ある集合の部分集合からなる列 An があったとします。 ある n について,k≧n なるどんな k に対しても Bn≧Ak (普通の書き方では Bn⊃Ak)が 成り立つような「最小の」集合 Bn は何でしょうか? それは実は Bn=∪(k≧n)Ak なのです(これは証明を要することです)。 これが数列の bn=sup(k≧n)ak に相当する式です。 一方,どの Ak にも含まれるような「最大の」集合は ∩Ak です。 つまり,sup は ∪ に,inf は ∩ に対応すると考えればよいことがわかりました。 このような議論から,lim sup an=inf(n∈N) sup(k≧n) ak という関係式の集合列版が, この置き換え規則によって,∩(n∈N)∪(k≧n)Ak とするのがふさわしいことがわかったのではないかと思います。 後半の疑問については素直に集合の記号を解釈すれば解決します。 a∈limsup An のとき,これは a∈∩(n∈N)∪(k≧n)Ak と同値です。 そしてこれは,全ての n につき a∈∪(k≧n)Ak が言えるということです。 a∈∪(k≧n)Ak というのは,「a∈Ak となる n 以上のある k が存在する」ということを意味しています。 したがって,n=1, 2, 3, ... に対して取れる k≧n かつ a∈Ak を みたすような k のどれかひとつ(複数あるかもしれません)を kn と 名付ければ,kn≧n より,n→∞ のとき kn→∞ とならざるを得ないので,kn は無限個あります。 つまり,a は「無限に多く」の Akn 達に共通して属しているということになります。 これが「無限に多くのAnに含まれている要素を集めた集合」という言い回しの意味です。 同じ様な読み解き方で『下極限は「有限個のAnを除いたすべてのAnに含まれている集合」』という文章について考えてみて下さい。
お礼
丁寧に解説していただき、ありがとうございます。 まだ、完全に理解したとはいえないのですが、なんとなく 理解できそうな感じになってきました。 下極限の「有限個のAnを除いたすべてのAnに含まれている集合」という文章について、上極限と同じような読み解き方で、考えてみましたが、自分の考えがあっているのか、まだ自信がありません。 おそれいりますが、下極限についても解説していただけないでしょか。
お礼
ありがとうございました。 集合や集合記号の理解ができていないことが、わかりました。 基礎を勉強しようと思います。