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イジングモデル、XYモデル、ハイゼンベルグモデルの相互作用について
- スピンのモデルでイジングモデルなどがありますが、なぜハイゼンベルグモデルではxy成分の相互作用が消えるのでしょうか?また、XYモデルではなぜxy成分だけが残るのでしょうか?
- 異方性のD項がイジングモデルで効いていると言われていますが、このD項の発生原因は何なのでしょうか?また、S=1/2の系にはイジングモデルはあり得ないのでしょうか。
- イジングモデル、XYモデル、ハイゼンベルグモデルの相互作用について詳しく知りたいので、参考書のポインタなどを教えてください。
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> 単純な交換作用の異方性は、必ずドット積になるもんだと > 思い込んでしまっておりました。 直接の交換相互作用(超交換相互作用でないという意味)でも異方性はありますし, D・(S1×S2) の形の Dzyaloshinsky-Moriya 相互作用と呼ばれるものもあります (D,S1,S2 はベクトル). > 現実問題としてはS=1/2でもイジング的 > なものは存在する(存在してもおかしくない)わけですね かなりあるようです. XY 的なものは余りないと言われています. S=1 以上では異方性として相互作用異方性と D・Sz^2 の異方性とありますが, 後者の方が重要なことが多いようです. スピンの大きさ S で D・Sz^2 がある場合, D が負で絶対値が大きいと実質的に Sz = ±S しか実現されませんから S=1/2 のイジング系と同じように見えることがあります.
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- siegmund
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siegmund です. 最近多忙で,教えて!gooは休眠状態です. 磁気的相互作用の起源は非常に複雑で,この方面でメシを食っている私も 「あれ,そうだったっけ」というようなことが時々あります. 他の研究者と議論していても同じようなことがときどきあるので, 単に私がヘボなだけではないようです. 手元の本では 「磁性」(金森順次郎,培風館) 「化合物磁性 --- 局在スピン系」(安達健五,裳華房) 「電子スピン共鳴」(伊達宗行,培風館) 「磁性」(芳田奎,岩波) などに解説があります. > 交換相互作用はハイゼンベルグ的(S1x・S2x + S1y・S2y + S1z・S2z) もともと,このタイプの相互作用は電子間の交換積分などの効果を 実効的にスピン間相互作用の形に表したものです. 確かに,ごく単純な場合(水素分子など)では等方的な形になります. 絶縁体の磁性を念頭に置いているのであれば,なかなかそうはなりません. 通常,磁性を担っているのはdやf電子を持つ原子で, ○ dやfの軌道がそもそも等方的でない ○ 原子番号の大きいものではスピン-軌道相互作用が大きい ○ 結晶場の影響も重要 などの理由により,そもそもスピン間相互作用が等方的なハイゼンベルク形に はなりません. 詳細は上のテキストなどをご覧ください. なお,イジング的,XY 的と言うときは,いわゆる XXZ 型ハミルトニアン J(xy){S1x・S2x + S1y・S2y} + J(z) S1z・S2z で, J(xy) > J(z) ・・・ XY 的 J(xy) < J(z) ・・・ イジング的 と言うのが普通です(相互作用の異方性). D・Sz^2 は一軸異方性,on-site の異方性,などと呼ぶのが普通です. 相互作用の異方性と一軸異方性は区別して扱わないといけません. S=1/2 の系については一軸異方性は意味がない(Sz^2 が定数になってしまうので) のは質問文で述べられているとおりです.
お礼
お忙しいところ、すみません。 まず、ともかく本を見てみます。金森先生の本は絶版なのが 残念ですが、図書館で探してみます。 単純な交換作用の異方性は、必ずドット積になるもんだと 思い込んでしまっておりました。 それから、磁気異方性とは、二つあることをよくわかっていま せんでした。相互作用の異方性はS=1/2かどうかにかかわらず 効きそうですから、現実問題としてはS=1/2でもイジング的 なものは存在する(存在してもおかしくない)わけですね。
お礼
ありがとうございます。お忙しいところ(後期が始まったから でしょうか)、ご解答いただき、恐縮しております。 DMについては、「ひっくり返って隣接サイトに飛んだとき、世界が 違って見えるかどうか」ということで、判った気になっていたのですが、 もっと単純なイジングについて、まるで判っていなかったことが判り ました。 これからもよろしくお願いいたします。